ドワンゴが運営する動画配信サービス「ニコニコ」で、一気に5万を超える動画が削除され、利用者やクリエイターに衝撃を与えている。同社は昨年10月に海外の法令等に違反する恐れがあるコンテンツを削除する方針を示していた。
動画が大量に削除されたのは、1月18日から19日にかけて。ニコニコ動画のデータベース「ニコニコチャート」をみると、19日は前日に比べて動画数が5万3998のマイナス。通常は新たな投稿などによって動画数は1000から3000のプラスになるため、実際に削除された動画はもう少し多いとみられる。また1日の再生数も前日に比べて9億229万回減った。
ニコニコは、20日午前の時点で見解等を発表していないが、24年10月に「ニコニコ規約」などを一部改定し、「海外の法令等に違反する恐れがある描写・公序良俗に反する描写を含む」コンテンツについては、改定前に投稿したものを含めて削除する方針を示していた。
同社は公序良俗に反する内容ではないものの、成人向けの表現が含まれる動画を「R-18」に分類していたが、24年11月には誤解を避けるために分類を「例のソレ」に変更。ただし、今回削除された動画の多くは、例のソレに分類されていたものとみられている。
1月16日には大人向けイラスト投稿コーナー「ニコニコ春画」の終了も発表したニコニコ。一連のコンテンツ規制範囲見直しは、「継続的な運営とサービス提供に向け」たものだとしている。
ニコニコは、23年11月のMastercard決済一時停止を皮切りに、24年3月のAmerican Express、同年5月のVisaとDiners Clubなど、国際クレジットカードブランドによる決済停止が相次ぎ、現在使えるのはJCBと一部のMastercardのみだ。