山田太郎参議院議員は12月19日、“クレカ規制”問題を巡って、「オタク婚活」をうたう婚活支援サイト「アエルネ」を運営するちくちく(東京都台東区)の長谷川剛代表取締役と面会したと、公式X(@yamadataro43)に投稿した。アエルネでの問題の原因は、決済代行会社ではなく、別のカード会社(山田議員はアクワイアラーと推測)と判明したという。
アエルネを巡っては14日、「カードの決済会社から連絡があった」としてVisaカードの決済停止を発表するも、16日に「決済代行会社から連絡があり、決済が継続できることになった」として決済停止を撤回していた。
Visa/Mastercardなどのクレジットカードブランドの下には、イシュアー(クレジットカード発行会社)とアクワイアラー(加盟店契約会社)があり、さらにアクワイアラーと加盟店の間には、各クレジットカードブランドなどと一括契約している決済代行会社が挟まっている。アエルネでの問題を受け、X上では「決済代行会社が原因なのでは」と指摘する声が上がっていた。
山田議員によると、事の発端は10月31日、問題のカード会社でVisa/Mastercardブランドのカードが決済停止になると、決済代行会社からちくちくに通知があったという。決済代行会社は、別のカード会社への切り替えをちくちくに提案。ちくちくは切り替えに必要な審査を申し込んだ。
12月6日、決済代行会社から新しいカード会社での審査が通ったとの連絡があり、ちくちくはこれを了承した。しかし13日、問題のカード会社によるVisaでの決済が早ければ16日、遅くとも31日中に停止する(Mastercardは除く)と、決済代行会社から連絡があった。これを受け、14日にVisaカードでの決済停止を公表するに至った。
その後16日、問題の会社との決済を31日まで継続させ、その間に新しいカード会社に切り替えることで、Visaでの決済を停止させずに済むと決済代行会社から連絡を受けたため、ちくちくは同日に決済停止を撤回する旨を発表した。
今回の経緯について、山田議員は「アエルネの決済の継続のために積極的に決済代行会社が動いたことで、結果としてこれまで通りのクレジットカード決済が可能となった」と説明した。X上で決済代行会社を非難する声が上がっていることに対し、「見当違い」と指摘した。
山田議員は「これまで私が話を聞いてきた案件の中には、決済代行会社が主導していると思われるケースも確かにあった。しかし、事実を確認せず、何でもかんでも決済代行会社の責任にするべきではない」「クレジットカード問題にしっかりと対応するためにも、誹謗中傷による被害を防止するためにも、何が真実か、落ち着いて見極めることが必要」との考えを示した。
また山田議員は、アエルネがこれまで犯罪などで問題視されたことのないサービスであるとして、クレジットカードの決済が停止されるのは、経済的に不合理とも指摘した。どのように特定のカードブランドでの決済が停止が起きているのか、引き続き実態の解明を進めるとともに、決済の停止に対し、その理由が加盟店に通知されるような法整備も検討するとしている。
クレジットカード決済を巡っては、2022年7月ごろから成人向けコンテンツを扱うECサイトなどで特定カードブランドの取り扱い一時停止が急増している。今回、婚活支援サイトが“クレカ規制”に巻き込まれたことに対し、X上では「どこにもR18要素がない」「オタクの名の付くものは婚活サイトでさえ根絶やしにするのか」など物議を醸していた。