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Adobeのサブスク「解約チラつかせると半額」にも批判 不公平な料金体系は続くのか

ITmedia NEWS 2024年7月1日 13時4分

  ITmedia NEWS Weekly AccessTop10(6月22~28日)

1 消えたキーマン──「新プロジェクトX」のスパコン「京」回が批判を受けた理由 富士通とNHKの見解は?

2 U-NEXTにも海外クレカ規制の波 成人向け「H-NEXT」、Visa/Master決済を一時停止に

3 JINS 「目が小さくならないメガネ」発売 錯視効果を利用

4 “どの次元”でも車輪のように転がる“球以外の図形” カナダの数学者らが発見 体積は常に球より小さい形状

5 VTuber「ぶいすぽっ!」運営、個人情報漏えいの可能性 Xでの炎上騒動から発覚、調査→系列企業の他企画でも漏えいか

6 Adobe「解約手数料高すぎ」問題にメス 「条件は透明、キャンセルは簡単」と主張も、ユーザー意識とズレ

7 無料で使える多機能カメラアプリ「Blackmagic Camera」に、待望のAndroid版が登場

8 寝不足で失われた「記憶」、後で十分寝ても手遅れ? 繰り返し高速再生する機能は戻らず 米研究者らが検証

9 「ぶいすぽっ!」漏えい問題、被害者の電話番号変更費用を負担 家の引越費用も

10 KADOKAWAの株価下落 NewsPicks報道の影響か

 ITmedia NEWSにおける1週間の記事アクセス数を集計し、上位10記事を紹介する「ITmedia NEWS Weekly Top10」。今回は6月22~28日までの7日間について集計し、まとめた。

●「新プロジェクトX」への違和感

 先週のアクセストップは、スーパーコンピュータ「京(けい)」を取り上げたNHK「新プロジェクトX~挑戦者たち~」に関する記事だった。京の開発責任者を務めた技術者・井上愛一郎さんがまったく紹介されなかったことについて、ネット上の関係者の反応をまとめ、NHK、富士通に取材した内容だ。

 筆者は「新プロジェクトX」に期待していたのだが、初回の「東京スカイツリー 天空の大工事」を見て違和感を覚えた。「困難に挑戦した会社員たち」の物語を作りたいあまり、個人にフォーカスしすぎて会社全体やチームとしての姿勢が見えにくく、泥臭いビジネスの視点や駆け引きも無視されていると感じたからだ。

 登場した人々の努力には頭が下がる。ただ、完遂からまだ間がなく、関係者が多岐にわたる複雑なプロジェクトについて、ドラマチックに盛り上げるだけでは、今の時代にはなかなか説得力を持たないように感じた。

●Adobeのサブスク「解約チラつかせると半額」にも批判

 アクセス6位には、先週のこの連載(ITmedia NEWS Weekly AccessTop10)の記事が入った。

 Photoshopなど米Adobeのサブスクサービスのうち、「年間プランの月々払い」の解約手数料が分かりにくいなどとして、米司法省がAdobeを連邦地裁に提訴したという記事に関するコラムだ。

 Adobeはサブスクリプションサービス契約の際に「年間プランの月々払い」を勧めてくる。これを中途解約しようとすると、莫大な手数料(残存契約期間の料金の50%)が一括で請求されるのだが、この手数料は契約時には明示されない。この問題は、日本のユーザーからも大きな共感を得た。

 Xで記事の関連ポストを見ていると、Adobeの料金体系のもう一つの問題を指摘する人が多かった。「プランを解約しようとすると、大幅な割引きがオファーが出る」ことだ。

 Adobeのサブスクサービスのユーザーは、管理ページから解約申請し、引き留めを無視して手続きを進めていくと、通常の半額で1年間利用できる割安プランが提示される。これを知っている人は、定期的に解約申請することでリーズナブルに利用し続けられるのだが、知らない人は、相対的に損をしていることになる。

 テクニックを知っている人だけにお得に使わせ、知らない人からは高額な利用料を取るというAdobeのプラン設計は、ビジネスとしては正解なのかもしれない。だが、ユーザーの不信感は高まっている。

 Adobeは料金や契約をもっと分かりやすく、公平にすべきだろう。米国での訴訟が、それにつながることを願っている。

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