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便座の汚れを可視化するスプレー、シヤチハタが開発 インキ技術の応用で 「確かに掃除したという満足感」 

ITmedia NEWS 2024年9月7日 12時20分

 便座にスプレーを吹きかけると、普段は見えにくい“尿ハネ汚れ”が青く浮かび上がる──そんな新しいトイレ用スプレー「ミエルモ」をシヤチハタが開発した。9月6日午前11時から「Makuake」でテスト販売を行っている。

 ミエルモのボトルは、内部で2つのボトルを連結させた構造で、それぞれ「着色剤」と「消色剤」(次亜塩素酸ナトリウム)が入っている。トリガーを引くと2つの液体がジョイント部で混ざり、噴霧される。

 汚れがない場所では、消色剤が着色剤に作用し、 着色剤の色が消えて透明になる。しかし汚れがある場所では消色剤が先に汚れに作用するため着色剤が残る。これが、汚れが青く浮かび上がる仕組みだ。

 消色剤として使用した次亜塩素酸ナトリウムは、昔から「ハイター」(花王)などの塩素系漂白剤で使われているもので、臭いの元であるアンモニアを分解する。シヤチハタの自社実験では、空間内のアンモニア臭が約80%軽減したという。

 ミエルモには洗浄成分(界面活性剤など)も含まれていて、そのまま拭き取れば、青く着色された汚れと臭いの両方を除去できる。シヤチハタは「尿ハネ汚れが着色される驚き、面白さ。そして拭きとると、“確かに掃除した”という満足感が得られる」としている。

●きっかけは「なぜか臭う」

 開発のきっかけは、ある社員の「トイレを掃除したはずなのになぜか臭う」という一言だった。

 実は座って用を足しても尿ハネ汚れは発生しており、そのままにしていると臭い出す。そんな悩みに対し、「シヤチハタのインキの技術を使って臭いの元が見えたらいいのではないか」と、後の企画担当者が発言したことから開発がスタートした。

 汚れを可視化する手法を研究し、辿り着いたのが、着色剤と消色剤(次亜塩素酸ナトリウム)を利用する可視化技術と2液の直前混合方式。シヤチハタは、この技術を「漂白可視化法」として国際特許出願済み。2液混合ボトルも独自に開発した。

 一般販売時時の予価は1380円で、Makuakeのプロジェクトでは「超早割」の1280円から複数のプランを用意した。商品の発送は12月末を予定している。

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