Infoseek 楽天

日本は「テクノロジー×高速回線」がある有望な市場――eeroがライバルの多い日本でメッシュWi-Fiを投入する理由

ITmedia PC USER 2024年9月18日 17時35分

 既報の通り、アマゾンジャパンは9月18日、eero(イーロ)製のメッシュWi-Fiシステムを販売することを発表した。

 本件に合わせて、eeroのニック・ウィーバー氏(共同創業者兼CEO)が来日し、日本のメディアに同社の概要と、新製品を日本に投入する目的を語った。

●快適なメッシュWi-Fiシステムを簡単に

 eeroは「超高速で信頼性が高く、安全な接続」なメッシュWi-Fiシステムを実現するために生まれた企業だ。ウィーバー氏は「Webブラウジングはもちろん、リモートワーク、オンライン学習、ビデオ会議、動画の視聴など、あらゆる局面で“真に信頼できるWi-Fi”を提供することを目指してきた」と語る。

 そんな同社は、2014年に米カリフォルニア州サンフランシスコのアパートで生まれた。ウィーバー氏を含む3人の共同創業者と1人の従業員、そして1人のインターンで始まったという。

 創業から約2年たった2016年、同社は独自のメッシュWi-Fiシステム「TrueMesh」を搭載する始めての製品を世に送り出した。3年後の2019年、同社はAmazon.comに買収され、それを機に海外展開を本格化した。

 現在では25カ国に進出しているが、新たな進出先では必ず24時間/365日のサポート体制を構築しているといい、日本ではアマゾンジャパンがその任を担うことになる。

 eeroのTrueMeshテクノロジーは、メッシュネットワーク全体でWi-Fi機器がシームレスにつながり、快適に使えることを重視している。さらにアプリを使えば、外出先からでも簡単に設定を行えることも強みだという。ネットワークスピードの低下など問題が発生した場合は、アプリが改善のヒントを与えてくれる。

●eeroはなぜ日本を目指したのか?

 アジア太平洋地域において、eero製品はオーストラリア、ニュージーランド、アラブ首長国連邦(UAE)とシンガポールで販売されてきた。日本は同地域では5番目、東アジア地域に絞ると初の販売国となる。

 複数のネットワーク機器メーカーの人と話をすると、特に外資系メーカーからは「日本には有力な地場(国内)企業が複数ある」ことが話題になることが多い。この点については、メッシュWi-Fiシステムを含む無線LAN機器もご多分に漏れない。ある意味で、海外よりも競争の激しい市場環境ともいえる。

 そんな日本市場に、eeroがあえて“飛び込む”のはなぜなのか――ウィーバー氏はこう語る。

 日本はテクノロジーにおいて先端を行く国です。しかも、国土の広い範囲で高速なインターネット回線(光回線やCATV回線など)を利用できます。私たち(eero)のデバイスで得られる体験を、最大限発揮しやすい環境といえます。 なぜ今なのか――本当は5年前に進出したかったくらいのですが、もろもろの準備が整ったのがこのタイミング、ということです。競合が多い環境ではありますが、私たちには顧客の声を聞き、製品をより良いものにしていくという観点で強みがあります。日本のように高品質なものを好む人が多い市場でも、(eero製品は)十分に応えられる品質も備えています。

 海外では、高速インターネット回線を利用できる地域が限られる国も珍しくない。その点、日本では離島や山間部でも高速インターネット回線が整備されている事例も多い。ウィーバー氏の言う通り、Wi-Fiルーターが活躍しやすい環境にあることは事実だ。

 当初はAmazon.co.jp限定販売となるeeroのメッシュWi-Fiシステムは、ウィーバー氏の狙い通りに日本のユーザーに受け入れられるのだろうか。注目したい。

この記事の関連ニュース