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4TBだけQLCなM.2 SSD「WD Blue SN5000シリーズ」登場

ITmedia PC USER 2024年7月15日 17時5分

 4TBの大容量NVMe M.2 SSD、96GBのDDRメモリキット、16GBのGDDR6メモリを搭載したグラフィックスカードなど、3連休の秋葉原では広い意味で“メモリ”にまつわる新製品が注目を集めた。

●4TBの大容量SSDは「小さいマザーボードで需要増」

 ウエスタンデジタル(Western Digital)から、新型のNVMe M.2 SSD「WD Blue SN5000シリーズ」シリーズが登場した。本シリーズは7月8日から同社の直販サイトで販売が始まっているが、この3連休までに秋葉原の自作PCショップの店頭にも並んだ。実売価格は500GBモデルが1万1000円強、1TBモデルが1万6000円弱、2TBモデルが2万9000円前後、4TBモデルが5万2000円前後となっている。

 本製品はPCI Express 4.0接続に対応しており、独自のキャッシュ技術「cCache 4.0」によって、パフォーマンスを従来モデルから引き上げたことが特徴だ。公称のシーケンシャル(連続)読み出し速度は、500GBモデルが毎秒5000MB、1TB/2TBモデルが毎秒5150MB、4TBモデルが毎秒5500MBだ。

 NAND構造は2TB以下がTLC、4TBモデルのみがQLCだ。4モデル共に、平均故障時間(MTTF)は175万時間で共通する。

 入荷したパソコンSHOPアークは「スペック的には、2022年3月に登場した『WD_BLACK SN770』に近いシリーズです。そこに4TBモデルが加わって、大容量のニーズもカバーするようになったという印象です」と語る。

 PCショップに「NVMe M.2 SSDの“主流”はどのあたりか?」と尋ねると、おおむね「1TBから2TBモデル(が主流)」とのコメントが返ってくることが多い。しかし昨今は、4TBモデルの需要もじわじわと高まっている様子だ。

 パソコンSHOPアークは「ノートPCや超小型ベアボーンなど、M.2スロットの数が限られた環境でよく求められています。Mini-ITXマザーボードも同様です。最近のATXマザーボードなら(M.2スロットが)3本くらいあるので、ブート用以外に「2TB+2TB」という構成も可能ですが、それより少ないと厳しいですからね」という。

 同様のことを「今さらSerial ATA(SATA)接続のドライブを生やすよりも、マザーボードで完結させたい人は多い」と表現するショップもあった。

●RoyalのDDR5メモリ「Trident Z5 Royalシリーズ」に96GBキットとゴールドモデルが追加

 DDR5メモリも、大容量の新製品が話題を集めている。

 6月初旬に登場したG.SKILLの高級シリーズ「Trident Z5 Royalシリーズ」に、複数の追加モデルが加わった。DDR5-8000/DDR5-8400対応の高速モデル、合計96GB(48GBモジュール×2枚)の大容量キットやゴールドモデルなど、選択肢が広がった。

 実売価格は、DDR5-8400対応でゴールドの16GB×2枚キット(F5-8400J4052G24GX2-TR5G)が6万5000円弱、DDR5-6400対応の96GBキット(F5-6400J3239F48GX2-TR5S)が6万8000円強~7万円弱となる。

 入荷したTSUKUMO eX.は「速度もすごいですが、カラーと容量を見て選ばれることが多いかなと思います。ニッチながら指名買いされることが多いシリーズです」と話していた。他にも「どちらかといえば、日本の人より海外の人に熱烈なファンが多いシリーズかもしれません」とのコメントも聞いた。

●16GB GDDR6メモリ搭載で5.3万円以下の「Intel Arc A770」が話題

 グラフィックスカードの新製品でも、“大容量メモリ”がキーになっていた。

 先週、ASRockからIntel Arc Graphics搭載のグラフィックスカード「Intel Arc A770 Challenger SE 16GB OC」「Intel Arc A750 Challenger SE 8GB OC」が登場した。実売価格は前者が5万3000円弱、後者が3万7000円前後だ。

 両製品共にデュアルファンを採用しており、カード長は約267mm、厚みは2.5スロット分だ。GPU補助電源は「8ピン×2基」となる。

 入荷したドスパラ秋葉原本店は「どちらかといえば、A770モデルの方が売れていますね。Intel Arcシリーズ自体、オンライン販売を中心に、購入される方がじわじわ増えている感があります」という。

 他店でも、動画編集向けにArc Graphics搭載グラフィックスカードへの注目度が少しずつ増しているという話をよく聞く。あるショップは「16GBのグラフィックスメモリを備えるカードがこの値段で買えると考えると、相当にお得ですからね」と話していた。

●キオクシアの2TB microSDXCが再入荷 取り扱い店舗も拡大

 大容量のmicroSDXCメモリーカードでは、2月末に登場したキオクシアの「EXCERIA PLUS G2」の2TBモデル(LMPL2M002TG2)の流通が久しぶりに確認できた。

 従来取り扱っていたショップに再入荷された他、新規に取り扱いを始めたショップも見受けられる。登場時の実売価格は6万7000円程度だったが、今回は実売6万円弱で出回っている。

 入荷したパソコンSHOPアークは「容量単価で見ると、他の容量よりまだまだ値が張ります。しかし、『Go Pro』などで4K動画を最高画質で長く撮りたいとなると、やはりできるだけ大容量なmicroSDメモリーカードが必要ですからね。欲しい人はいると思います」と話していた。

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