ライドシェアスタートアップのnewmoは10月31日、約63億円の資金調達を発表した。併せて、名古屋を拠点とする新会社「newmo東海」と、沖縄を拠点とする「newmo沖縄」の設立も明かした。
7月に発表した調達も含め、シリーズA全体でジャフコやグローバル・ブレインなどの独立系ベンチャーキャピタル(VC)や、みずほキャピタルなど金融機関系のVCから集めた。これにより、同社の累計調達額は187億円に。ただし今回の63億円調達にどの投資家が参加したかの情報は伏せた。「シリーズAファーストクローズ時に投資家情報を発表しておらず、そもそもシリーズAの投資家情報自体を初めて伝えるため」(同社)
資金は採用やM&Aなどに活用する他、newmo東海とnewmo沖縄の立ち上げにも充てたという。2社では、地域におけるタクシー配車アプリの展開や提携するタクシー台数の拡充に取り組む。
●一方、代表のSNS投稿は物議醸す
newmoを巡っては、発表の数日前に同社に関するSNS投稿が物議を醸しており、今回は騒ぎの中での情報公開となった。きっかけは、とあるXユーザーが8月に投稿した写真だ。写っていたのはnewmoのシャツを着た人物など数人。顔部分にはモザイクがかかっていた。この人物らが、カウンターレストランで騒いでおり、京都市長と思しき人物にワインを提供していたとする内容だった。
このXユーザーが10月29日、写真と投稿に対して削除請求があったと報告。青柳直樹代表はこの投稿を引用し「盗撮および名誉棄損(きそん)に対抗するため、削除請求と発信者開示請求をしている」と投稿した。
青柳代表は事実関係について「私が幹事として設定した会食ではなく、(スタートアップイベントの)IVSの二次会会場で当日に声をかけてもらい、飛び入りで参加した」「市長は飲食代支払を幹事に対して行っており、当方が飲食を供したものではない」と説明した。
しかし写真を投稿したユーザーは青柳代表の投稿をさらに引用し「店の大将から注意されてもずっと騒いでいた」とコメント。飲食物の提供を巡っては「市長は、僕の主観では料理やワインはかなり固辞していた」と自身の認識を説明した上で、同行者がワインを飲んでいたところや、市長と思しき人物が店への会計をしていなかったところを見たことから、当初はワインを提供していた認識だったと、投稿の背景について説明した。
青柳代表に対しては「該当ツイートは希望に基づいて削除するが、コンプライアンスの問題として今後は公共の場で業務機密を話したり、マナーとして個室でないレストランで騒がないほうが良いかと思う」とした。
青柳代表はこれに対し「レストラン内で騒がしく、席移動を含めて不快な思いをさせてしまい、すみませんでした」と謝罪した。ITmedia NEWSが同社に対し、今回の対応を取った背景や、今後の再発防止について聞いたところ「会社としてではなく青柳個人が対応を行ったものになるため、社としての回答は差し控える」との回答があった。