米Slackは11月12日(現地時間)、半年に1度報告している世界の職場に関する調査「Workforce Index」の2024年秋版を発表した。調査の結果、デスクワーカーの3分の2が依然としてAIツールを使用したことがなく、93%が業務関連のタスクにおいてAIの出力を完全には信頼していないことが明らかになった。
この調査は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、オランダ、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国のデスクワーカー1万7372人が参加し、8月2日から30日の間に実施された。
2023年9月から2024年3月まで、AIの導入は世界中で着実に増加し、2024年3月には世界のデスクワーカー人口の32%が導入した。しかし、米国やフランスなど、一部の国での過去3カ月間のAI導入率は停滞している。
企業の経営幹部はAIに全力で取り組んでおり、99%が2025年にAIへの投資を計画している。しかし、生成AIの採用率は頭打ちになっており、デスクワーカーの間でAIへの関心が変化しつつある可能性があるとSlackは分析する。
デスクワーカーのほぼ半数(48%)は、職場の一般的な業務にAIを使用していることを上司に認めることに抵抗を感じていると回答した。その主な理由は、AIの使用は不正行為であると感じること、能力が低いと思われることへの恐れ、怠け者だと思われることへの恐れだ。
一方、AIのスキルアップには意欲的で、デスクワーカーの76%がAIの専門家になることを望んでいるという。
Slackは、職場でのAI導入率向上のためには、AI利用に関する明確なガイドラインとトレーニングの提供、AIが従業員の仕事量を増加させるのではなく、より重要な仕事に集中できるようにするための対策、AIに対する従業員の不安や懸念に対処することが重要であると提言している。