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アスペクト比16:10でパススルー充電にも対応! グリーンハウスの14型モバイルディスプレイ「GH-LCU14A-SV」を試す

ITmedia PC USER 2024年9月3日 16時0分

 グリーンハウスの「GH-LCU14A-SV」は、14型のモバイルディスプレイだ。コンパクトかつ軽量なボディーを採用する他、フックに掛けられるなど、独自のギミックを有していることが特徴となる。メーカーから機材を借用したので、レビューをお届けする。

●画面サイズは14型 アスペクト比16:10で天地に余裕あり

 まずは、基本的な仕様をざっと押さえておこう。画面サイズは14型で、解像度は1920×1200ピクセルと、一般的なアスペクト比16:9のディスプレイよりも縦方向に長い、16:10のアスペクト比が特徴だ。液晶はIPSで、パネルはノングレア(非光沢)となる。

 視野角は上下/左右ともに178度で、コントラスト比は1200:1、輝度は250ニト、応答速度はGrey to Grey時で20ms、タッチ操作には非対応だ。このあたりは昨今のモバイルディスプレイと比べて、際立った特徴というのはない。

 ボディーは背面にスタンドが一体化しているタイプで、無段階で角度の調整が行え、スタンドを180度開き、フックに掛けることもできるなど自由度は高い。厚さ(最厚部)は約12mmで、同社は薄型であることをアピールしているが、むしろ、どちらかというと実測5.5mmというボディー上半分の薄さをアピールすべきだろう。

 接続方式はUSB Type-CもしくはHDMIで、HDMIはこの手の製品には珍しくフルサイズのポートを搭載している。さらにイヤフォンジャックを装備しスピーカーも内蔵するなど、音声出力には強みを持つ。

 重量は公称値で約650g、実測は656gだった。14型でスタンド込みの重量であることを考えると、かなり軽量な部類に入る。実際に本体を手に持った時も、下部はそこそこの厚みがあるにも関わらず、かなり軽いので驚かされる。

 付属品はUSB Type-Cケーブルが2本と、HDMIケーブル、給電に使うUSB Standard-A→USB Type-Cケーブルという構成だ。USB Type-Cケーブルのうち1本はL字型コネクター仕様と、使い勝手に配慮した仕様が目を引く。また、付属の持ち運び用のポーチはネオプレイン製で、耐衝撃性は高い。

 余談だが、昨今のモバイルディスプレイはそのほとんどがブラックカラーである中、本製品は側面および背面がシルバーであることも特徴だ。モバイルディスプレイ選びで色が決め手になることはあまりないかもしれないが、もしPC本体との組み合わせでシルバーが望ましいということであれば、本製品は有力な候補になるだろう。

●接続はUSB Type-CもしくはHDMI パススルー充電にも対応

 では実際に使ってみよう。USB Type-CポートおよびHDMIポートは本体の左側面に配置されている。USB Type-Cポートは2基あるが、機能的な相違はないので、ケーブルはどちらに接続しても構わない。

 実際に試して気になったのは、画面がそれほど明るくなく、斜め方向から見ても暗くなりやすいことだ。本製品はUSB Type-C接続時は明るさが30%に制限されるが、100%まで上げてもまだ暗い。色合いについてはアンバーが強めに感じるため、必要に応じて調整するとよいだろう。

 他にも、2基のUSB Type-Cポートを用いたパススルー充電にも対応している。試しに本製品に最大67WのUSB PD(Power Delivery)充電器を接続し、本製品からノートPCへの充電を試みたところ、ノートPC側では49Wの充電器に接続されていると認識された。本製品経由で対応するのは最大47Wとされているので、誤差の範囲内とみてよいだろう。

 いずれにせよ、USB Type-Cポートが少ないノートPCで充電しながら本製品を利用できるのは重宝する。ただし、同様の機能を持ったモバイルディスプレイのほとんどが、USB Type-Cポートは本体の左と右に1ポートずつ配置されているのに対し、本製品は2基のUSB Type-Cポートがどちらも左側面にあるため、パススルー充電時の配置にはやや工夫が必要だ。

 OSDメニュー操作用のボタンは本体右側面に配置されている。項目を移動するための操作ボタン(上/下)と、選択ボタンをかねた電源ボタンの計3つでの操作となり、「戻る」ボタンは省略されている。項目を一つ戻るためには電源ボタンを長押しする仕組みで、メニュー内に「戻る」という項目を設けてそれを選択する方式よりははるかに直感的に使える。

 この他、インメニューを表示せずに操作ボタンの上を押すと明るさを、下を押すと音量調整のショートカットメニューが表示される。このあたりは一般的な操作体系ということもあり、実際に使っていても違和感はない。レスポンスもよく、動作がきびきびとしているのは好印象だ。

●実売価格2万円台とリーズナブル

 以上のように、アスペクト比16:10で天地に余裕があり、パススルー充電に対応、さらにOSDメニューもこなれていて使いやすく、完成度は全体的に高い。スタンドを180度展開させることでフック掛けができるのも、競合モデルにないギミックとなる。前述したように画面がやや暗く感じるのが、やや気になるくらいだ。

 唯一気をつけたいのが、縦置きが一切考慮されていないことだ。スタンドが横向きにしか対応しないのは仕方がないとしても、三脚に固定できるネジ穴やVESAマウントもなく、仮に強引に縦置きしたとしても、ポートもしくはボタンが下敷きになってしまうので、利用は実質的に横置きに限定される。この点は頭に入れておくべきだろう。

 実売価格は2万円台ちょっとと非常にリーズナブルで、価格面での優位性もある。14型クラスで使い勝手に優れ、パススルー充電などの付加価値も求めるユーザーにお勧めできる製品だ。

(製品協力:グリーンハウス)

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