欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は11月14日(現地時間)、米MetaにEUの独占禁止法違反で7億9772万ユーロ(約1300億円)の制裁金を科したと発表した。広告サービス「Facebook Marketplace」を自社のFacebookと結び付け、他の広告サービスプロバイダーに不公平な取引条件を課したとしている。
欧州委員会は2021年6月に開始した調査の結果、2022年12月にMetaが独禁法に違反していると判断。今回の制裁金はその違反に関するものだ。
問題となったのは以下の2点だ。
・Facebookユーザーは、望むと望まざるとにかかわらず、自動的にFacebook Marketplaceにアクセスし、定期的に利用を促される。この結び付けにより、Facebook Marketplaceが競合他社には真似のできない大きな流通上の優位性を得ており、競合他社を排除する可能性がある
・FacebookやInstagramで広告を掲載するサードパーティの広告サービスプロバイダーに一方的に不公平な取引条件を課すことで、他の広告主によって生成された広告関連データを自社の利益のためにのみ利用することが可能となった
これに対し、Metaはすぐに反論を公開した。同社は、Facebook Marketplaceは消費者の需要に応えるために構築されたものであり、欧州委員会の決定は市場の現実を無視しており、既存のマーケットプレイスを競争から守るだけであると主張した。
同社は、Facebook Marketplaceは人々が「必要だから」ではなく「欲しいから」利用するものであり、FacebookユーザーはMarketplaceを利用するかどうかを選択できると主張している。
Metaは、決定を不服として提訴する一方で、欧州委員会の指摘に対処する解決策を迅速かつ建設的に開始し、Facebook Marketplaceが存続することを欧州のユーザーに保証するとしている。