米OpenAIの12日間にわたる発表イベント「12 Days of OpenAI」が12月20日(現地時間)に完結した。本稿で12の発表を時系列にまとめておく。サム・アルトマンCEOが予告したように、大小とりまぜた発表だった。
1日目(12月5日)
推論AI「o1」と、月額200ドルの新プラン「ChatGPT Pro」の発表。o1は、従来のモデルよりも推論能力が大幅に向上し、複雑な問題を解決できるようになった。o1のシステムカードも発表され、安全性評価、レッドチーミングの知見、安全性の向上などが強調された。
2日目(12月6日)
「Reinforcement Fine-Tuning」(強化学習ファインチューニング研究)プログラムの発表。特定のタスク用に「oシリーズ」モデルを変更できるようにするモデルカスタマイズ方法だ。まずは複雑なタスクを持つ研究者、大学、企業からの応募を募集した。
3日目(12月9日)
高画質でリアルな動画を生成できるAIモデル「Sora」の一般公開の発表。ChatGPT PlusおよびProの加入者はsora.comを通じてアクセスできるようになった。一時的に登録を制限しなければならないほどに新規登録が殺到した。
4日目(12月10日)
10月に発表した「Canvas」の無料公開。Canvasは、ChatGPTと連携して文章作成やコーディングを行うためのインターフェースで、GPT-4oモデルに直接統合された。
5日目(12月11日)
「Apple Intelligence」からChatGPTへのアクセス提供開始の発表。Appleが同日発表した最新OSを搭載するiPhone、iPad、Macのユーザーは、ChatGPTのアカウントがなくてもApple Intelligence経由でChatGPTを使えるようになった。
6日目(12月12日)
ChatGPTの音声機能に2つの機能を追加。ChatGPT PlusおよびPro加入者向けの画面共有サポート付き「ビデオ通話」と、季節限定のサンタクロース音声プリセットだった。サンタクロースは日本語も話す。
7日目(12月13日)
Anthropicの「Projects」に似た、ChatGPTのチャットを個別管理する機能「Projects」の発表。ChatGPT PlusおよびPro加入者が利用可能になった。GPT-4oモデルと連携する。将来的にはo1などとの互換性も実現する予定という。
8日目(12月16日)
有料プランでのみ使えていたWeb検索機能「ChatGPT search」の無料ユーザーへの提供開始。高速化し、モバイルアプリでも利用可能になった。
9日目(12月17日)
開発者向けのみの日。APIプラットフォームを通じてのo1リリース、GPT-4oオーディオの価格引き下げ、Realtime APIの改善など。
10日目(12月18日)
前日とは一転、一般的な人々にChatGPTを試させるための試みとして、米国のフリーダイヤル経由のChatGPTの高度な音声機能との会話と、WhatsAppでのテキストチャットの提供開始を発表した。
11日目(12月19日)
Mac版ChatGPTアプリと他のアプリとの連携の発表。XcodeやNotionと連携できる。Windows版アプリでも近く可能になる見込みだ。
12日目(12月20日)
AGI発表か、と期待された最終日だが、新たな推論モデル「o3」と「o3-mini」のプレビューの発表だった。一般公開はまだしない。
OpenAIはこれをAGIだとは言っていないが、ARC-AGIテストで人間の結果に匹敵する85%以上のスコアを獲得したという。
アルトマン氏は、o3-miniは2025年1月下旬にリリースの可能性があると語った。