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Microsoft、「Copilot+ PC」と「Windows 11」のAI機能を大量に発表

ITmedia NEWS 2024年10月2日 8時28分

 米Microsoftは10月1日(現地時間)、「Copilot+ PC」と「Windows 11」に搭載する新たなAI機能を複数発表した。Copilot関連とWindows 11に分けて紹介する。

●Copilotの新機能

 Copilotは、「すべてのユーザーのためのAIコンパニオン」。Microsoftは、「ユーザーの許可があれば、ユーザーの代わりに人生の複雑さを軽減し、ユーザーが重要なことに集中するための時間を増やすことを支援する」としている。

OpenAIの「高度な音声モード」のような「Copilot Voice」

 「Copilot Voice」は、米OpenAIのChatGPT向け「Advanced Voice Mode」(高度な音声モード)と似た音声機能。モバイルアプリとして、音声で会話しながらブレインストーミングや日常会話を行える。4種類の音声から選択可能。会話を繰り返すことで、ユーザーに合わせてカスタマイズされていく。

 まずは、米、英、加、豪、ニュージーランドで英語版をリリースする。

毎朝のスタートをサポートする「Copilot Daily」

 「Copilot Daily」は、毎朝ニュースや天気の概要などを、設定したCopilot Voiceの声で読み上げたり、リマインダーも提供する音声機能。ニュースは、Reuters、Axel Springer、Hearst Magazines、USA TODAY Network、Financial Timeなどとの提携により提供する。今後さらに多くのソースを追加していく予定だ。また、さらなるパーソナライズとコントロールを追加していく予定としている。

 本日から米国と英国で展開が開始され、今後さらに多くの国で展開される予定。

EdgeブラウザのCopilotの強化

 WebブラウザのEdgeに組み込まれているCopilotに、アドレスバーに「@copilot」と入力することで直接アクセスできるようになる。

「Copilot Labs」で試せる「Copilot Vision」と「Think Deeper」

 「Copilot Labs」は、ユーザーが開発中の実験的な機能をテストする“ラボ”。まずは、「Copilot Vision」と「Think Deeper」を提供する。

 Copilot Visionは、「コンピュータと対話するための全く新しい方法」。ユーザーが画面で表示しているテキストと画像を理解し、それらのコンテンツに関する質問に音声で答えたり、次のステップを提案したりする。

 例えば、新居の家具を探す場合、Copilot Visionは、家具の検索、適切なカラー パレットの検索、表示している家具候補の配置方法の提案などを行う。

 以下の動画では、ユーザーの祖母の写真や遺したレシピの画像について会話している様子だ。

 セキュリティとプライバシーに配慮し、Copilot Visionは完全にオプトインで一時的なものになっている。Visionが“見た”コンテンツは保存されず、トレーニングにも使われず、「セッションを終了した瞬間にデータは永久に破棄される」という。

 「Think Deeper」は、より複雑な質問も推論する機能。応答に時間がかかるが、難しい質問に対してステップバイステップの回答を提供するという。例えば、引越し先候補地の比較や次に購入する車の車種の相談などに使えるとしている。

●Copilot以外のWindows 11の新機能

 Copilotに加えて、Windows 11に今後追加される主な新機能も発表された。ほとんどが、まずはCopilot+ PCで利用可能になる見込みだ。

「Recall」は10月にCopilot+ PCのWindows Insider向けに公開

 5月に発表し、プライバシーの懸念の高まりを受けて提供を延期していた「Copilot+ PC」向け新機能「Recall」(日本では「リコール」)のプレビュー版を、10月にSnapdragon搭載のCopilot+ PCでWindows Insider向けに公開し、11月にそれ以外のCopilot+ PCでWindows Insider向けに公開する。

 オプトイン設定になるなどの改善については先月末に発表済みだ。

クリックするとAIが処理候補を提示する「Click to Do」

 「Click to Do」(プレビュー)は、ユーザーが画面上をクリックすると、インタラクティブなオーバーレイで候補となるアクションを表示することで、ワークフローの簡素化を支援するように設計された機能。

 Bingによるビジュアル検索、写真の背景ぼかしやオブジェクトの消去、ペイントによる背景の削除などのタスクを支援する。

 テキストの書き換え、要約、説明のインライン化、テキストエディタでのオープン、(認識されたメールアドレスでの)メール送信、Web検索などのテキスト関連のアクションも支援する。

 まずCopilot+ PCで利用可能になる見込みだ。

検索機能の強化

 Copilot+ PCで、ドキュメント、設定、写真などのファイルの検索が強化される。例えば「バーベキューパーティ」などの自然言語の入力で、関連するファイルを検索できる。

 OneDriveの画像も、同じようにコンテンツに関連するテキストで検索できる。

 Copilot+ PCに搭載されている40+ TOPS NPUの能力により、ネットに接続せずに動作する。

 まずファイルエクスプローラーで利用可能になり、今後数カ月でWindows検索と設定に拡大する見込み。

写真の解像度をAIで再構築

 低解像度の写真や古い写真を、ぼやけたりピクセル化したりすることを心配することなく、高品質の画像に再構築して強化する機能も追加する。

 スライダーで解像度を最大8倍まで上げられる。

 「40+ TOPS NPUの能力により、写真の超解像度は、無料で数秒以内に写真を最大4Kにアップスケールできる」という。

「ペイント」に「生成塗りつぶし」と「生成消去」機能

 ペイントアプリのブラシで、米Googleの「消しゴムマジック」のように、画像内の不要な要素や邪魔な要素を削除したり、新しい要素を必要な場所に配置したりできるようになる。

●Windows 11 2024 Update(Windows 11 24H2)の提供開始

 同日から、Windows 11 2024 Update(Windows 11 24H2)の提供を開始する。このアップデートには、デバイスが接続されている場合でもバッテリーの寿命を延ばし、エネルギー消費を削減するように設計された新しい省電力機能などの新機能が含まれる。

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