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5480円で買える最新スマートバンド「Xiaomi Smart Band 9」を試す 価格と豊富なアクセサリーが魅力

ITmedia PC USER 2024年9月3日 12時5分

 コロナ禍で在宅時間が増えたことによる健康意識の高まりから、日本国内でもスマートウォッチの需要が拡大している。2023年こそ2021年の需要急増の反動などで前年比マイナスとなっているが、MM総研によると今後も微増傾向が予想されている。

 国内で大きなシェアを占めるのは、やはりAppleだ。ただ、誰もが「Apple Watch」のような高機能を必要としているわけではない。歩数や心拍、睡眠ログが分かれば十分という人も多いはずだ。

 そうした人をターゲットとしているのか、中国メーカーのXiaomiやHUAWEI、OPPO、Amazfitなどは、1万円を切る低価格なスマートバンドを投入し続けている。その中でもXiaomiの「Smart Band」シリーズは実売6000円を切る価格と、交換バンドなどの豊富なアクセサリーで、他社と大きな差別化が図られている。

 今回は、同社が8月14日に発売した「Xiaomi Smart Band 9」を数日間にわたり使ってみたので、実際の使い勝手などを紹介しよう。

●ディスプレイが明るくなった「Xiaomi Smart Band 9」

 Xiaomi Smart Band 9のディスプレイは1.62型のAMOLED(有機EL)で、解像度は192×490ピクセルとなっている。画面サイズこそ前モデルの「Smart Band 8」から変わってはいないが、画面の明るさが最大600ニトから1200ニトに倍増している。Smart Band 8と並べて比較したわけではないのだが、晴天時の屋外でも画面が見やすくなっていると感じた。

 なお、本体サイズは約46.53(幅)×21.63(奥行き)×10.95(高さ)mmだ。Smart Band 8と比べるとわずかに小さくなっている。本体重量はストラップを除いて約15.8gとなっているが、ストラップ込みでは実測27gとなり、Smart Band 8と変わらない

 ストラップは、前モデルから引き続きクイックリリース機構が採用されており、Smart Bnad 8向けのストラップも装着できる。また、Smart Bnad 9のリリースに合わせて各種アクセサリーも発売されている。この辺りは後述したい。

 物理ボタンはなく、操作は全て画面のタッチとスワイプで行う。終日の心拍モニタリングやストレスモニタリング、150種類以上のスポーツモードへの対応など、基本的な機能は以前から変わってはいないが、ジャイロスコープセンサーや心拍センサーなどがアップグレードされており、ヘルスケアモニタリング性能が向上しているという。

 ただ、この製品に限ったことではないのだが、モニタリング性能が向上して測定値が正確になったといわれても、ユーザーとしては基準になる正確な値が分からないし、正確な値を知りたければ医療機関に行くしかない。スマートウォッチやスマートバンドの測定値は、あくまでも大まかな傾向をつかむための参考程度に考えておくのが無難だろう。

●バッテリー駆動時間は?

 バッテリー駆動時間は最大で21日間と長い。ただし、これはほぼ初期設定の状態での話で、常時表示を有効にすると最大9日間と大幅に短くなる。常時表示を使うかは好みの問題かもしれないが、デフォルトでは手首を返すとディスプレイが表示される「持ち上げてスリープ解除」もオフになっているので、21日間使えるという使い方ができる人は少ないはずだ。

 試した範囲では、常時表示と持ち上げてスリープ解除を常時オン、睡眠モニタリングの高度なモニタリングと夜間呼吸数の計測をオンにした状態で、1日当たり7~10%ほどのバッテリー減少となった。一般的な使い方では、10日前後のバッテリー持ちといったところだ。週に1回充電すればいいと考えると、十分に長いバッテリー持ちといえる。

●豊富なアクセサリー

 Xiaomi Smart Band 9には、豊富なアクセサリーが用意されていることも魅力の1つとなっている。交換用のストラップはもちろんのこと、ランニングクリップ(1280円)を使えば、靴に着けてケイデンスやストライドなど、13種類のデータをトラッキング可能になる。

 また、Xiaomi Smart Band 9をペンダントとして利用できるようになるアクセサリー「スマートバンドペンダント」(3280円)も用意されている。心拍測定などの多くの機能が利用できなくなるが、歩数はカウントできる。歩数だけならスマートフォンを持ち歩けば済む話だが、スマートフォンは机上に置きっぱなしにしてしまう、あるいは仕事中はロッカーに入れているという場合もあるだろう。

 ペンダント形状であれば、時計を着けられない職場や、日常的に時計を身に着けていたくないという人でも使いやすそうだ。もちろん、デザインを変更できるアクセサリーとしても魅力的だ。

●初期設定が不親切

 実際に使用した感想だが、ストラップの付け心地もよく、非常に軽いので、常時身に着けていても邪魔にならない。時計やスマートウォッチの類は、キーボード操作をするときには邪魔なので外してしまうという人もいるが、これなら問題はないはずだ。

 ディスプレイの輝度が上がったことで屋外での視認性も良好だ。写真だと暗く写ってしまっているが、直射日光下でも問題なく視認できる。

 ただし、いくつか不満もある。先にも少し書いたが、デフォルトのままでは常時表示や持ち上げてスリープ解除はオフになっている。睡眠ログの高度なモニタリング、呼吸数もオフだ。ついでに言うと、血中酸素レベルとストレスの終日トラッキング、立ち上がることのリマインド、ワークアウトの自動検出など、多くの機能がデフォルトではオフになっている。

 いずれもバッテリー持ちに直結する内容なので、これらを必要としている人は個別に有効にして欲しいという考えなのかもしれないが、正直かなり面倒だし、そもそも、どんな項目があるのかも把握しきれない。

 せめて、初回セットアップ時にどれを有効にするか、まとめて設定できるようにするなどの機能が欲しいところだ。

 初期設定以外の部分では、個人的にはワークアウトの終了方法が面倒に感じる。物理ボタンがないため、ワークアウトの終了は画面のスワイプで終了画面を表示させた後に、終了ボタンを長押しする必要がある。

 この一連の操作、特に最後の長押しが疲れた状態では非常に面倒だ。そういうものだと慣れてしまえば気にならないのかもしれないが、短押しでも終了できる設定が欲しかった。

 Xiaomi Smart Band 9は、コストパフォーマンスの高さが魅力の製品だ。高輝度ディスプレイ、長いバッテリー寿命を備えながら、5480円という価格設定は非常に競争力がある。初期設定の不便さや一部の操作性に改善の余地はあるものの、これらは使用していく中で慣れていく部分でもある。

 アクセサリーが豊富なのも魅力だ。ストラップは簡単に交換できるので、その日の気分や服装に応じて、ストラップを使い分けるといった楽しみ方もできる。

 健康管理に興味はあるが、高価なスマートウォッチには手が出ないという人や、シンプルで軽量なデバイスを求めている人にとって、Xiaomi Smart Band 9は十分に検討に値する選択肢となるだろう。

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