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Qualcommが「Snapdragon X Plus 8-core」を発表 お手頃価格のCopilot+ PC登場に期待

ITmedia PC USER 2024年9月4日 20時5分

 Microsoftの「Copilot+ PC」として利用できるSoCとして、現時点で唯一の選択肢となっているのがQualcommの「Snapdragon X」シリーズだ。そんな同社が9月4日(ドイツ時間)、新製品の「Snapdragon X Plus 8-core」を発表した。

 特に最廉価グレードはCPUが8コア、GPUが1.7TFLOPSと、Snapdragon Xシリーズのローエンド向けの製品として、低価格帯をカバーする位置付けの製品となる。

 Qualcommによれば既に製品の提供は始まっており、Acer、ASUSTeK Computer(ASUS)、Dell Technologies、HP、Lenovo、Samsung ElectronicsなどのPCメーカーから、Snapdragon X Plus 8-coreを搭載したPCが登場する計画だ。一部モデルは9月4日から注文が可能になるという。

●これまでのCopilot+ PCは“高かった”

 Microsoftが、本社のある米国ワシントン州レッドモンドでCopilot+ PCを発表したのは5月20日のことだ。同社はCopilot+ PCに「40TOPSのNPUを内蔵している」といった要件を定め、そのスペックを満たしたPCだけにCopilot+ PCのブランドを冠せられる仕組みにしている。

 一方で、Copilot+ PCが発表された当初は40TOPS以上のパフォーマンスを発揮するNPU搭載のSoCがQualcommのSnapdragon Xシリーズに限られていた。

 さらにSnapdragon Xシリーズを搭載した多くの製品が、10万円台後半~20万円を超えるハイエンドな価格帯の製品となっている。というのも、Snapdragon Xシリーズ自体がハイエンド向けの価格帯に向けた製品となっているためだ。

 例えば「Snapdragon X Elite」ブランドの4製品は、CPUとGPUがいずれもフルスペックになっている。下位にあたる「Snapdragon X Plus」ブランドの1製品(Snapdragon X Plus 10-core)は、CPUとGPUの性能が抑えられているとはいえ、いずれもハイエンド向けの価格設定になっている。よってこれらを搭載した製品は、やや高めの価格設定になってしまっている。

●CPUとGPUのスペックを押さえたSnapdragon X Plus 8-coreにより普及価格帯のCopilot+ PCが実現

 今回発表されたSnapdragon X Plus 8-coreの2つのグレード(X1P-46-100、X1P-42-100)は、そうしたSnapdragon Xシリーズの中でもローエンド向けの製品として、より普及価格帯のノートPCに採用されることを狙ったものだ。

 さらに既存のSnapdragon X Plus 10-coreについても、新しいグレード(X1P-66-100)が追加され、Snapdragon X Plusは計3つの製品グレードを用意されることになる。これによって、より多くの価格帯の製品にSnapdragon Xシリーズを採用することが可能になる。

 最廉価のグレードになるSnapdragon X Plus(X1P-42-100)は、CPUコアが上位モデルの12コアから4コア削減された8コア構成になっており、GPUも上位モデルが4.6TFLOPSであるのに対し、1.7TFLOPSと低めに抑えられている。

 そうした構成にすることで低価格で提供することが可能になり、引いてはそれがノートPCの価格を抑えることにつながる。NPUの性能については、今回発表された廉価版でも引き続き45TOPSになっているため、Copilot+ PCの要件(40TOPS)は満たしているというわけだ。

 今回のSnapdragon X Plus 8-core投入により、Snapdragon Xシリーズの製品構成は以下のようになる。

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