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超小型デスクトップPCの進化形! 容積約0.8Lの「mouse CA-A5A01」を試して分かったこと

ITmedia PC USER 2024年6月26日 12時0分

 マウスコンピューターの「mouse CA」シリーズは、片手で持てる容積0.8Lの超小型デスクトップPCだ。机の上に置くのはもちろん、ディスプレイの裏側にマウントできるコンパクトさが売りで、中には本機を持ち運んで使う人もいるほどだ。

 今回、この超小型ボディーを継承しつつ、CPUを先代のRyzen 5 5500UからRyzen 5 7530Uへと強化。家計簿作成などのライトユースからカジュアルクリエイティブまで幅広いフィールドで活用できる新モデルが登場した。

 同社の直販サイトでは、2種類のベースモデルが用意され、どちらもBTOでのカスタマイズに対応している。ここでは、32GBメモリと1TB SSDを搭載する上位構成の評価機(CAA5A01BSADAW102DEC)を入手したので、性能をチェックしていこう。

●容積が約0.8Lで約620gの超小型軽量ボディーを採用

 ボディーは従来モデルを継承している。ブラックベースのカラーでシンプルな形状ゆえリビングにも違和感なくなじむ。

 ボディーサイズは、約28(幅)×150(奥行き)×194(高さ)mm(縦置き時/本体のみ)と、容積にすると約0.8Lで重量も約620gと軽量だ。本体に電源やバッテリーは内蔵しておらず、標準で付属する65W仕様のACアダプターで駆動する。

 ボディーは、横置きと縦置き両対応だ。縦置き用にシンプルなスタンドが付属している。安定確保のため底部は少し横幅があるものの、見た目のすっきりした印象はほとんど変わらない。

 画面やキーボードが一体化されていないとはいえ、一般的なノートPCよりもはるかにコンパクトで軽いことは、本製品ならではの強みだ。ボディーの作りもしっかりしているので、ノートPC収納部があるバッグや保護用のインナーケースなどを利用すれば、持ち運びも現実的だ。

 外付けの画面やキーボードが用意されているサテライトオフィスに持ち込んで使ったり、イベントなどで一時的に利用したりするために持ち出すなど、さまざま活用方法が考えられる。

●使いやすい端子構成

 本機は小型ながら、端子類はなかなか充実した内容だ。前面には1基のUSB Type-C(USB 3.2 Gen.1)を含め、USBポートを5基装備する。さらにSDメモリーカードスロット(UHS-I対応)も搭載している。なおUSB Type-C端子は、電源供給や画面出力には非対応だ。

  背面の端子も豊富で、画面出力端子として、HDMIとアナログRGB出力(D-Sub 15ピン)を装備する他、有線LAN端子、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力、マイク入力端子、さらに盗難防止用ワイヤー取り付け用のセキュリティロック・ポートも備える。

 通信機能としては、有線LAN以外にもWi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5を標準装備する。

●設置スペースを実質ゼロにできるマウントフレームも標準で付属

 小さなボディーを生かして、ディスプレイの裏にマウントできるのも本製品の特徴だ。VESA規格(70/100mm両対応)に準拠したマウントフレーム(VESA取り付けキット)が標準で付属しているので、追加でオプションなどを購入することなくVESA規格対応ディスプレイの背面にマウントして使える。

 このマウントフレームの構造もスマートだ。フレーム単体で液晶ディスプレイの裏側に固定でき、後から本体を差し込んで手回しネジ1本で固定できる。液晶ディスプレイの裏側という本来何もないスペースを有効活用し、設置スペースを実質ゼロにすることができるのはうれしい。

 また、ワイヤレス接続のキーボードとマウスも標準で付属している。共通のUSBレシーバーで通信するタイプなので、ペアリングなどの設定は不要だ。ケーブルがゴチャつくこともなく、見た目にもすっきりとして机の上を有効に活用できる。

●CPUはZen 3のRyzen 5 7530U

 CPUはAMDのRyzen 5 7530Uを採用する。先代が搭載していたRyzen 5 5500Uと同じく6コア12スレッドのCPUだが、アーキテクチャがZen 2からZen 3になり、最大周波数も4.0GHzから4.5GHzへと向上している。

 メモリとストレージは、購入時のBTOでカスタマイズが可能だ。上位構成の評価機は、標準でメモリ32GB(16GB×2)、1TB SSD(PCI Express/NVMe)と余裕のある構成で、ビジネスや学習用途はもちろん、エンタメやカジュアルクリエイティブ利用まで対応できる内容になっている。

 BTOでは、メモリは最大64GBまで、M.2 SSDは2TBまで選べる。さらに、2.5インチHDD(1TB)の追加も可能だ。

●小型でも十分なパフォーマンス

 ここからは、ベンチマークテストの結果を掲載する。参考として、Ryzen 5 5500U(6コア12スレッド)を搭載した2022年モデル(当時の名称はmouse CT6-L)、および2018年に発売されたノートPCのスコアも掲載した。

 結果を見ると、2022年モデルから順当に進化しているのが分かる。CPU(シングルコア)のスコアでは15%以上のスコアアップしているように、特にシングルスレッド性能が大きく向上したのを確認できる。これは、CPUのアーキテクチャがZen 2からZen 3になったことが大きいだろう。

 シングルスレッド性能向上の効果は、PCMark 10のEssentials(日常操作)やProductivity(オフィス)のスコアからも感じられ、コンテンツ制作(Digital Content Creation)も含めて全項目でスコアアップしている。簡易的なビデオ編集のパフォーマンスも十分で、超小型ボディーでありながら高いパフォーマンスを持っているのが分かる結果だ。

 動作音については、低~中負荷でも時々ファンが回ることがあり、ピークの音もそれなりに大きいため、静かな部屋で近くに設置する場合は気になるかもしれないが、体から離れたところに設置したり、液晶ディスプレイの裏側にマウントしたりしてしまえば、あまり気にならないと思われる。

●幅広い用途で使える超小型デスクトップPC

 mouse CA-A5A01は、容積0.8Lの超小型ボディーでありながら、学習やビジネス用途はもちろん、カジュアルなエンタメ、クリエイティブユースまで、幅広い用途で活躍できる性能と機能を備えている。

 また、ディスプレイの裏にマウントできるVESA取り付けキットとワイヤレスのキーボード、マウスも標準で付属しており、(ディスプレイ以外は)追加コストなしで実質ゼロスペースかつケーブルも極力省ける液晶一体型PCを構築できるのは魅力だろう。

 なお、マウスコンピューターの直販サイトでの販売価格は、評価機と同じ32GBメモリで1TB SSDの上位モデルが13万9800円。16GBメモリで500GB SSDの下位モデルが12万9800円となっている。上位モデルの方が買い得感が高く、お勧めだ。

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