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サポート詐欺の実態まとめたレポート、IPAが公開 ニセ警告画面を閉じるショートカットが効かなくなっていく傾向に

ITmedia NEWS 2024年8月1日 16時48分

 情報処理推進機構(IPA)は7月31日、独自の調査や寄せられた相談などを基に、サポート詐欺の手口や傾向、その変化をまとめたレポートを公開した。「情報セキュリティ関連の業務に従事している方へ、手口や被害状況の実態を共有することで、被害低減や対策推進に資することが目的」という。

 レポートによれば、サポート詐欺の相談件数は増加傾向にあるという。件数は2022年1~3月ごろから増加。24年4月には、月単位の相談件数が過去最高の828件に上った。

 手口にも変化があり、過去はアダルトサイトから偽の警告サイトに誘導する例が主流だったものの、23年7月ごろから傾向が変化。Webサイトの広告枠に偽広告を表示して誘導するケースが増えた。12月ごろからはWebサイトの構成要素に偽装した偽広告も表示されはじめ、24年4月には検索サービスの検索結果にも偽広告が出るようになったという。

 さらに、Webブラウザで全画面表示される偽警告画面にも変化が生じている。以前はAlt+F4(ウィンドウを閉じる)ショートカットなどで画面を閉じたり、全画面表示を解除したりできたものの、23年4月ごろからは無効になる例が増加。9月からはESCキー長押し(ウィンドウを可変サイズに戻す)、Ctrl+Alt+Del(セキュリティオプションの表示)以外を受け付けなくなったという。

 レポートではこの他、偽の警告画面に表示される内容の変化や、24年6月以降に見られた手口の変化などについてもまとめている。IPAは「相談件数は今後も同水準で続くと思われる。被害者をだますための手口も変化し続けると考えられる。各機関が連携して一般向けの啓発活動を行っていくほか、不正な広告など、誘導経路そのものを減らしていくための取り組みが重要」としている。

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