Googleの持株会社である米Alphabetは10月29日(現地時間)、第3四半期(7月~9月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比15%増の882億6800万ドル、純利益は34%増の263億100万ドル(1株当たり純利益は2ドル12セント)だった。5四半期連続の2桁台の売上高増加となった。AIへの長期的な注力と投資が収益に貢献したとしている。
売上高、1株当たりの純利益ともにアナリスト予測(売上高は863億ドル、純利益は1ドル85セント)を上回った。
スンダー・ピチャイCEOは業績発表後の電話会見で、AI製品の包括的なアプローチが現在大規模に運用され、何十億人ものユーザーに利用されており、好循環を生み出していると語った。
広告、Android、Chrome、デバイス、Googleマップ、Google Play、検索、YouTubeを担う「Googleサービス」セグメントの売上高は13%増の765億ドル。Google検索およびその他の広告収益は、12%増の494億ドル、YouTube広告収益は12%増の89億ドル。YouTubeの広告収益とサブスクリプション収益を合わせた過去4四半期の売上高が初めて500億ドルを超えた。YouTubeショートが好調で、毎日700億本以上のショート動画が視聴されている。
ピチャイ氏は、画像検索ツールの「Googleレンズ」が月間200億回以上使われていると語った。ショッピングにも活用されているという。
同四半期からプラットフォーム&デバイス部門はこのセグメントに含まれるようになった。Google subscriptions, platforms, and devicesからの収益は28%増の107億ドルだった。
クラウド部門の売上高は35%増の114億ドル、営業利益も19億ドルと好調。AIインフラ、生成AIソリューション、コアGCP(Google Cloud Platform)製品全体で成長が加速した。
Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は31%増の3億8800万ドル(営業損失は11億1600万ドルで、前年同期よりわずかながら減少した)。
総従業員数は前年同期より1112人減の18万1269人。
ピチャイ氏は「この四半期の好調は、検索の継続的な強さとクラウドの勢いを浮き彫りにしている」と語った。また、電話会見では、同社が「今後のAIの機会に向けて、他に類を見ないほど有利な立場にある」とし、AI対応の検索サービスにさらに注力していくと語った。