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キヤノン「EOS R1」正式発表 RF初のフラグシップは100万円超えに 「R5 Mark II」も同時発表

ITmedia NEWS 2024年7月17日 19時5分

キヤノンは7月17日、新型ミラーレス一眼カメラ「EOS R1」「EOS R5 Mark II」を発表した。R1はRFマウント初のフラグシップカメラ、R5 Mark IIは、2020年に登場したR5の後継モデル。同社オンラインショップでの販売価格はR1は108万9000円、R5 Mark IIは65万4500円を予定。R1は100万円の大台を突破した。

 発売日はR5 Mark IIが2024年8月、R1は11月を予定。どちらも7月23日午前10時から予約開始を行う。製品を実際に試せるタッチアンドトライは19日午前11時(予約は18日午前10時)から開催予定という。

●RF初のフラグシップ「EOS R1」

 R1のセンサーは、新開発の2420万画素、裏面照射積層CMOSセンサーを採用。常用最高ISOは10万2400。映像エンジンは「DIGIC X」と、初搭載の解析処理専用エンジン「DIGIC Accelerator」を組み合わせた「Accelerated Captureシステム」を採用。ディープラーニング技術を活用したアップスケーリングに対応し、カメラ内で9600万画素の画像を生成できるという。また、カメラ内RAW現像時にノイズを低減するニューラルネットワークノイズ低減も利用できる。

 AFは「Dual Pixel Intelligent AF」にアップデート。これまでのDual Pixel CMOS AFでは縦線のみ検出していたが、新たに横線を追加したことで測距エリア全域でクロス検出に対応した。また、頭部領域の推定アルゴリズムによる障害物回避機能の他、人物が小さくても被写体として検知する上半身検出の他、類似被写体が多く行き来するチームスポーツでも任意の人物を粘り強く追尾できるトラッキング性能を持つという。人物をあらかじめ登録しておくことで、特定の人物の追尾性能を上げることも可能だ。

 電子シャッターで最高毎秒40コマの連写が可能。グローバルシャッター採用ではないものの、ローリングシャッター歪みを、一眼レフ機「EOS-1D X Mark III」のメカシャッター時とほぼ同等に低減したという。ブラックアウトフリー撮影、シャッターボタンを押す直前の20コマ分までさかのぼって連続撮影できるプリ撮影機能も搭載する。

 動画性能もアップデート。6K/60p RAW動画のカメラ内記録に対応。最大4K/120pでのMP4記録、1080/60p動画撮影時に1799万画素の静止画を記録(最高毎秒10コマ)できる、同時記録機能も用意する。最大5秒さかのぼれるプレ記録、タリーランプ、ゼブラ表示なども搭載する。また、EOSシリーズで初めて、Cinema EOSと共通のカラープリセット「カスタムピクチャー」を搭載。Canon Log3に加え、Canon Log2が利用できる他、Ciema EOS(C400)とファイル仕様を共通化するなど、ワークフローに組み込みやすい仕様に刷新した。

 ボディ外装はマグネシウム合金製。EOS-1D Xシリーズと同等の防塵防滴構造を採用する。重さは920g(本体のみ)と、キヤノンの過去のフラグシップ機と比べて軽量に抑えた(1D X Mark IIIは1250g)。手ブレ補正は、ボディ内とレンズ内の協調動作で中央で最大8.5段、周辺で7.5段としている。

 液晶はバリアングルタイプ、EVFは最大倍率0.90倍で943万ドット、120fps駆動を実現する。輝度はEOS R3比で約3倍に達する。視線入力にも対応。R3よりも精度を向上させた。インタフェースは、USB Type-C端子、HDMI Type-A端子、Ethernet端子(2.5GBase-T)、マイク端子、ヘッドフォン端子などを備える。Wi-Fiは新たに6GHz帯に対応(インフラストラクチャーのみ)する。メモリカードはCFexpress TypeBのデュアルスロットに対応する。

●待望のR5後継機「R5 Mark II」

 EOS R5 Mark IIは、4500万画素の新開発、裏面照射積層CMOSセンサーを採用。常用感度は最高5万1200。エンジンは、R1と同じAccelerated Captureを採用。ディープラーニング技術を採用することで、トラッキング性能を向上させた他、カメラ内アップスケーリングにより最大1億7900万画素の画像を生成可能。R1と同じくカメラ内RAW現像でのニューラルネットワークノイズ低減が利用できる。

 連写は電子シャッターでAE/AF追従で最高毎秒30コマ連写に対応する。シャッターを押す15コマ前までさかのぼれるプリ連続撮影記録も可能。ローリングシャッター歪みをR5比で40%低減しており、電子シャッター撮影や動画撮影時の歪み低減を実現した。ボディ内手ブレ補正は、レンズ内手ブレ補正との協調動作で、中心部で最大8.5段、周辺部で最大7.5段の補正に対応する。

 動画性能も大幅アップデート。カメラ内での8K/60pのRAW動画記録だけでなく、ファイル容量に優れた4K/60pのSRAW収録に対応する。Lightモードであれば4K/24p時で330Mbpsで撮影ができ、ファイル容量を抑えたRAW収録を実現。4K/120pのMP4動画記録も可能だ。SDカードとCFexpress TypeBのデュアルスロットを生かし、片方にプロキシ動画を、もう片方にRAW動画を収録することもできる。Canon Log2/3のサポート、C400とのファイルシステムの共通化、5秒前に遡って記録できるプレ記録にも対応する。

 動画撮影時の熱処理も向上しており、4Kだけでなく8Kでも長時間撮影が可能になっているという。さらに、空冷させるための外付けクーリングファンユニット「CF-R20EP」も用意した。

 ボディはマグネシウム合金を採用。R5と同等の防塵防滴性能を備えた。EVFは576万ドット、R5比で輝度を2倍に向上。R1と同じく視線入力に対応している。インタフェースはUSB Type-C端子、HDMI Type-A端子、マイク端子、ヘッドフォン端子を搭載。Wi-Fiは6GHzに対応しており、安定した無線通信が可能になっている。

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