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コントローラーを外せて使い方無限大! 3in1 PCの「ONEXPLAYER X1 mini」ファーストインプレッション

ITmedia PC USER 2024年7月30日 16時45分

 いま、ポータブルゲーミングPC周辺が賑わっている。SHENZHEN GPD TECHNOLOGY、AYANEO、One-NetBookなど中国の新興メーカーだけでなく、eスポーツプレイヤーに人気のメーカー、エムエスアイコンピュータージャパンやASUSTeK、ゲームプラットフォームを運営しているValve CorporationもポータブルゲーミングPCを開発、提供している。

 今回紹介するのは、One-NetBookが開発した「ONEXPLAYER X1 mini」だ。キーボードとゲームコントローラーが接続された姿を見るだけでもユニークなデザインだと分かるが、実際のところどのような魅力があるのか。開封の模様をお届けしよう。

●コントローラーを外して使える3in1

 他の一般的なポータブルゲーミングPCとONEXPLAYER X1 mini(以下、X1 mini)の大きな違いは、Nintendo Switchのようにコントローラーを外せるデザインにある。さらに専用キーボードを接続すれば、ノートPCのようにも使える。ポータブルゲーミングスタイル、タブレットスタイル、ノートスタイルに変化する3in1を実現している。

 詳細は後にして、まずは箱の中身からチェックしていこう。なお、筆者は海外クラウドファンディングサイトのIndiegogoから入手しており、国内正規代理店であるテックワンから購入する場合、多少、パッケージ内容やストレージなどのスペックに違いがあることをご了承いただきたい。

 パッケージにはX1 mini本体の他、コントローラーを取り外した際に端子が露出することを防ぐバンパーディフェンダーとスクリーンフィルム(どちらも装着済み)、100WのACアダプター、充電用のUSB Type-C to Cケーブルが入っている。

 専用カバーキーボードと専用コントローラー、そしてコントローラー収納ケースといったアクセサリー類は、Indiegogoで支援した人向けの特典となる。

 なお、ハイビームで購入する場合は用途に応じてコントローラーやカバーキーボード、外したコントローラーをリモートで使えるようにするコントローラーコネクターを追加購入しよう。ガラスフィルムは予備として購入しておきたい。

●ディスプレイサイズ、SSDなどは?

 X1 miniは、ディスプレイサイズが8.8型、解像度は2K(2560×1600ピクセル)で16:10アスペクト比のLTPS液晶ディスプレイを搭載している。リフレッシュレートは144Hz、明るさは500ニト、sRGB比率は133%、DCI-P3比率は97%の色域を備える。

 本体サイズは実測値として209(幅)×127(奥行き)×19(高さ)mmで、重さは739gだった。公式サイトではお約束の“ポケットに入れる”写真が掲載されており、実際に入ったのだが、この状態で歩くのは難しそうだ。

 CPUはAMD Ryzen 7 8840Uで、モデルによってメモリーとストレージの構成が異なる。筆者が購入したモデルはメモリーが32GB(LPDDR5X)、ストレージが1TB(M.2 2230 PCI-Express 4.0 x4 SSD)だ。バッテリー容量は1万6890mAhで、ゲームなら最大4時間、それ以外の利用であれば最大10時間稼働するという。

 ワイヤレス機能はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2を搭載している。その他、6軸ジャイロスコープ、オーディオブランド「HARMAN」監修の4Ω/2Wのデュアルスピーカーを備える。

 多くのポータブルゲーミングPCがUSB Type-C端子のみを搭載する中、X1 miniにはUSB 3.2 Gen 2のUSB Standard-Aも搭載している。まだまだUSB Standard-Aの機器があることを考えるとうれしい仕様だ。

 その他のインタフェースとして、USB4×2、OCuLink、3.5mmマイク/ヘッドフォン兼用ジャック、microSDメモリーカードスロットを搭載する。また、インカメラはWindows Helloに対応する。

 興味深いのは、SSDを簡単に交換できることだ。背面のキックスタンドの裏側に蓋がついており、開ければM.2 SSDスロットが現れる。512GBから2TBまでのM.2 2230 PCIe 4.0x4に対応し、容量アップを図れる。今回、予算の都合上、容量1TBのモデルを購入したが、たくさんのゲーム、たくさんのファイルを持ち歩きたくなっても大丈夫というわけだ。

 上部にあるボタンは指紋認証センサー内蔵電源ボタン、音量調整ボタン、そして後述する「OneXConsole」を呼び出すTurboボタンだ。

 左右には、コントローラーを取り付ける溝と端子がある。

 コントローラーを装着するときは「Nintendo Switch」のように上からスライドさせるのではなく、少し下がったところに横から押し付けて下へスライドさせる。外す時には後ろにあるボタンを押しながら少し上へとずらす。

 左右ジョイスティック、8方向キー(付属の十字キーへ取り換え可能)、ABXYボタン、左右トリガー(LT、RT)、左右ショルダーボタン(L1、R1)、マクロ機能などを割り当てられる背面カスタムキーなどをコントローラーに搭載している。

 専用カバーキーボードについても見ていこう。こちらはマグネット式ポゴピンで脱着する。Bluetooth接続式ではないので、信号を安定して送信できる上、遅延がない。ゲームをプレイするにはピッタリだ。

 専用カバーキーボードはUS配列だ。17.5mmのキーピッチがあるので、ローマ字入力をするのであればこのセットだけでデスクワークもこなせそうだ。重さは163gと軽い。

●以前の3in1モデルとの違いは?

 ここで、筆者の所有する初代3in1「ONEXPLAYER 2」と比べてみよう。

 ONEXPLAYER 2のCPUはAMD Ryzen 7 6800Uで、メモリーは16GB(LPDDR5)だ。ストレージは1TB(M.2 PCI-Express 3.0x4 SSD)、ディスプレイは8.4型、解像度は2560×1600ピクセルで、350ニト、10点マルチタッチ対応のIPS液晶となっている。バッテリー容量は1万7100mAh、接続はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2だ。

 本体のみを並べてみたところ、それほど大きさに違いはない。

 X1 miniとONEXPLAYER 2では全体的に数ミリ単位しか変わらないのだが、重量は30gほど異なる。

 キックスタンドの傾斜角も異なる。135度まで倒せるX1 miniのほうが、デスクに置いた際に見やすい。

 コントローラーを見ていこう。こちらはカラーリングだけでなく、形状も含め見た目が変化した。

 専用カバーキーボードはポゴピンの位置が変わった。これはX1 miniのUSB Type-C端子を下辺の中央に配置するためなのではないかと予想している。

 また、ONEXPLAYER 2の専用カバーキーボードは光らないが、X1 miniのキーボードは光る。

 とはいえ、最も違いを感じるのはコントローラーでもキーボードでもなく、やはり本体そのものだろう。X1 miniでは指紋認証または顔認証によるWindows Helloに対応した。これまでONEXPLAYER 2では出先だろうといちいちPINコードを入力する必要があり、多少ヒヤヒヤしていたし、面倒だとも感じていた。それが不要になる。

 また、ONEXPLAYER 2でオンラインミーティングをする際に、わざわざWebカメラをつなげる必要があった。仕事部屋ではそれでも良いが、出先でオンラインミーティングが突然始まる場合には、自分だけ画面が真っ黒で少々気まずい思いをしていたので、カメラを搭載してくれて本当にありがたいと思った。

 SSDを追加できるのも地味にうれしい変更だ。ONEXPLAYER 2でも、ネジを使って箱を開ければ変えられるが、それでは保証対象外になってしまう。しかし、X1 miniなら「入れ替えられる」というのが売りなので、キックスタンドの奥にある蓋を開けて増設や換装をしても保証対象から外れることがない。

 SSDを増設した後に生じた不具合であっても、それは正常な使い方の範囲なので、正規代理店のテックワンに連絡すれば迅速なサポートを受けられるだろう。

 次回は、ゲームモードやタブレットモード、またデスクトップモードで使用してみた印象やベンチマークの結果などを紹介する。

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