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逆に「PS5 Pro、欲しいかも」と思った人の思考回路 みんな高いというけれど……

ITmedia NEWS 2024年9月15日 11時49分

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントが家庭用ゲーム機の上位モデル「PlayStation 5 Pro」(PS5 Pro)を発表した。すでにいろいろと話題だが、SNSは「値段が高い」という意見が多く「絶対欲しい」という声はあまり聞かれない。

 ただ、筆者はちょっと欲しいと感じた。ネットでは「誰が買うんだ」という意見も見受けられるようなので、筆者がどういう思考回路で購入の検討に至ったか、参考程度に紹介してみる。

●PCのサブ機としてPS5 Proがちょっと欲しい

 結論から述べると、筆者はPCのサブ機としてPS5 Proが欲しいと思った。筆者はPCゲームオタクで、仕事部屋兼自室にゲーミングPCを置き、SteamやEpic Games Storeのゲームを夜な夜な遊んでいる。一応Nintendo Switchも持っているが、メインはやはりPC。ゲームサブスクリプション「Xbox Game Pass」もよく使う。遊ぶジャンルはさまざまだが、リリース間もないインディーゲームをあさるのが特に好きだ(もちろん、いわゆる大作ゲームも遊ぶ)。

 ただ、自室に空調がなく、真夏・真冬はゲームを遊び続けるのにちょっとつらい。リモートワーク時の仕事部屋も兼ねているので、ずっと座っているとしんどいという事情もある。できれば、寝室や居間でも、楽な姿勢で遊びたいなぁ……と考えており、「Steam Deck」「ROG Ally」などの携帯型PCか、通常モデルの「PlayStation 5」や「Xbox Series X│S」などの家庭用機を買おうと検討中だった。

 できればクロスセーブがしやすいといいので「やっぱりSteam Deckがいいかな……」と考えていた一方、最近パートナーと同棲を始めたので「家庭用機の方が一緒に遊べていいかな」なんて考えていたのが現状だ。

 そこにPS5 Proが出てきたので、ちょっと魅力を感じた。というのも、PS5 Proは「整えたPC環境と近い環境で遊びたい」というニーズにある程度応えてくれているからだ。

 筆者に限らず、PCでゲームを遊ぶ環境を整えている人は、グラフィックやパフォーマンスにもある程度投資をしている人が多い。Steam DeckやXbox Series Sだと、ゲームによってはちょっとリフレッシュレートや解像度が相対的に気になってしまうかもなあ、という懸念はあった。

 今でこそPCメインだが、かつて「PlayStation Portable」や「PlayStation 3」はそこそこ遊んでおり、PSNアカウントも持っているため、PlayStationで遊ぶことに抵抗もない。

 12万円は高価だが、自室でも居間でもリッチな環境で遊ぶための投資……と考えれば、価格にもまぁ目は瞑れる。友達やパートナーとも一緒に遊べると考えたら、安くはないが納得はする。

 競合するのはXbox Series Xか、PlayStation 5の通常モデルだ。PCで使う用に買ったXboxコントローラーもあるので、価格的にはXboxの方が安上がりだし、Xbox Game Passもあって遊ぶゲームに困らない。でも「アストロボット」など独占タイトルの存在も考えたらPS5の方がいいし、せっかくなら奮発してPS5 Proでも……というのが筆者の思考回路だ。

●でも今すぐは買わない 理由は……

 ただ、結局は今すぐは購入しないことに決めた。掌を返すようで申し訳ないが、いくつか購入をためらう理由があり、それがメリットを上回らなかった。例えば、筆者がよく遊ぶゲームジャンルだ。

 先述したように、筆者が最も好むのはインディーゲームあさり。モノにもよるが、小規模なインディーゲームはさほどマシンスペックを必要とせず、宝の持ち腐れになる可能性が高い。

 もちろん、それなりにスペックを要求する大作ゲームも好きで遊ぶが、頻度的にはインディーゲームの方が多い。それに、小規模インディーゲームは基本的にPCのリリースが最速で、家庭用機版が必ず出るとも限らない。PS5 Proに限らないが、家庭機では「PCのサブ機」としての役割を万全には果たせない。

 もう一つは“徒労感”だ。話題になっている価格の問題とも通ずる。先ほど価格について「安くはないが納得はする」と書いたが、これは本体についての話。ソフトも改めてフルプライスで買うと思うと、ちょっとためらってしまう。

 値段ももちろんだが、すでにPC用ゲームを数十本数百本買った身からすると「同じゲームをもう1回買わなきゃだめ?」という心理的抵抗感が大きい。ソニーのゲームサブスク「PS Plus」などを使う手もあるが、これまでのセーブデータを必ず引き継げるわけではない。

 最後は、Nintendo Switchの後継機種がすでに予告されていることだ。筆者はすでに新型Switchの購入を決めており、PS5 Proを買うと確実に(生活費などから考えた)予算をオーバーするし、恐らくゲームに充てられる可処分時間的にも持て余してしまう。

 正直な話、PlayStation独占タイトルより、Switch独占タイトルの方が数・質共に魅力的に感じる。Switchでしかできないゲームを遊ぶ機会は逃したくないし、パートナーもピクミンやポケモンなど、任天堂IPになじみがあるため、こちらを優先したい。

 以上の理由で、PS5 Pro購入は当面見送る方針だ。もちろん今後の情報で変わる可能性もあるが、現時点ではこう判断している。

ターゲットはニッチ

 ここまでの考えを客観的に見ると、恐らく筆者はPS5 Proのターゲット層に近い。筆者はどちらかといえばコアなゲーマーで、だからこそPS5 Proが候補に入る。そういう層を意識した商品なのだから、SNSで広く受け入れられないのも理解はできる。

 とはいえ、そんな筆者をして価格が購入のハードルになった。特にソフトを買い直す心理的負担が大きい。恐らく、PS5 Pro購入を検討するPlayStationユーザーの中にも、同じ悩みを抱える人がいるはずだ。リセールバリューなどを考慮してディスクでゲームを買う人は一定数いるが、PS5 Proにディスクドライブはついていない。

 せめてPS5 Proの発表と同時に大規模なセールを予告してくれたら、もう少し検討を進められたかもしない。もちろん、発売までにそういう情報公開がなされる可能性も十分にあるが。

 とはいえ選択肢が増えたこと自体は結構ありがたく、時期を見て再度検討しようかな、とは思っている。最も、そのころにはもっと魅力的なハードが出ているかもしれないが……。

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