消費者庁は11月13日、大正製薬の直販サイトに掲載されたサプリメントに関する表示が、景品表示法で禁じているステルスマーケティングに該当するとして措置命令を行った。対価を提供してSNS投稿を依頼し、その一部をPR表記なしで自社サイトに転載していた。
商品はサプリメントの「NMN taisho」。今年4月から5月にかけ、公式ECサイト「大正製薬ダイレクトオンラインショップ」上で、Instagramの投稿から抜粋したユーザーの意見という形で「原料から製造まで徹底管理されてる国内製造!! 体に入れるものは安心できるものが良いよね!」「1日目安3粒ずつの個包装になっているので衛生的でとても便利!」などと掲載していた。しかし実際は、投稿者に商品を無償提供した上、対価の提供を条件に投稿を依頼していた。
消費者庁は、消費者がこれらの文言を事業者の表示であると判別するのは困難と指摘。景品表示法第4条第3号で禁じているステルスマーケティングに該当するとした。
大正製薬は13日、自社サイトで経緯を説明した。これによると2023年6月に複数のインフルエンサーにInstagram投稿を依頼し、投稿自体には「♯PR」等の表示をしていたという。
しかし投稿を抜粋して掲載する際、「自社Webサイトに表示しているものであることから、インフルエンサーの投稿部分についても当社の広告であることが判別できる」と考え、PR表示を行わなかった。
同社は措置命令について謝罪し、「今後、従業員に対し研修を実施し、また広告掲載前の社内確認を徹底する等の広告管理体制をより一層強化し、再発防止に努めていく」としている。