抗体医薬品の開発などを手がけるペルセウスプロテオミクス(東京都中央区)は12月25日、NHKニュースに同社のタンパク質の解析が紹介された際、GoogleのAIシステム「AlphaFold3」の画面が写ったことで「商用利用ではないか」と指摘されていた件で、それを否定する声明を発表した。
同社によると、解析は「当社がX線を利用して実施したもの」であり、AlphaFold3によるものではないという。
ただ、今回の取材が「AI創薬の可能性を検証する」という主旨だったため、撮影スタッフ立ち会いの下で同社のX線解析結果とAIによる解析結果を比較する検証を行った。これはAlphaFold3の禁止事項である商用利用にはあたらず、「使用が許容されているジャーナリズムによる利用と考えている」とした。
AlphaFold3は、米Google傘下のGoogle DeepMindとAI創薬企業Isomorphic Labsが共同開発したタンパク質の立体構造を予測するAIシステム。21年に登場した前バージョン「AlphaFold2」はその精度の高さから研究分野で盛んに用いられていた。
AlphaFold3は商用利用を禁じているため、12月22日放送のNHKニュースに登場した際、ネット上では「無断使用ではないか」といった声が上がった。ペルセウスプロテオミクスは「今後は誤解を招かないよう、取材の際により正確かつ明確な説明に努める」としている。