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スウェーデン発祥のハードウェアメーカー「Fractal Design」の新製品お披露目会に潜入 Raspberry Pi用ケースも登場

ITmedia PC USER 2024年6月13日 12時5分

 6月7日(台湾時間)まで開催された「COMPUTEX TAIPEI 2024」は、台湾・台北市の南港地区にある「南港展覧館(Nangang Exhibition Center)」がメイン会場だった。多くのPC/IT関連企業は、このメイン会場にブースを構えて自社の製品やソリューションを展示していた。

 一方で、企業によっては南港展覧館の近隣にあるホテルなどに招待客限定の「プライベート展示場」を設けることがある。中には、COMPUTEX自体には出展せずにプライベート展示“だけ”を行う企業もあったりする。

 スウェーデン発祥のPC/IT機器メーカーである「Fractal Design(フラクタルデザイン)」も、そんなプライベート展示に絞り込んだ1社だ。同社は北欧らしいデザインにこだわっていることが特徴で、武骨なデザインになりがちなPCケースに“一石”を投じたことでも知られる。

 今回、Fractal Designはプライベート展示場において、今後発売される予定の新製品を披露した。その様子を見てみよう。

●スタイリッシュなPCチェア「Refine」

 Fractal Designといえば、スタイリッシュなPCケースで注目を集めている。今後PCケースの新製品を投入するのは当然として、今回の展示では「Refine」というPCチェアが注目を集めていた。発売日や日本での投入は未定だという。

 本製品は3種類の背もたれ/座面加工(ファブリック/メッシュ/Alcantara)が用意されており、ファブリックとメッシュにはそれぞれ2色(ライト/ダーク)が用意されている。

 最近、PCチェアといえばゲーミングチェアが人気だが、このRefineは「多目的チェア」として設計されており、ゲーミング用途を含めていろいろなシーンで快適な座り心地を実現しているという。デスク環境に一体感を持ちつつ落ちついた、Fractal Designらしさのあるデザインも特徴だ。「ゲーミングチェアの“ゲーミング”っぽさが……」という人にもお勧めできる。

 主な機能として、座面の昇降機能、ひじ掛けの4D対応(前後/上下/左右/首振り)、ランバーサポート、座面の前後スライドを備える。また、リクライニングの固定やヘッドピローを簡単に着脱できることも魅力だ。

 実際に座ってみたが、メッシュタイプはこれからの時期に最適だろうと思う。リクライニングは180度までという深さはないものの、十分な角度まで調整できる。

 チェアはすごく種類が多く、選ぶ際に迷ってしまいがちだが、ケースやデスク回りの環境をFractal Designブランドでそろえたい場合は良い選択肢となるだろう。

●有線/無線両対応のゲーミングヘッドセット「Scape」

 次に紹介するのは、新型ゲーミングヘッドセット「Scape(スケープ)」だ。カラーはライトとダークの2種類で、本製品も発売日や日本での投入は未定だという。

 従来なら、ゲーミングヘッドセットを出すならエントリーモデルからハイエンドモデルまで一通りそろえるメーカーが多かったのだが、Fractal DesignはこのScape“一本”で勝負をするようだ。製品に対しての自身のほどが伺える。

 カラーバリエーションからも分かる通り、本製品は先に紹介したRefineとデザインをそろえている。接続はワイヤレス(2.4GHz)、Bluetooth、有線(USB)の3接続から選べ、スタンドに置くと充電できる仕組みだ。つまみでボリュームが調整できるのはありがたい。

 イコライザーも3パターンから切り替えが行え、ソフトウェアでカスタマイズできるとのこと。

●PCケースにも新製品 Raspberry Pi用ケースも参考展示

 Scapeの展示ブースにもちらっと写っていたが、Fractal DesignはRaspberry Pi用のケースも参考出展していた。同社の人気PCケース「Northシリーズ」のミニチュア版……なのだが、あくまで参考展示で、現時点での発売は予定していないという。

 出来が良いからか、日本からやってきていた販売代理店の担当者が「ぜひ発売してほしい」とプッシュしていたことが印象的だった。

 もちろん、同社の名前を世に知らしめたスタイリッシュなPCケースにも、新製品が用意される。

 「Mood」は、“PC感”が非常に薄い新型PCケースだ。リビングに家具の1つとして置いても違和感がない。ファブリック素材のあしらわれた、特徴的な本体正面から吸気し、上部にある大型ファンで上方向に排熱する設計となっている。マザーボードはMini-ITX規格のものを搭載できる。6月中に発売予定だという。

 「Era 2」もMini-ITXケースで、その名の通り現行製品である「Era ITX」の後継製品となる。「机上に置いてもコンパクトで使いやすい」というコンセプトを継承しつつ、組み立てやすさやエアフローを改善したことが特徴だ。

 トップパネルは前モデルと同様に木材を採用しているが、空気が抜けるようにスリットがしっかりと設けられている。また、背面には120mmファンが2基取り付けられている。ケーブルもしっかりとまとめられている。

 ケースを開ける際は、ダストフィルターを外してから外装を持ち上げるだけというシンプルな構造で、トップフレームもボタンをスライドして外せるツールレス構造となっている。グラフィックスカードのスペースも、3段階で調整可能だ。

 RGBのライティングに頼らない、北欧らしいしっかりとして落ち付いたFractal Designのデザイン思想は、今回発表されたチェア、ヘッドセット、ケースでも健在だ。

 自分の家のPC回りも、こうした落ち着いたデザインがいいかもしれない――そう思えるいい見本になっていた。

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