米Xで、AIチャットbot「Grok」のトレーニングにXのユーザーの投稿を利用する設定がデフォルトで有効になっていたことが分かった。Xからの発表はないが、Xのユーザー@EasyBakedOvenの7月26日(現地時間)のポストで明らかになった。
設定画面に「ポストに加えて、Grokでのやり取り、インプット、結果をトレーニングと調整に利用することを許可します。」という項目が追加されている。
この設定は、Xのモバイルアプリでは無効にできない。
無効にするには、Webアプリの画面左にある[設定とプライバシー]から[プライバシーと安全]を開き、スクロールすると表示される「Grok」(上の画像)をクリックし、開いた画面で右の青くなっているチェックボックスをクリックする。(初期設定で青、つまり有効になっている。)
赤い字の「会話履歴を削除」というのは、Grokとの会話履歴を削除するかどうかというものだ。
Grokは、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏の別会社、xAIが開発するAIチャットbot。Xのプレミアムユーザーが利用できる。
xAIは22日、Grokのための「世界最強のAIトレーニングクラスタ」をテネシー州メンフィスで稼働開始したが、AIのトレーニングには設備だけでなく、大量のトレーニング用データが必要だ。
Xのユーザーデータをトレーニングに使う設定がいつから追加されていたかは、Xからの発表がないので分からない。
Xは昨年9月に改定したプライバシーポリシーで、公開データをAIのトレーニングに使うという文言を追加したが、その時点ではユーザー向けの設定にGrokに関する項目はまだなかった。
本稿執筆現在、Xあるいはイーロン・マスク氏(現地でパリ五輪観戦中)からは、この件についてのポストはない。