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写真愛好家の新たな“聖地”「GR SPACE TOKYO」が原宿にオープン 「スマートに写真を紹介する場所に」

ITmedia NEWS 2024年8月11日 11時53分

 リコーイメージングが手掛ける、「GR」シリーズをテーマにした新たなコミュニケーションスペース「GR SPACE TOKYO」が、8月11日に原宿にオープンしました。オープンに先立ち行われたレセプションに参加し、この注目の施設をひと足先に訪問してきました。

 東京・原宿の喧騒から路地に入った所に位置するGR SPACE TOKYO。路面に面したエントランスは印象的なガラス張りのデザインで、シンプルに「GR」の文字だけが配されています。分かる人にはこれ以上の説明は不要という潔さが最高です。

 RICOH GRシリーズのコンセプトや世界観を体現したこの空間は、単なるショールームを超えた、写真文化の発信基地としての役割を担っています。リコーイメージングの岩崎徹也さん(GR事業部 企画開発部)がGR SPACE TOKYOの開設理由について語ってくれました。

「我々はずっと、人々が写真を楽しむ場所を探していました。渋谷から原宿にかけてのエリアは、ストリートフォトの聖地ともいえる場所です。多くのGRファンが訪れる場所でもあり、ここに写真愛好家が集まれる場を作りたいと考えました」

 また、GR SPACE TOKYOの特徴について、岩崎氏は以下のポイントを強調しました。

・写真集をゆっくりとくつろぎながら楽しめるブックカフェスペース

・入口から奥に伸びる、ラウンド形状のユニークなギャラリー空間

・GRシリーズのタッチ&トライコーナー、購入、アクセサリー販売も実施

 実際、GR SPACE TOKYOのエントランスを入ると、まず目に飛び込んでくるのは落ち着いた雰囲気のブックカフェスペースです。ここでは、写真集専門書店「book obscura」によって厳選された国内外の写真集をゆっくりと楽しむことができます。棚には、クラシックな名作から最新の作品まで、幅広いジャンルの写真集が並んでいます。個人的にも、これはマスターピースと思っている写真集が何冊も並んでいる光景は、思わず顔がにやついてしまう光景でした。

 奥に進むと、空間はL字に広がっており、そこがそのままギャラリー空間となっています。実際、レセプションの時間も私はずっと壁面をながめていることが多かったです。オープンを記念して、8月11日から10月21日まで、森山大道氏による写真展が開催されています。

 ギャラリースペースの向かいには、RICOH GRシリーズを実際に手に取って試すことができるタッチ&トライコーナーがあります。

 ここには、最新の「GR IIIx」から、愛好家たちに長年愛されてきた過去のモデルまで、GRの歴史を辿るように並べられています。製品サイクルの比較的長いGRシリーズとはいえ、フィルム時代も含めると30年以上の歴史があるわけで、これだけの数のモデルがあったことを実感できます。

 レセプションに参加した来場者の皆さんの反応もよく、それぞれが思い思いに空間を楽しんでいる様子が印象的でした。ある来場者は「普段はなかなか手に取る機会のない写真集を、こうしてゆっくりと見られるのがうれしい」と話していました。

 オープン後は、実機を触りつつ、アクセサリーを確認しつつ、コーヒーを飲みながら、写真集を見ることもできるようになるわけで、オープン後、また訪問したいと思います。また、GR本体の販売についても順次再開していくそうです。

 GR SPACE TOKYOの魅力は、単にカメラや写真を展示しているだけではない点にあります。つまり、写真を通じたコミュニケーションの場を提供したいと運営側が考えているということ。岩崎さんも「スマートに写真を紹介する場所にしたい」ということを強調していました。写真展についても、今後展示を入れ替えてながら、開催を続けていくそうです。

 GR SPACE TOKYOは、GRファンにとっては待望のスペースです。GRは長年にわたってファンを大切にしてきた製品で、18年からは「GR meet」というファンイベントを開催し、22年からは「GR meet 47」として日本全国を巡回しています。ただ「GR meet 47」になってから、東京での開催がなかったことに疑問を感じていた方も多かったのではないかとも思います。

 しかし、こうしてGR SPACE TOKYOがお披露目されると、その意図が分かった感じがします。つまり、GR SPACE TOKYOは首都圏におけるGRのスポットになるし、地方からこのGR SPACE TOKYOを訪問するファンも今後出てくるというわけです。

 来年は、GRがデジタルになってから20周年という記念すべき年を迎えます。この節目の年に向けて、GR SPACE TOKYOがどのような役割を果たしていくのか、そしてGRというブランドがどのような進化を遂げていくのか、ここから1年の動きにも期待したいところです。

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