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ガイドライン無視の迷惑系実況者にゲーム好きマンガ家が喝! 知っておくべき「ゲーム配信は著作権侵害」という“原則”

ITmedia NEWS 2024年8月11日 13時35分

 事件が起きたのは7月末でした。Steamで発売されたゲームを、あるゲーム配信者が発売日にエンディングまで配信し、ゲームクリエイター・飯島多紀哉さんの怒りを買ってしまいました。しかもこの配信者、X上でさんざん煽った後、飯島さんの投稿を読んで怖くなったのか、謝罪を申し出たそうです。

 そんな事件があったのに、8月1日発売のSwitch版「アパシー鳴神学園七不思議+危険な転校生」は全編実況OKになるなど、飯島さんは器の大きさを見せて事態は沈静化の方向に動いています。ただ、ボクはこの件ですごく考えさせられました。

 ゲーム配信とは、配信者がゲームをプレイし、その様子を実況する配信スタイルのことです。ただ、ゲームの内容を不特定多数に公開するわけですから、これは著作権侵害。しかも今回のゲームは、物語中心のノベルゲームと呼ばれるもので、ネタバレは作品の魅力を大きく阻害してしまう可能性もありました。

 ではなぜ、現在多くの配信者がゲーム実況を行えるのかといえば、クリエイター側が設けるガイドラインがあるから。今回の件でも「8月3日以降なら配信OK」という、かなり緩い規約がありました。問題の配信者は「知らなかった」などと供述していますが、これはあってはならないことです。

 ITmedia NEWSの過去記事に、著作権に詳しい弁護士の方が書いた解説があります。少し引用すると、ゲーム配信は「原則は著作権侵害となり、例外的にガイドラインで許容される」。そして「例外に当たらなかった場合には、原則に戻って著作権侵害になるため、ガイドライン違反は単なる“ルール違反”ではなく、著作権侵害になります」。

 付け加えると、著作権侵害は“犯罪”です。被害者である権利者が告訴すると侵害者を処罰してもらうことができます(親告罪)。罰則は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金。事実、過去には「シュタインズ・ゲート 比翼恋理のだーりん」というソフトの配信ガイドラインを無視して、そのエンディングを含めた動画を配信した人物が著作権法違反で逮捕されています。

 ボクはゲーム好きですが、実はゲーム実況も大好きで、フォローしている配信者さんの動画はくまなくチェックしています。でも今回のように、配信者がゲームやゲーム制作者へのリスペクトをなくし、ガイドラインを無視したら、制作者側は禁止してしまうかもしれません。そのくらい危ういものであるという事実を、配信者のみならず視聴者も理解しておいたほうが良いと思います。

 ボクが大好きなゲーム実況を続けられるよう、配信者の皆様には是非ガイドラインをチェックして、守っていただきたいと思います。

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