米Google傘下のGoogle Cloudと主に欧州を拠点とするクラウドサービスプロバイダーやIT企業9社は10月29日(中央ヨーロッパ時間)、英国と欧州のクラウド市場におけるオープン性や公正な競争を訴える団体、Open Cloud Coalition(OCC)を発足させたと発表した。
米Microsoftの副法務顧問、リマ・アレイリー氏は米国時間の28日、「Google's Shadow Campaigns」(Googleの影のキャンペーン)と題する公式ブログを公開し、OCCを「Googleが組織した偽装団体」であり、「競争当局や政策立案者からのMicrosoftの信用を失墜させ、国民を誤解させることを狙ったものだ」と非難した。
OCCの発表文によると、その使命はクラウド市場全体におけるオープン性、相互運用性、公正な競争を推進し、より革新的で透明性が高く、回復力があり安全なクラウドエコシステムを育成することという。
一方Microsoftは、OCCはGoogleが中心になって立ち上げたもので、参加企業にGoogleが資金を提供することで、欧州におけるMicrosoftのクラウドコンピューティング事業を攻撃しようとしていると主張する。OCCの執行委員会を構成する10社は、Google以外は欧州あるいは英国の企業だ。
Microsoftは、GoogleがOCCを利用して規制当局を欺き、Microsoftを中傷しようとしているとまで主張している。
「Googleは、サイバーセキュリティから中国での事業にいたるまで、様々なトピックでMicrosoftを攻撃し、記者にネタを売り込んだり、公聴会の前に議員に質問内容を提案したり、世界中で文書を配布したりしている」(Microsoftの公式ブログより)
Googleは米CNBCなどの複数のメディアに対し、「Microsoftの反競争的慣行が顧客を囲い込み、サイバーセキュリティやイノベーション、選択肢に悪影響を及ぼす負の影響を生み出していると、Googleも他の多くの企業も信じている」という声明文を送った。
Googleは9月、欧州委員会に対して、Microsoftによる顧客をAzureクラウドにロックインするような反競争的なライセンス慣行に関する苦情を申し立てた。