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ASUSが放つ世界初の「Copilot+ PC」となる「Vivobook S 15」(S5507QA)を試す

ITmedia PC USER 2024年6月18日 15時0分

 ASUS JAPANから登場した「Vivobook S 15」(S5507QA)は、6月18日に一斉に発売した世界初のCopilot+ PCのうちの1つだ。

 スリムなボディーにQualcommのSnapdragon X Eliteを搭載しており、Windows 11に加わった新しいローカルAIアプリケーションを体験できる。

 今回は発売前の試作機を借用することができたので、レビューしていこう。評価機の到着時点ではCopilot+ PCの一部の機能のみが使える状態であったため、今回は前編として、写真で詳しい内容を見つつ、ベンチマークテストの結果を速報したい。

 なお、本機の発売は6月18日で、同社直販の価格は税込み24万9800円となっている。

●大柄でスリムなメタルボディーを採用

 本機のボディーサイズは、約352.6(幅)×226.9(奥行き)×14.7~15.9(高さ)mmで、重量は約1.42kgだ。シンプルなデザインだが、金属製ならではの質感の良さがあり、表面も丁寧な仕上げで、傷や皮脂も付きにくい上質な仕上げがされている。MIL-STD-810Hに準拠したテストをクリアする耐久性も備える。

●70Whの大容量バッテリーを内蔵

 本機のバッテリーは70Whと大容量だ。公称のバッテリー駆動時間は約18時間(フルHD動画再生時)となっている。JEITAバッテリ時間測定法に基づく駆動時間については評価時点で「計測中」となっている。

 ACアダプターはUSB Power Delivery(PD)対応で、最大出力は90Wだ。実測のサイズは、約75(幅)×75(奥行き)×30(厚さ)mmで、電源ケーブル込みの実測重量は373gだった。

●CPU(SoC)はQualcommのSnapdragon X Elite

 QualcommのSnapdragon X Eliteを採用する。詳細なパーツナンバーでいうと「X1E-78-100」で、4種類のSKUのうち一番下のグレードにあたる。

 CPUコア部は、Arm64アーキテクチャの12コア構成で最大周波数が3.4GHzだ。キャッシュは42MBを搭載している。

 また、NPUコアは45TOPSのAIパフォーマンスを備える「Hexagon NPU」、3.8GFLOPSの浮動小数点演算パフォーマンスを持つ「Adreno GPU」を統合している。

 メモリは32GB(LPDDR5X-8448)を標準で装備する。ストレージは容量1TBのPCI Express 4.0 x4対応のSSDだ。

●美麗な3K有機ELディスプレイを装備

 本機は、15.6型の有機ELディスプレイを採用している。画面解像度は2880×1620ピクセル(アスペクト比は16:9)で、リフレッシュレートは120Hz、応答速度は0.2ms。最大輝度は600ニトと申し分ないスペックで、有機ELディスプレイならではの黒の締まった鮮やかな映像、階調表現を楽しめる。

●テンキー付のキーボードを搭載

 キーボードはテンキー付きだ。実測のキーピッチは約19mm(幅)/約18mm(縦)と十分にある。キーストロークは不明だが、触った感覚では1.5~1.8mmくらいはありそうだ。スイッチも反発が強すぎず、タッチ感は良好だった。

●使いやすいインタフェース構成

 USBポートは、USB Type-C(USB4)とUSB Standard-A(USB 3.2 Gen 1)を2基ずつ装備する。USB Type-Cは、2基ともUSB PDによるPCへの給電と画面出力にも対応する他、HDMIとmicroSDメモリーカードスロットも備えている。

 カメラは約207万画素で、プライバシーシャッター付きだ。顔認証用のIRカメラも統合している。

●生成AIのパフォーマンスも上々

 本機はCopilot+ PCのため、Windows Studio Effectsに新たに追加されたカメラ効果に対応している。カメラ効果以外では、ペイントアプリの「コクリエイター」が利用可能だったが、ローカルAIでもパフォーマンス面は十分にある。いろいろ設定を変えてみてもストレスがたまるような場面はあまりない。タスクマネージャーではNPUがしっかり動作していることも確認できた。

 もっとも、コクリエイターのような手書きの生成AIをゴリゴリ使いたければ、ペン付きのデバイスの方がよいだろう。

●ベンチマークテスト結果は思った以上のスコアを記録

 ここからは、ベンチマークテストの結果を速報しよう。MyASUSユーティリティーで選べるパフォーマンス設定については「パフォーマンス優先」を選択した。

 テスト結果を見ると、Snapdragon X EliteのCPUコアは思った以上にパワフルだ。ArmネイティブのCINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のCPUスコアでは1000を超えている。3DMarkやFINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマークなども問題なく動作しており、スコアも悪くない。

 今回の評価は試作機であり、ソフトウェアも直前になってアップデートがかかっている状態なので、もう少し踏み込んだ使い勝手や性能評価については、レビューの後編でお伝えしたい。

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