日産自動車(日産)は2月5日、同社が本田技研工業(ホンダ)との経営統合に向けた基本合意書を撤回する方針と一部メディアが報じたことを受け、「当社が発表したものではない」との声明を出した。「報道の事実も含めてさまざまな議論を進めている」として、2月中旬をめどに方向性を発表する予定。
日本経済新聞は同日、日産がホンダとの経営統合に向けた協議の打ち切りを決めたと報じていた。報道によると、統合に際して設立予定の持ち株会社の統合比率などで条件が折り合わなかったという。ホンダから日産の子会社化の打診も受けたものの、日産社内で強い反発があり、協議を打ち切ったとしている。
ホンダも日産と同様、5日付で「日産自動車と当社が協議・検討している両社の経営統合に関する一部報道があったが、本件は当社が発表したものではない」との声明を出している。
日産とホンダは12月、経営統合に向けた協議を始めると発表。当初は日産が筆頭株主の三菱自動車工業も合流を検討し、1月末をめどに結論を出すとしていたが、交渉は難航。結論を2月中旬まで延期するとした他、三菱自動車が両社の持ち株会社に参加しない方針であると一部メディアが報じる事態となっていた。なお、3日に決算会見を開いた三菱自動車は、経営統合に加わるかについて2月中旬に最終判断する考えを示している。