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漏えいした個人情報の“価値”、10年で500円→0円に? “詫び金券”が配られたのは遠い昔か

ITmedia NEWS 2024年8月27日 12時0分

  ITmedia NEWS Weekly AccessTop10 8月17~23日

1 「カフェイン飲料+甘味」で体内時計に大きな遅れ、広島大学の研究で明らかに──昼夜逆転したマウスも

2 公文、75万人分の情報漏えい新たに発覚 子どもの氏名なども 委託先・イセトーのランサムウェア被害で

3 ネット上の二次創作絵に酷似 ガンダムのカードゲーム新作が稼働延期 バンダイが謝罪、問題のカードは欠番に

4 VTuber・湊あくあ主演ゲームが“無制限で実況・配信OK”に 卒業まで期間限定で

5 生成AIは「本当に不愉快」――「Procreate」のCEOが、生成AIを製品に一切搭載しないと表明

6 ゼルダの伝説TOTKの「スクラビルド」誕生秘話 現場の「ムリでは?」な雰囲気、どう解決したか ディレクターが語る

7 「マイナンバーカード対面確認アプリ」公開 ICチップ読み取りでなりすまし防止 誰でもDL可能

8 加熱式たばこ、販売10年目で税率論争に着火…シェア4割受け引き上げ案に業界懸念

9 動画カメラの“本命”か──ソニー「ZV-E10 II」はスマホ世代に向けた秀逸な入門機

10 標的は“Appleのロゴ”──PC背面に「目に見えないレーザー」照射、会話やキー入力を盗聴する攻撃

 ITmedia NEWSにおける1週間の記事アクセス数を集計し、上位10記事を紹介する「ITmedia NEWS Weekly Top10」。今回は8月17~23日までの7日間について集計し、まとめた。

 お盆明けの先週のアクセスは、さまざまなジャンルの記事に散った。その中で筆者に直接関係があったのが、2位に入った「公文教育研究会(公文)会員の個人情報漏えい」だ。

 漏えい元は、同社から発送物の印刷や送付を委託されていた京都府の企業・イセトーだ。同社はランサムウェア攻撃を受け、印刷物を受託していた自治体や企業など100万件以上の情報を漏えいさせたことがこれまでに判明している。

 イセトーへの攻撃が報じられた当初、公文は、会員向けサイト「iKUMON」ユーザーの住所など4678人分が漏えいしたと発表していた。この時点で公文会員の保護者には、漏えいの事実と、それが一部にとどまっていることを知らせる文書が届いていた。

 だが今回、2023年2月時点で算数や数学、英語、国語を学習した会員の情報を含む72万4998人分などが漏えいしたことが新たに判明。会員番号と利用した学習教材、教室名、学年、入会年月などが含まれていたという。

 住所や電話番号などが含まれていなかったのは不幸中の幸いだが、今回は筆者の子どもも、バッチリ被害者になってしまった。

 個人情報の大量漏えい事件は後を絶たないどころか、増え続けている。社会のIT化が進み、情報がサーバやクラウドに蓄積されるにつれ、被害の規模もどんどん大きくなっており、数十万人分の情報漏えいでは、ユーザーももはや驚かなくなってきた。

●個人情報漏えいで“詫び金券”を配っていた時代

 振り返ると10~20年前、個人情報漏えいは今よりも大事件だったし、漏えいした被害者に企業側が補償金を支払っていた例もある。

 例えば、04年にYahoo! BBユーザー451万7039人の情報が漏えいした際は、ソフトバンクBBがユーザー全員に500円相当の金券を送付し、「安すぎる」などと批判を浴びた。

 14年には、ベネッセコーポレーションの顧客情報約2895万件が漏えい。この時も、おわびとして500円分の金券が送られた。

 そして24年。イセトーの問題をはじめとした大規模な漏えいが相次いで起きているが、企業がおわびに金券を配る例はとんと聞かなくなった。漏えいが日常茶飯事になった結果、個人情報の価値も低下しているのかもしれないし、ひんぱんに漏えいが起きるので、ユーザーとしても慣れてしまった面もある。

 個人情報を守り切ることはほぼ不可能だという前提で、生きていかなくてはいけない時代なんだろう。

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