Infoseek 楽天

年末年始は貴重な勉強チャンス? ITからAIまで、企業などが無料公開した研修・教材資料まとめ

ITmedia NEWS 2024年12月28日 12時26分

 2024年も終わりが近づいてきた。暦上は2連休、平日1日、6連休と続いているため、最大で9連休を取り、ゆっくり過ごす人も多いのではないだろうか。休日を満喫するのも悪くないが、忙しいビジネスパーソンがじっくり勉強できる良いタイミングでもある。そこでおすすめしたい、無料で読める研修・教材資料を紹介する。

 今回は、2024年にITmedia NEWSやITmedia AI+で取り上げた記事の中から、10点を紹介する。ITエンジニアの基礎から、昨今話題の生成AIと著作権の関係まで、2025年からの仕事に生かしてもらえれば幸いだ。

●ITエンジニアの基礎固めにはコレ 新卒向けの研修資料

 リクルートは、2024年度に入社した新卒エンジニア向けの研修内容と資料の一部を公開している。エンジニアとしての心構えからデータベース設計、JavaScript研修、Webアクセシビリティー入門など、26種類の資料でITエンジニアの基礎を幅広く学べる。

(関連記事:リクルート、新卒エンジニア向け研修資料を無料公開 「実践データベース設計」など全26種類)

 サイバーエージェントも、同社AI事業本部の24年度新卒エンジニア向け研修で使った2つの資料「システム運用の基本と戦略」と「オブザーバビリティ研修実践編」を公開している。

 前者では、システムを運用し継続的にサービスを提供する際に求められるスキルなどを紹介。後者では、オブザーバビリティを「システムがどのような状態になったとしても、それがどんなに斬新で奇抜なものであっても、どれだけ理解し説明できるかを示す尺度」として、その重要性などを説いている。

(関連記事:サイバーエージェント、新卒エンジニアの研修資料を2つ無料公開 「システム運用」と「オブザーバビリティ」を解説)

●業務の幅が広がるかも? ちょっとニッチな知識を学ぶ

 DNSについての情報発信などをする団体・日本DNSオペレーターズグループは、ドメイン名の“終活”について解説する資料を公開している。ドメイン名を安易に廃止すると、ドメイン名がオークションで取引され、悪意ある第三者の手に渡るといったリスクが生じると指摘。適切な休眠や廃止の方法を紹介している。

(関連記事:ドメイン名にも“終活”が必要? 休眠・廃止方法の解説資料が話題 「ドメイン名の使い捨て、ダメ絶対」)

 他に、Linuxの成長促進などを目的に活動する非営利団体・Linux Foundationは、オンライン講座「Linux入門」を無料で提供している。Linuxシステム管理者とエンドユーザーが、Linux環境で日常業務を行うために使用するさまざまなツールと手法を一から学べる。コンピュータの使用経験が豊富だが、「Linuxは初心者」というユーザーを対象にしている。

(関連記事:「Linux入門」無料のオンライン講座が提供開始 受講時間は約60時間 初心者も一から学べる)

●生成AI、結局どうなってるの? 最近の動向まとめ

 内閣府は、AI政策などを検討するために設立した「AI戦略会議」で取り扱った資料を公開している。5月に行われた第9回分では、AI研究の権威として知られる東京大学の松尾豊教授が作成した資料も公開。「生成AIの産業における可能性」と題し、生成AIを取り巻く日本の動きをまとめ、各産業でどのようなAI活用方法があるか考察している。

(関連記事:生成AIを巡る日本の現状は? 東大・松尾教授の考察資料が無料公開 「1年間、日本は最善手を指し続けている」)

 国立情報学研究所(NII)は、9月25日に一橋大学で開催したシンポジウム「大規模言語モデルのあるべき姿とは?」で行われた講演の動画や、使われた資料を公開している。「大規模言語モデルにおける安全性の実現と方向性」など、LLMの最新の研究動向などを解説している。

(関連記事:LLMの“あるべき姿”とは──NIIがシンポジウムの資料を無料公開 動画も順次)

●AI開発も解説 大ボリュームでも長期休みならチャレンジできる?

 東京工業大学情報理工学院の岡崎直観教授は、大規模言語モデル(LLM)の開発について紹介する資料を公開している。まずLLMの概要を説明し、「事前学習・継続事前学習」「指示(インストラクション)チューニング」「アライメント」「評価」と4つの項目に分け、LLMの開発を解説する。

(関連記事:「大規模言語モデルの開発」に関するまとめ資料 東工大・岡崎教授が公開 全85ページ)

 サイバーエージェントは、AIや機械学習アルゴリズムの開発・運用手法「MLOps」を解説する資料を公開している。資料は全4種となっており、MLOpsの基礎編と応用編、実践編の他、アプリ開発などに使う仮想化技術「Container」の資料もある。スライドのページ数は計500ページを超えている。

(関連記事:AI開発・運用手法「MLOps」の資料、サイバーエージェントが無料公開 全500ページ超えの大ボリューム)

●押さえておきたい生成AIと知的財産権の関係

 文化庁は、生成AIと著作権の関係について解説するセミナー「AIと著作権II」のアーカイブ動画をYouTube上で公開している。セミナーは8月に実施したもので、AIと著作権に関する考え方を紹介する。2部構成になっており、第1部では著作権制度の基礎知識や生成AIとの関係性を、第2部では実務での扱いを解説している。

(関連記事:「AIと著作権」について解説 文化庁のセミナー、アーカイブ動画が公開に)

 内閣府は、生成AIと知的財産に関するクリエイター向け資料を公開している。政府が主催する「AI時代の知的財産権検討会」の検討内容を、権利者の視点から全43ページにまとめ直したもの。自分の作品をAIに学習されないようにするための対応や、AIと知的財産権に関する法的ルールなどを紹介している。

(関連記事:AIに作品を学習されたくない場合の対応は? “クリエイター向け”に生成AIと知的財産について解説 内閣府)

この記事の関連ニュース