12月23日午後6時ごろから、ポケモンがECサイト「ポケモンセンターオンライン」(ポケセンオンライン)に利用制限をかけている。原因は、同日同時刻から予約申し込みが始まったポケモンカードゲームの新商品だ。24日午後3時時点でも制限は解除されておらず、ポケセンオンラインに“長蛇の列”ができている。
ポケセンオンラインにアクセスすると「ポケモンセンターオンラインへ順番にご案内しております」という表記と共に、仮想待合室というページに案内される。仮想待合室は、2023年11月に導入された混雑回避のためのページだ。
実は記者も、23日にこの長蛇の列に並んでいた。仕事終わりの同日午後8時ごろにアクセスした際も待機時間は1時間以上。では実際何時ごろにアクセスできたのかというと、記者の場合は日をまたいだ24日午前0時半ごろだった。「まさかここまで時間がかかるとは……」というのが正直な感想だ。
●なぜバブル再燃? 原因は人気キャラの新規カードか
なぜポケセンオンラインがこんな状態になっているのか。原因はポケモンカードゲームの新商品「バトルパートナーズ」だ。2025年1月24日に発売の新商品で、カードバックや関連商品の予約が12月23日に始まったのだ。
ポケモンカードゲームは、老若男女問わず人気を集めている商品だが、一部の人気カードには数万円以上の値段が付くことも珍しくない。転売などを目的にした購入も多く、一時は入手困難な状況に陥っていた。しかし、23年後半ごろからは人気も落ち着き、予約せずとも最新商品が買える状況になっていた。
ではなぜ今回、ここまで人気が集中しているのか。それは人気キャラ「ナンジャモ」の登場が決まったためだ。ナンジャモのカードは、1枚5万円以上の値が付いている。バトルパートナーズには、そんなナンジャモの新カードが登場する予定だ。また、バトルパートナーズを1箱買うと、特典としてナンジャモの限定カードが数量限定でもらえることも、予約が殺到する一因と考えられる。
ナンジャモ以外にも、1枚で100万円前後で値段で取引されている超人気キャラクター「リーリエ」など、複数の人気キャラクターの新規カードも収録予定。このように、過去に高騰した事例を持つキャラクターのカードが収録されることから、新商品に注目を集める人が多いようだ。
実際、ポケセンオンライン以外の通販サイトでも、バトルパートナーズ関連商品は予約申し込みが即終了する事態が相次いでいる。店頭でも同様で、予約開始から1日も立たずに予約締切を発表する店舗があったと、SNSで報告が上がっている。
●12月発売の「テラスタルフェスex」からバブル再燃の兆し
実はバトルパートナーズの発売前からも、“ポケカバブル”再燃の兆しが見られていた。ポケモンカードは12月6日にカードパック「テラスタルフェスex」(1箱・定価5500円)を発売。このカードパックには、人気キャラクター「イーブイ」や、その進化系のポケモンたちのカードなどを収録している。
イーブイやその進化系も、過去にカードが高額で取引されていた。例えば21年5月に発売したカードパック「イーブイヒーローズ」は発売当初から入手しにくい状況が続いた。結果、現在まで同パック収録のレアカードは高騰しており、中でも「ブラッキーVMAX(SA)」というカードは24~28万円前後で取引されている。
テラスタルフェスexも同様に人気が集まり、カードパックについても入手しにくい状況が続いている。こちらもやはりブラッキーのカードが人気で「ブラッキーex SAR」というカードは3~4万円前後で取引されている他、カードパック自体を定価以上の価格で買い取るカードショップもあるほどだ。イーブイヒーローズほどではないが人気のカードパックとなり、その矢先でのバトルパートナーズの販売だった。
●定価は5400円 転売価格に要注意
バブルの再燃に伴い、かつて見られたような高額転売や抱き合わせ販売も復活しているようだ。ポケモン公式でのバトルパートナーズの販売価格は5400円だが、Amazonの販売ページでは定価以上の価格で販売している商品ページが乱立している。
また、中にはバトルパートナーズ関連商品と除菌ウェットティッシュを抱き合わせて販売するページも確認できる。こちらも定価以上の値段となっているため、Amazonでの商品購入を考えている場合には注意が必要だ。
ちなみに23日午後3時時点では、ポケセンオンラインではバトルパートナーズを1箱限定で購入できる。待ち時間は長いが、確実に入手が可能だ。かつてのポケカバブルでは偽物の流通なども報じられたため、警戒する人は他の通販サイトより先に確認した方がいいだろう。