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実は安い? 正当進化なカラー電子ペーパー端末「BOOX Go Color 7」は、快適な読書体験ができるオススメな1台

ITmedia PC USER 2024年7月10日 18時55分

 電子ペーパー端末「BOOX」シリーズから新発売となった「Go」シリーズ──先日は10.3型の「BOOX Go 10.3」をレビューしました。そちらに引き続き、7型の「BOOX Go Color 7」も試用できたので、今回レビューします。

 BOOX Go 10.3はとがった製品だと感じましたが、今回のBOOX Go Color 7は前モデル「BOOX Page」からの正当進化で、端的に言えば「カラー化された」のが大きな違いです。品質や使い勝手は大差なく、同じと言ってもよいでしょう。

 カラーの電子ペーパー端末を手にしてみたい方、手持ちの電子ペーパーの世代が古い方、BOOX Go Color 7の品質は間違いないので、このタイミングで手にするのはとても良い選択肢だと感じました。それくらい、電子ペーパー製品は成熟しています。

●基本的には、「カラー化」しただけ

 BOOX Pageは私も愛用しているわけですが、軽くて持ち運びが苦ではないところが気に入っています。先日のレビューの通り、外出時にカバンに忍ばせることが多いです。

→・“自炊派”が7型電子ペーパー端末「BOOX Page」を試す 読書ワークフロー構築のススメ

 どうしてもBOOX Pageと比較してしまうのですが、大きさも重さもほぼ変化なく、基本的にはカラー化された端末だと考えてよいでしょう。つまり、BOOX Pageを所有している場合、このカラー化に価値があるかどうかが購入検討のポイントになります。

●使い勝手向上のポイントもある

 ソフトウェア的にできることも基本的には同じであるため、BOOX Pageのレビューと同じ感想になります。しかし、いくつか使い勝手の向上もありました。

 物理的な一番の違いは、背面がざらついた肌触りになっている点です。BOOX Pageも滑りにくい素材でしたが、BOOX Go Color 7ではさらにオシャレ感が追加された感じです。より滑りにくくなっています。

 地味にスペックアップもしています。メモリは3GB→4GBに、ストレージは32GB→64GBとなりました。このあたりに引っ掛かっていた方は魅力的に映るでしょう。

 その他、ページめくりボタンやmicroSDメモリーカードスロットの搭載、Google Playが使えるといった点は同様です。重さも約195gで同様、本体サイズも同様です。

●さらに完璧な端末を目指すのであれば……

 BOOX Pageと同じ話にはなりますが、スタイラスペンには対応してほしいです。あとはモバイルネットワーク接続への対応でしょうか。Kindleのような他端末と同期が取れるアプリの場合、どこでもネットワークにつなぐことができると便利です。もちろんWi-Fiは搭載しているので、外出時でもスマホにデザリングすればネットワーク通信は可能です。ただ、一手間あるかどうかは大きいです。BOOX自体、SIM搭載モデルはないと思いますので、SIM搭載は望み薄だとは思いますが……。

 あえて他に言うとすると、さらに端末を薄く、軽く、といったところでしょうか。個人的には、バッテリー容量を削って軽量化、はアリだと思います。

 ……と、少しわがままな要望となりましたが、それくらい現在のスペックは満足度が高く、しっかりと実用レベルに値する製品だと感じます。電子ペーパーに興味のある方は、手を出して問題のないタイミングだと思います。

●純正カバーは質感もよいが、やはり悩ましい

 カバーそのものに問題があるわけではありません。しかし、カバーは装着すると重くなるのがやはりネックです。

 カバーは落とした時の防御という意味もありますが、手から滑り落としにくくするという効果もあります。しかし、BOOX Go Color 7は本体そのものが滑りにくいため、わざわざカバーをして使わなくてもと思いました。

 もちろん、カバンの中に入れると画面が傷つくリスクが高いので、何かしらで守りたくなります。ただ私の場合、カバン自体にそうした保護があるものを使っていますので、その点でもカバー必須ではないのです。

 カバーを装着することで機能強化、例えばスタンドになるといった利点があればいいのですが、そうした使い方はできなさそうです。背面を守る必要はないので、昔のiPadの“お風呂のフタ”と言われたような、画面のみを保護するような軽量カバーがいいのかもしれません。

●カラー電子ペーパーのラインアップの中では、安い部類

 円安の影響は大きく、BOOXに限らず全般的にガジェットの価格は上がっています。その中でもBOOX Go Color 7は税込みで4万9800円と、カラー電子ペーパーとしては安めの部類です。

 本体サイズが小さくなると基本的に価格は下がるので、カラー電子ペーパーを体験してみたい方には手に取りやすい価格帯ではないでしょうか。

●大きなグレードアップとなる方には特にオススメ

 BOOX Go 10.3のレビューでも述べましたが、書籍を「多読」するには、いかに手軽に本に触れる環境を作れるかがポイントだと思います。そのために「心地よさ」は非常に大切です。取りあえず手に取れば、読むものです。

 BOOX Go Color 7の手軽さは、文庫本やA5あたりのサイズまでであれば非常にマッチします。さっと手に取り、パッと読む。大量にデータも入れておけるので、快適そのものです。

 特にカラー電子ペーパーに興味のある方、そろそろ電子ペーパー端末を新調したい方、そうした方にとって、非常にオススメな1台です。BOOX Page以前の端末の場合、CPU性能も不足気味なので、BOOX Go Color 7に変えることで快適さが得られるでしょう。

 もちろん、電子ペーパー未経験の方にもオススメです。質の高い電子ペーパーですので、現在の技術水準の体験が得られるでしょう。

 私はGo 10.3に手を出した(予約した)ということもあり、基本的にはカラー化のみであるBOOX Go Color 7への買い換えは踏みとどまっています。また、個人的には7型サイズで読みたいカラー書籍があまりないということもポイントです。読みたいカラー書籍は、雑誌などの大型サイズなものが多いですね。

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