公正取引委員会は11月12日、下請代金支払遅延等防止法違反があったとして、KADOKAWAとその子会社KADOKAWA LifeDesignに勧告を行った。雑誌「レタスクラブ」の記事作成や写真作成業務を委託していた事業者に対する買いたたきがあったという。
KADOKAWAは2023年1月、レタスクラブ事業の販売収入や広告収入が減少傾向にあり、資材費、輸送費のコストも上昇しているとして、発注単価を従来の単価から約6.3%もしくは約39.4%引き下げることを決定したという。
しかし、価格の決定に当たっては「原稿料改定のお知らせ」と題する文書を下請事業者に通知したのみで、下請事業者との十分な協議がなされていなかったという。新しい価格は23年4月発売号以降のレタスクラブに関する業務を委託した事業者26人に適用していた。
さらに、24年4月にレタスクラブ事業を承継したKADOKAWA LifeDesignも、21人の事業者に対し、十分な協議を行うことなく、KADOKAWAと同じ単価を適用していたという。
公取委はKADOKAWAとKADOKAWA LifeDesignに対し、下請け代金を通常支払われる対価に対し著しく低くない額まで引き上げるよう勧告。KADOKAWAに対しては23年4月、KADOKAWA LifeDesignに対しては24年4月発売号にまでさかのぼり、本来支払われるべきだった差額を、下請事業者に対して支払うよう求めた。