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SkypeがInsider版で広告を排除/ChatGPTに高度な音声モードを追加

ITmedia PC USER 2024年8月4日 6時5分

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、7月28日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!

●SkypeがInsider版で広告を排除

 米Microsoft傘下のSkypeは7月29日(現地時間)、Skype Insiderにて、「Skype 8.125.76.201」をリリースした。このバージョンでは、SkypeチャネルとSkypeプラットフォーム全体から、全ての広告が削除されるという。

 従来のSkypeでは、画面上の各所に広告が表示されることがあったが、「より合理的で快適な環境を実現するため、ユーザーのフィードバックを優先した」として、広告が全面的に廃止となった。

 これにより、広告に邪魔されることなくチャットに集中でき、Skype体験がよりクリーンで使いやすくなるとしている。

 この他、最新版ではAI画像生成機能が改良され、チャットウィンドウやトップバーから簡単にAI画像生成ツール「Microsoft Designer」へアクセスできるようになる。全ての新機能とバグ修正は数日をかけて徐々に展開される。

●ChatGPTに高度な音声モードを追加

 米OpenAIは7月31日、一部のChatGPT Plusのユーザー向けに高度な音声モードの展開を始めたと明らかにした。より自然でリアルタイムな会話を提供し、ユーザーの感情を感知して反応するという。

 高度な音声モードは、α版という位置付けだ。対象となるユーザーには、手順が記載されたメールとモバイルアプリのメッセージが届く。今後もユーザーを追加し、今秋には全てのサブスクリプションユーザーが利用可能になる。

 なお、GPT-4oの音声機能は100人以上の外部テスターと45カ国語でテストされており、プライバシーを保護するため、4つのプリセット音声のみで話すようにモデルを訓練している。それらの音声と異なる出力をブロックするシステムも構築されているという。この他、暴力的なコンテンツや著作権で保護されたコンテンツのリクエストをブロックする「ガードレール」も導入済みとしている。

●PowerToysのバージョン0.83公開 PCを起動したままにできる「Awake」が強化

 米Microsoftは7月31日(現地時間)、パワーユーザー向けの公式ユーティリティー群「PowerToys」の最新版となるバージョン0.83.0をリリースした。PCを起動したままにしておける機能「Awake」が強化されている。

 Awakeは、PCの電源設定に関係なく、PCを起動したままにしておける機能だ。時間のかかるタスクを実行している場合にPCがスリープ状態になったり、画面がオフになったりすることを防げる。4つの動作モードがあり、今回のアップデートでは動作モードごとにタスクトレイのアイコンが変化するようになった。

 なお、タスクトレイアイコンは、Windows Formsへの依存が削除され、Win32 APIが使用されている。アイコンではタイマーの残り時間が表示されるようになった他、コンテキストメニューがDPIを認識するようになるといった強化も図られている。

●デスクトップ版Chromeにセキュリティアップデート

 米Googleは7月30日(現地時間)、デスクトップ版Chromeの安定チャネルをアップデートした。アップデート後のバージョンは、WindowsおよびMacは「127.0.6533.88/89」、Linuxは「127.0.6533.88」となる。

 本バージョンでは、深刻度「Critical」を含む3つの脆弱(ぜいじゃく)性が修正されている。カッコ内はそれぞれの深刻度だ。

・CVE-2024-6990:Uninitialized Use in Dawn(Critical)

・CVE-2024-6990: Out of bounds read in WebTransport(High)

・CVE-2024-7256: Insufficient data validation in Dawn(High)

 特別な理由がない限り、早急にアップデートすることが推奨される。通常は自動的に更新されるが、Chromeの右上に表示されるメニューから「ヘルプ→Google Chromeについて」を表示することで手動での更新も行える。

●Web版Wordで表編集機能が改善

 米Microsoftは7月26日(現地時間)、Web版Wordの表編集機能を改善したと発表した。現在、一部のユーザーに向けて展開されており、9月から全てのユーザーに一般提供される予定だ。

 多くのユーザーからWeb版Wordの表編集を簡単で直感的にしてほしいとの要望が挙げられており、この要望に応える形でアップデートが行われたという。

 これまでのように右クリックやリボンへアクセスすることなく、1回のクリックで必要な場所に行や列を挿入できるようになる。また、切り取りや貼り付けを行うことなく、既存の行や列をテーブル内の新しい場所に移動することもできる。

●サイバーエージェントが「Llama 3.1」ベースの日本語追加学習LLMを公開

 サイバーエージェントは7月26日、Metaが開発したオープン大規模言語モデル(LLM)「Llama 3.1 70B」をベースに、日本語データで追加学習を行ったLLM「Llama-3.1-70B-Japanese-Instruct-2407」を公開した。

 「Llama 3.1」シリーズは、Metaが7月23日(現地時間)に公開した最新LLMだ。15兆トークンを超えるデータでトレーニングしたとしており、複数のベンチマークで米OpenAIのGPT-4oや米AnthropicのClaude 3.5 Sonnetより優れたパフォーマンスを発揮するという。

 ただし、Llma 3.1は、日本語をサポートしておらず、実際に利用したユーザーからは日本語性能に対して不満の声も挙がっていた。

 サイバーエージェントが公開したLlama-3.1-70B-Japanese-Instruct-2407は、Llma 3.1 70Bをベースに日本語で追加学習を行ったもの。ベースモデルの公開から約2日という驚異的なスピードでの公開となった。同社は「今後もモデル公開や産学連携を通じて国内の自然言語処理技術の発展に貢献してまいります」としている。

 なお、Llama-3.1-70B-Japanese-Instruct-2407はHugging Face上で公開されている。ライセンスはMetaの「Llama 3.1 Community License」に基づいており、商用利用可能だが利用規約などへの同意が必要となる。

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