米Googleの持株会社である米Alphabetは2月4日(現地時間)、2024年第4四半期(2024年10月~12月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は前年同期比12%増の964億6900万ドル(アナリスト予想は965億6000万ドル)、純利益は28%増の265億3600万ドル(1株当たり2.15ドル、アナリスト予想は2.13ドル)だった。売上高は6四半期連続の2桁台の増加ではあったが、アナリスト予測には届かなかった。
スンダー・ピチャイCEOは、AIにおけるリーダーシップとフルスタックアプローチ(ハードウェア、コンパイラ、モデル、製品の全てを自社開発する戦略)が業績を牽引したと強調し、「AIによる概要」や「かこって検索」などの製品がユーザーエンゲージメントを向上させていると述べた。
また、「Google Cloud」のAIポートフォリオに対する顧客需要の高まりと、「YouTube」のストリーミング視聴時間とポッドキャストでのリーダーシップについても言及した。Google CloudとYouTubeの年間収益ランレートは1100億ドルに達し、目標を達成したという。
広告、Android、Chrome、デバイス、Googleマップ、Google Play、検索、YouTubeを担う「Googleサービス」セグメントの売上高は10%増の840億9400万ドル。YouTube広告が14%増と好調だった。
インフラ、プラットフォームサービス、アプリを含む「Google Cloud」セグメントの売上高は30%増の119億5500万ドル。
Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は39%減の4億ドル(営業損失は11億7400万ドルで、前年同期より増加した)。
総従業員数は前年同期より821人増の18万3323人。
ピチャイ氏は、2025年の設備投資額を750億ドルと語った。これは、AIインフラ、特にサーバとデータセンターへの投資を強化するものとしている。
業績発表後の電話会見では、Alphabet全体でAIへの積極的な投資を継続し、Geminiモデルの進化や、AIを活用した製品の改善、特にGoogle検索におけるイノベーションを推進していくと強調した。
また、東京での試験運用を計画しているWaymoについて、同四半期に400万件以上の乗車を提供し、週15万件以上の乗車を達成したと語った。
ピチャイ氏は話題の中国製AI「DeepSeek」について問われると、「素晴らしいチームであり、非常に良い仕事をしている」と評価しつつ、Geminiの2.0 Flashや2.0 Flash Thinkingは効率性に優れており、DeepSeekのV3やR1モデルと比較しても遜色ない効率性を持っていると語った。
同氏は12月に発表した新TPU「Trillium」に言及し、Googleはフロンティアモデルの開発だけでなく、モデルを効率的に運用することにも注力していると語った。