ナビタイムジャパン(東京都港区)は11月19日、熊本県内の市町村は「ONE PIECE(ワンピース)像」の設置を機に訪日外国人観光客が増えたとする分析結果を発表した。最も増えた宇土市の増加率は7.3倍だった。
外国人観光客向けのナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」の利用状況から全都道府県を対象に2019年度と2023年度の外国人旅行者の滞在増加率を分析したところ、熊本県が2.14倍と最も高い伸びを示した。しかし増加率が高かったエリアは、熊本城や阿蘇山といった有名観光地ではなかったという。
そこで23年4月から24年3月のデータを使い、熊本県内の市町村ごとの増加率を集計したところ、1位は宇土市で7.33倍だった。滞在場所で最も多かったのはONE PIECE 麦わらの一味の「ジンベエ像」がある住吉海岸公園だった。
さらに熊本県内の市町村別の増加率ランキングと、ONE PIECE 麦わらの一味像の設置場所を重ねると、「サンジ像」がある益城町、「フランキー像」の高森町、「ロビン像」の南阿蘇村など全10体の像が設置されている市町村は軒並み滞在者数の増加率が伸びていた。
ナビタイムは「ONE PIECE 麦わらの一味像が、訪日外国人旅行者が熊本県内の各地を訪れるきっかけの一つになっていることが示唆される」としている。
ONE PIECE熊本復興プロジェクトは、2016年4月に発生した熊本地震に際し、熊本出身の漫画家・尾田栄一郎さんがメッセージを送ったことを機にスタート。19年度から4年をかけ、熊本県内の9市町村10カ所に麦わらの一味の像を設置した。