Infoseek 楽天

MSI「PRO MP161 E2」は2万円ちょいと格安ながら3年保証も付属した15.6型モバイルディスプレイだった 実機を試して分かったこと

ITmedia PC USER 2024年7月25日 12時0分

 エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)の「PRO MP161 E2」は、15.6型のモバイルディスプレイだ。標準スタンドで縦横両置きに対応する他、ネジ穴を用いて三脚などへの固定も可能という、拡張性の高い製品でもある。実機を購入したので、レビューをお届けする。

●縦横どちらの置き方でも使えるスタンドを装備

 まずは基本的な仕様を見ていこう。画面サイズは15.6型で、解像度は1920×1080ピクセルとアスペクト比は16:9だ。IPS液晶を採用しており、画面はノングレア(非光沢)となる。

 応答速度は4ミリ秒、最大リフレッシュレートは60Hz、視野角は水平/垂直ともに170度、最大輝度は250ニト、コントラスト比は800:1とされている。タッチ操作には対応しておらず、昨今のモバイルディスプレイとしてはごく一般的な仕様だ。

 ボディーは段差のないスレート状で、背面中央にスタンドが取り付けられている。このスタンドは畳み方によって長さを変えられる仕組みで、横置きと縦置きのどちらでも利用できる。またスタンドに用意されたネジ穴には市販の三脚などを取り付けられるなど、汎用(はんよう)性は高い。詳しくは後述する。

 ポートはHDMIとUSB Type-C×2という構成で、スピーカーも内蔵している。イヤフォンジャックは非搭載だ。

 重量は、スタンド込みで実測782g(公称値は約750g)だ。付属のスリーブケースとのセットでも925gと大台を割っており、15.6型クラスとしては軽量である。

 付属品はHDMIケーブルとUSB Type-Cケーブルで、それぞれL字型コネクターを採用するなど細かい使い勝手に配慮されている。さらにスリーブケースも付属する。

●パススルー充電にも対応 ネジ穴を用いての設置も可能

 では実際に使ってみよう。ポートは右側面に集中しており、HDMIと2基のUSB Type-Cの端子が並ぶ。USB Type-C端子は機能的には同じなので、どちらを使っても構わない。

 ちなみにOSD操作用のキーも、これらと同じ右側面に配置されているため、左側面はフラットになっている。本体を縦置きにする時は、この左側面を底面にして立てれば、ケーブルもキーも下敷きにならずに済む。

 さらに、2基のUSB Type-C端子を使ってのパススルー充電にも対応する。45Wの充電器を接続して本製品経由でノートPCの充電を試してみたところ、ノートPC側からは39Wの充電器だと認識された。仕様上、入力は15V/3Aが上限とされているので、45Wを超える充電器につないでも、外部デバイスへのパススルー出力はこの39W前後が精一杯ということになりそうだ。

 画質については及第点だが、唯一の弱点は、斜め方向から見ると画面がかなり暗く見えることだ。競合製品と比較してもかなり暗い部類に入るため、複数人で左右から画面をのぞき込むような使い方が多いようであれば、別の製品を当たった方がよいかもしれない。

●縦横両置きにも対応

 そんな本製品の強みは、縦横どちらの設置にも対応しやすいことだ。スタンドはフレキシブルに伸縮および回転させられる上、スリーブケースにもそのまま入れられるため、輸送時に毎回取り外すなどの手間もかからない。用途に応じて縦横の置き方を頻繁に変える人には適した仕様といえる。

 加えて、スタンドに設けられているネジ穴を使っての設置にも対応する。ネジ穴は本体に直接開いているわけではないので、同じくネジ穴を備えた他社製品のように、ねじ込み過ぎて本体を破損しかねないか心配しなくても済む。

 OSDメニューは電源オン/オフを兼ねる決定キーとUP/DOWNキー、2つのボタンで操作する。戻るキーがなく、画面内の「戻る」にフォーカスを合わせて決定キーを押すことで上の階層に移動する特殊なメニューだが、UIとしてのつじつまは合っているため使いづらいわけではない。慣れるまでやや違和感があるというだけだ。

 メインメニューを表示せずにUPキーを押すと音量調整が、DOWNキーを押すと輝度調整が行える。これらは、メインメニューのNaviキーで割り当てを書き換えられるなどカスタマイズ性も高い。

●実売2万円台前半で3年保証付きとコスパは抜群!

 15.6型という画面サイズは、モバイルディスプレイとしてはもっともポピュラーなサイズであり、安価な製品も多数販売されている。しかし機能や品質、さらに保証面ではやや難があるなど当たり外れの大きいゾーンでもある。

 その点、本製品は全体的な品質も高く、一通りの機能がそろっているのはもちろん、L字型ケーブルの標準添付や縦置き対応など使い勝手を重視した細かいこだわりも見られる。それでいて実売価格は2万2500円前後(セールのタイミングでは2万円切りも)と、15.6型としてはリーズナブルで満足感は高い。画面を斜め方向から見ると暗く感じがちなのが、唯一気になるというくらいだ。

 さらにこの価格帯では珍しく、国内3年保証がついているのもメリットに挙げられる。4K表示対応だったりタッチ操作のサポートだったりといった突出した特徴こそないものの、15.6型で実用性の高くコスパに優れたモバイルディスプレイを探しているユーザーは、候補の筆頭に挙げるべき製品といえるだろう。

この記事の関連ニュース