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Windows 11のフォトアプリ、Microsoft Designer連携を強化/Geminiの「Google Workspace」拡張機能オープンβとして利用可能に

ITmedia PC USER 2024年7月21日 6時5分

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、7月14日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!

●Windows 11のフォトアプリ、Microsoft Designer連携を強化

 米Microsoftは7月17日(現地時間)、Windows 11の「フォト」アプリとAIデザインツール「Microsoft Designer」の連携を強化すると発表した。Windows 11のInsider Preview全てのチャネルで展開を開始する。

 この連携により、フォトアプリにDesignerで編集するためのボタンが追加され、フォトアプリ内で直接Designerを利用して写真の編集ができるようになる。

 AIが画像内のオブジェクトをインテリジェントに検出し、撮影した画像からオブジェクトを消去したり、背景をぼかしたポートレート写真を作成したり、色を強調してクリエイティブな雰囲気を加えたり、自動トリミングで画像の視覚的なインパクトを高めたり、新しいテキストおよびマークアップ機能を試してクリエイティブなアイデアを実現したりできるという。

 なお、この機能はWindowsの表示言語が英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語の場合のみ利用できる。また、実際に利用するにはMicrosoftアカウントでのサインインが必要になる。

●Geminiの「Google Workspace」、拡張機能オープンβで利用可能に

 米Googleは7月16日(現地時間)、Gmail、Google ドライブ、Googleドキュメント向けのGoogle Workspace拡張機能が、Geminiで利用可能になったと発表した。Gemini Business、Enterprise、Education、またはEducation Premiumアドオンを契約しているGoogle Workspaceユーザーが利用できる。

 この機能はデフォルトではオフになっており、管理者が有効化した場合にのみ使える。Google Workspace拡張機能を有効化することで、ユーザーはGmailやドキュメント、ドライブなどのアプリやサービスからの情報をGeminiで直接要約したり、素早く回答を得たり、検索したりできるようになる。

 Google Workspace拡張機能は、ドライブ内のファイルに対するアクセス制御設定を尊重する。ユーザーがアクセスできるのは、自分が所有しているファイルまたは共有されているファイル(共有ドライブ経由で共有されているファイルを除く)に制限される。なお、オープンβ期間中は、デバイスがITポリシーに準拠しているかどうかなど、ユーザーのコンテキストに基づいて、ユーザーがアクセスできるアプリを制御できるコンテキストアウェアアクセス(CAA)はサポートされない。

●Windows 11 バージョン24H2以降、チェックポイント蓄積更新プログラムを導入

 米Microsoftは7月15日(現地時間)、Windows 11 バージョン24H2以降およびWindows Server 2025に「チェックポイント累積更新プログラム」を導入すると発表した。更新プログラムのサイズが小さくなり、時間や帯域、ストレージの容量を節約できるという。時期は2024年後半を予定している。

 Windows 11で毎月配信される品質更新プログラムは、Windows 11の当該バージョンが製品版(RTM:released to manufacturing)がリリースされた時点から累積的に構築されており、最新の月次リリースには、RTM以降にリリースされた全ての修正がバイナリ差分の形で含まれている。

 ユーザーは迷うことなく最新の更新プログラムを適用すればいいという明快さがメリットの反面、RTM以降の全ての修正が含まれるため、パッチファイルのサイズはどうしても大きくなる。

 これに対してチェックポイント累積更新プログラムでは、RTMだけではなく、複数のチェックポイントを生成する。これにより、更新プログラムには前回のチェックポイント以降の差分のみが含まれるので、ファイルサイズを小さくすることができる。

 チェックポイント累積更新プログラムは、Windows Insider Preview ビルド 26120.1252(Devチャネル)でプレビューが開始される。

●OBS Studio 30.2がリリース Twitch Enhanced BroadcastingやHybrid MP4に対応

 OBS Projectは7月13日(現地時間)、ライブ配信ソフト「OBS Studio」の最新バージョン「30.2」をリリースした。

 本バージョンでは、Twitchでは「高度な配信」(Enhanced Broadcasting)とも呼ばれるマルチトラックビデオストリーミングをサポート。また、β版ではあるが、Hybrid MP4出力に対応している。

 マルチトラックビデオストリーミングは、ストリーミング時に、元のストリームとは異なる複数のビデオ品質を作成して配信する機能。例えば1080pでストリーミングする場合、720pや480pのバージョンも同時に作成され、視聴者が環境によって最適な品質を選ぶことができる。

 Twitchではこれまで、トランスコーディングオプションとして特定のパートナー向けに提供していたが、OBS Studio 30.2を利用すれば全ての配信者が同様の機能を利用できる。ただし、サポートされているのはWindows 10または11のみで、NVIDIA GeForce 900シリーズ以降(NVIDIA ドライバー 545.92 以降)、AMD Radeon RX 6000/7000シリーズ以降(AMD Adrenalin 24.4.1 以上)が必要になる。

●Thunderbird 128 Nebulaがリリース

 オープンソースメールソフト「Thunderbird」の約1年ぶりとなるメジャーバージョンアップ「Thunderbird 128 Nebula」がリリースされた。

 Thunderbirdは、2023年7月にリリースされたThunderbird 115で新しいUIを採用した。Thunderbird 128でもこのUIを踏襲、ブラッシュアップされている。Thunderbird 115で追加されたカード・ビューのデザインも改良され、スレッド表示と未読/新規インジケーターやスレッド化されたメッセージの表示を改善、視認性が向上。メールの内容に基づいてカードの高さも自動調整される。フォルダペインでは、フォルダのレンダリングと検索の高速化、複数フォルダの選択など、いくつかの改良がくわえられている。

 また、Windows版では、Thunderbirdのメッセージ通知がOSネイティブに対応した。

●Blender 4.2リリース、大型アップデート

 Blender Foundationは7月16日(現地時間)、3Dモデリングツール「Blender」の最新版となる「Blender 4.2 LTS」をリリースした。LTS(long-term support)版として、今後2年間のサポートが提供される。

 主な変更点としては、レンダリングエンジンEEVEEがゼロベースで書き直され、次世代EEVEEとして生まれ変わった。これにより、グローバル イルミネーション、ディスプレイスメント、より優れたSSS(サブサーフェススキャタリング)、ビューポートモーションブラーなどに対応し、リアルタイムレンダリングの品質が向上している。

 同様に、物理ベースレンダリングエンジンのCyclesも大幅な改善が施された。レイポータル機能や薄膜干渉効果、ボリュームレンダリングの向上、ブルーノイズサンプリングなどにより、より高品質で効率的なレンダリングが可能となっている。

 この他、従来のアドオンとテーマが、エクステンション(拡張機能)として統合され、Blender内からアドオンやテーマをオンラインで共有、インストール、更新が容易に行えるようになった。

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