「FUNAI」のブランドで液晶テレビなどの製造を手掛ける船井電機が、10月24日に東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた。帝国データバンクが同日付けで報じた。船井電機の負債は「現在調査中だが、2024年3月末時点で約461億5900万円」(帝国データバンク)という。
船井電機は、1961年設立の旧船井電機(現社名:船井電機・ホールディングス)から事業を承継する形で23年に設立。旧船井電機は通信機器や映像機器を手掛け、2000年に東証1部に上場したが、リーマンショック以降は中国テレビメーカーの台頭に巻き込まれ売り上げが減少。液晶パネルの高騰も重なって営業赤字が常態化していたという。
21年には、秀和システムホールディングスによる株式買い付けが成立し、上場廃止に。22年には旧船井電機が秀和システムホールディングスを吸収合併。23年に船井電機・ホールディングスに社名を変更し、現在の船井電機を別途設立。主要事業を承継させていた。
船井電機・ホールディングスはその後、脱毛サロン運営会社を買収していたが、1年足らずで撤退。帝国データバンクによれば、24年3月以降は、船井電機と船井電機・ホールディングスの双方で役員の入れ替わりが相次いでいたという。さらに、脱毛サロン運営会社にネット広告代金の未払いがあり、船井電機・ホールディングスが連帯保証を行っていたことも明らかに。これにより信用不安が拡大し、立て直しの見通しが立たなくなったとしている。