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Lofreeの「Edge」はハイレベルなキータッチを持ち運べる薄型メカニカルキーボード

ITmedia PC USER 2024年9月2日 12時0分

 エンジニアやライターは、プログラムのコードや文章を入力するために使うキーボードに強いこだわりを持っている方が多くいます。

 一日何千回も、時には数万回超のキーを押していく日々を送っているため、好みのキーの配列やサイズ、キータッチがあって、そこにたどり着くまでいくつものキーボードを乗り換えてきた人も少なくありません。しかも、1台数万円という高級キーボードも珍しくないです。

 一方で、「これを買えば、全員が満足する」という万能キーボードはありません。でも、筆者の知る限り、以下の要素を持つキーボードは長く使い続けていることが多いように感じます。

・バッグに入れて運びやすいコンパクトサイズ

・一般的なメカニカルキーボードで採用されているキーストロークが3.6~4.0mmくらいの(“標準プロファイル”と表現されることもある)

 「ああ、“アレ”ね」と製品の姿が頭に浮かんだ方も多いでしょう。

 ところが近年、“アレ”系のキーボードが苦手というタイプの人類も増えてきたようです。彼らに話をきくと、ノートPC、しかもMacBook育ちということもあって、キーストロークが短いキーが良いそうです。

 今回取り上げる、Lofreeの「Edge」を使ってみて、そんな話を思い出しました。なるほど、ロープロファイルでもキータッチに優れるキーボードを求める市場は熟成していたんだ、と。

●ビジネスシーンともマッチする大人っぽいデザイン

 あらためて、Lofreeの紹介をしましょう。中国・深センのPC周辺機器メーカーの1つで、デザイナーズブランドと言っても良いくらい、凝った外装デザインを採用しているのが特徴です。

 キーボードに関してはロープロファイルのメカニカルスイッチを採用したモデルを多くリリースしています。薄くても快適にタイピングができるモデルが取りそろっています。

 Edgeの価格は(記事執筆時点)、直販価格で4万6200円(税込み、以下同)、キーボード専門ショップの遊舎工房でも4万3890円と、Lofreeのキーボードラインアップで、もっとも高価なハイエンドモデルです。

 英語配列で75%/84キーレイアウトと呼ばれるテンキーレスキーボードとなっています。トップケースにはカーボンファイバーを、背面ケースには半固体鋳造マグネシウム合金を採用しています。硬質な作りで、キーボードの両端を手に持ってひねってもびくともしません。

 しかし重さは約490グラムと軽く、サイズも約318(幅)×154(奥行き)×16.5(高さ)mmとコンパクトです。参考までにM3搭載14インチMacbook Proのサイズは約312.6(幅)×221.2(奥行き) ×15.5(高さ)mmです。

 本体を裏返してみると、マグネシウム合金製のケースパネルが見えてきます。黒いカーボンファイバーのトップケースと、シルバーのマグネシウム合金ケースのコントラストもEdgeらしいルックスを際立たせています。

 キーボード本体の高さは2段階で調節できます。ノートPCのキーボードに慣れ親しんだ方はキックスタンドを収納した平置き状態の方が入力しやすいかもしれません。反面、一般的なメカニカルキーボードに慣れているなら、指と奥側のキーが近づくようにキックスタンドを立てたほうが良いでしょう。

●想像以上に深みのあるキーストローク

 Edgeが採用しているキースイッチは、「Kailh POM Switch 2.0」です。キーストロークは約2.4mm、作動点は約1.3mm、押下圧は約40gとなっています。

 一般的なメカニカルキースイッチの高さは約18.5mm(軸含む)なのに対して、Kailh POM Switch 2.0は約9.8mmです。キーキャップも薄く作られています。その効果によって、見た目よりも深いキーストロークを実現しています。

 実際に触れてみると、これが気持ちいい。キーの中央部を押さなくても、確実にタイプできる軸ブレの少なさに驚きます。メカニカルキーボードとしては当たり前のことなのですが、見た目はメンブレン式キースイッチを使ったロープロファイルキーボードですから、第一印象だけで判断することの愚かしさを実感します。

 またキーストロークも深みを感じるもので心地よい。確かに一般的なメカニカルの高級キーボードと比べたら浅い。けれども作動点と押下圧のバランスが秀逸で、入力したい文字を思考した瞬間に画面にその文字が現れるような、脳と指とキースイッチが直結しているかのような感覚も味わえます。底突きの衝撃も、キータイプ音も少ないというのも、快適なタイピングをもたらす要素となっています。

●カスタマイズの期待につながる付属品

 面白い付属品が多い点も、「Edge」の魅力です。まずは交換用キーキャップ。ご覧のように、カラフルなキーキャップが6つ付属します。

 ESCキーなどをこれらのキーキャップに交換すると差し色となります。渋みのある黒/シルバーの2トーンに映える色がワンポイント入るだけで印象は大きく変わりますし、所有欲も満たされます。

 なおKailh POM Switch 2.0はCherry MXキースイッチ同様に、キーキャップの固定は十字状となっているため、市販の汎用キーキャップも使えます。

 トップパネルの製造のためにくり抜き、余ったカーボンファイバーパネルをさらに分割し、組み立て式のスタンドとして使えるようにしているのも面白いポイントです。Edgeだけではなく、他の機材を収納したり、飾るときに使っても良いでしょう。13型前後のノートPCであれば、立てかけても安定していました。

 1回の充電で最大130時間(バックライトオフ状態)も持つバッテリー容量も頼もしいと思えるポイントです。実用性もハイレベルなのにこの薄さ&軽さで仕上がったことに拍手を送りたい。タイプ感およびポータビリティーに優れた高級キーボードを求めているなら、一度は試しにタイピングする価値がありますね。

(製品協力:Lofree)

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