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ASUSが超進化した「ROG Ally X」を台北でアピール! Copilot+ PC準拠のRyzen AI搭載新型ゲーミングノートPCも多数展示

ITmedia PC USER 2024年6月6日 17時0分

 ASUS JAPANを日本に擁する台湾ASUSTeK Computerが、台湾本社にて同社ゲーミングブランド「ROG」シリーズに属する製品群の発表イベントを開催した。

 このイベントは、COMPUTEXの開催に先がけて(6月2日に)発表されたポータブルゲーミングPCの新製品「ROG Ally X」を大きくフィーチャーする内容で、この製品にかける強い意欲が感じられた。

●サイズ感をそのままに全方位で洗練! 新モデル「ROG Ally X」

 ROG Ally Xは、コンパクトなボディーに7型の液晶ディスプレイとゲームパッドを一体化したポータブルゲーミングPCで、2023年に発売された初代モデル「ROG Ally」の後継となる最新モデルだ。初代ユーザーのフィードバックを反映し、全方位で洗練された製品へと進化した。

 ボディーサイズは、約280.2(幅)×114(奥行き)×36.9(最厚部)mmで、重量は約678gだ。先代から少し厚みが増えたが、そのぶんはグリップ感の向上に貢献している。重さの増加についても、それが全く気にならないほど大きく進化を果たした形だ。

●バッテリー容量を倍増! メモリなど基本スペックも強化

 新モデルにおける強化点の筆頭が、バッテリー容量の倍増だ。従来モデルのヘビーユーザーの中には、より長いゲームプレイ時間を求めて外付けのバッテリーを背面にマウントするための改造を行うユーザーもいたそうだが、ROG Ally Xならば、スマートに長時間使うことができる。

 また、メモリは16GBから24GBへ増量した。速度もLPDDR5-6400からLPDDR5-7500へと高速化されており、パフォーマンスにも良い影響があるだろう。SSDの容量が1TBに倍増されたことでローカルに多くのゲームタイトルを保存しておけるので、使い勝手もよくなっている。

 SSDは、フォームファクターも小型サイズのType 2242から、Type 2280に変更されている。2280は最も一般的なサイズなため、SSDの種類が豊富で容量単価も安く手に入る。メーカー保証の失効覚悟で分解するヘビーユーザーにとっては、大きな変更点といえる。

 さらに、放熱システムを再設計してエアフロー効率を改善し、ボディー温度を最大で6度下げることができたという。こちらも長時間利用時のパフォーマンスや、プレイフィールの両面で良い影響があるだろう。

●手にはなじむ感触 とにかく操作するだけ心地良い

 ROG Ally Xは、ゲーミングギアとしてのヒューマンインタフェースの改善にも本気で取り組んでいる。初代モデルは、手に少し硬さを感じる感触だったが、新型は実にマイルドで手になじむ。初代よりも最厚部の厚みが増したが、逆にグリップ感の良さに貢献している印象だ。

 ゲームパッド、コントローラー部の配置の最適化、各部品の精度向上も行われている。スティックやボタンもちょうど良い位置にあるだけでなく、十字型パッドやボタンの戻りがとてもスムーズだ。いわゆる「パコパコ感」が全くない操作感がとても心地良い。

 ジョイスティックは約500万回の耐久性をうたう。数字だけを見ると「ふーん」という感じかもしれないが、「壊れたらコントローラーだけ買い替え」ということがカジュアルにできない製品(外付けはできるが)だけに、コントローラー部の耐久性は地味ながら重要な要素だろう。

 この発表会の後には、品質試験ラボを見学する機会があったが、ROG Ally Xに関しても、機械を使って実際にジョイスティック操作やボタン連打、ボディーへ前後のひねりを加えるなど、耐久性をチェックする試験の様子を見ることができた。

●デュアルUSB Type-C搭載により新チャージャーで活用の幅が広がる

 さらに、本機では同社の外付けGPUボックス「ROG XG Mobile」用インタフェースが、新たにThunderbolt 4(USB4)対応のUSB Type-C端子に置き換わっているのも興味深い。

 ROG XG Mobileインタフェースは、Thunderbolt以上に高速(64Gbps)な反面、ケーブルが太く短いためROG Ally Xのような小型デバイスでは扱いにくい面もあったので、細くしなやかなケーブルが使える汎用(はんよう)規格であるThunderbolt 4にしたのは英断だろう。

 Thunderbolt 4対応の外付けGPUボックスの登場については未定ということだったが、汎用のThunderbolt 4/Thunderbolt 3対応の外付けGPUボックスが使えるので、GPU性能を強化したい人はそれで対応できるだろう。また、USB Type-C端子が2基になったことで、外付けGPUボックスを利用しない場合は2基とも自由に使えるため、ポータブルPCとしての活用の幅と利便性は上がったといえる。

 活用の幅といえば、新たに新チャージャーが用意されたのも見逃せない。3基のUSB Type-C端子と1基のUSB Standard-A端子を備え、合計140Wを給電できるマルチチャージャー仕様になり、スマートフォンやワイヤレスヘッドセットなど一緒に携帯するデバイスも充電可能になった。

●Ryzen AI 9 HX 370搭載の「ROG Zephyrus G16」も展示

 このイベントでは、ROGシリーズの新製品として、Ryzen AI 9 HX 370を搭載するスリムゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G16」も展示されていた。

 このイベントの開催時点(6月3日午前)ではAMDのプロセッサが未発表だったため、展示会場に実機が置かれているのみで、発表会では特に言及がなかったが、後に50TOPSのAIパフォーマンスを持つRyzen AI 9 HX 370を採用したCopilot+ PC認定モデルであることが明らかにされた。

 日本で発売済みの「ROG Zephyrus G14」の16型版といえるモデルで、外部GPUとしてNVIDIA GeForce RTX 40シリーズ Laptop GPUを搭載する。天板には独自のLEDイルミネーション演出である「スラッシュライティング」を装備している。ボディーサイズは約354.95(幅)×246.95(奥行き)×14.95~16.43(高さ)mm、重量は約1.85kgとなる。

●ゲーミングキーボードや超軽量マウスも

 このイベントでは、有機ELディスプレイを搭載するフルメタルのゲーミングキーボード「ROG Azoth Extreme」や、カーボンファイバーシェルを搭載した超軽量ゲーミングマウス「ROG Harpe Ace Extreme」、チタニウムドライバー搭載のゲーミングヘッドセット「ROG Delta II」、10GBASE-T/Wi-Fi 7対応の高速ゲーミングルーター「ROG Rapture GT-BE19000」も発表された。これらの製品は日本での投入時期は未定なものの、いずれ投入する予定があるという。

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