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Core UltraとGeForce RTX 4060搭載ノートPCで27万円切り! マウスの「DAIV S4-I7G60SR-C」を試す

ITmedia PC USER 2024年9月30日 18時0分

 マウスコンピューターの「DAIV S4-I7G60SR-C」は、同社のクリエイター向けブランド「DAIV」シリーズに属する14型のクリエイター向けノートPCだ。

 14型のコンパクトなフォームファクターにCore Ultra 7 155HとNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU、さらにキャリブレーション済みのsRGB液晶ディスプレイを搭載しており、本格的なクリエイティブワークに対応できる装備と可搬性を両立させている。

 実機を入手したので、内容をしっかりと見ていこう。

●扱いやすい省スペースボディーを採用

 ボディーは明るいシルバーカラーを採用する。サンドブラスト風の仕上げで、ほどよく洗練された外観に仕上がっており、すべすべとした手触りで手の脂などが付きにくいのも好印象だ。

 画面サイズが14型のため、比較的コンパクトで扱いやすいのも特徴に挙げられる。外部GPUを搭載している関係で14型の割には約1.76kgと重量はあるが、可搬性は十分にある。ボディーの剛性もしっかり確保されているので、ロケ撮影などで外に持ち出す際にも不安はない。省スペースなのでスタジオなどでも場所をとらずに使えるのはメリットだろう。

 なお、突起物を除くボディーサイズは、約317(幅)×240(奥行き)×19.93(厚さ)mm、重量は約1.76kgだ(いずれも公称値)。

●大容量バッテリーを搭載しUSB PDにも対応

 バッテリー容量は約80Wh(評価機のバッテリーレポート調べ)と大容量で、公称のバッテリー駆動時間は約10.5時間(JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0)だ。右側面のUSB Type-C(Thunderbolt 4対応)はUSB PD(Power Delivery)に対応しており、USB PD対応機器による柔軟な運用も可能だ。

 同社独自のUSB PD対応の出力100Wアダプターも用意されており、BTOのカスタマイズ画面で同時にオーダーができる。

●CPUはNPU統合のCore Ultra(シリーズ1)を搭載

 CPUにはIntelのCore Ultra 7 155Hを搭載する。開発コード名「Meteor Lake」で知られるCore Ultraシリーズの中でも定番的な存在だ。

 このCore Ultraは、従来のIntelプロセッサと異なり、Compute/Graphics/SoC/IOと4種類のダイをタイルとして組み合わせて1つのCPUパッケージとするタイルアーキテクチャを採用している。

 メインとなるComputeタイルには、従来同様に性能優先のPコアと電力効率優先のEコアを実装するが、SoCタイルには省電力優先のLP Eコアを統合しており、3種類のコアを最適に使い分ける。

 本製品が搭載するCore Ultra 7 155Hでは、Pコアが6基(12スレッド)、Eコアが8基、LP Eコア2基、合計で16コア22スレッドという仕様だ。パワフルなクリエイティブパフォーマンスと電力効率の高さを両立する。

●NPU対応のWindows スタジオ エフェクトも利用可能

 本機が採用するCore Ultra 7 155HのSoCタイルには、AI処理用のNPUコアが統合されており、AI推論処理をCPUやGPUからオフロードして処理可能だ。

 このNPUを活用した機能にはOS標準のカメラ機能「Windows スタジオ エフェクト」があり、被写体を検知してフレーミングを調整する「オートリフレーム」やリアルタイムにカメラ目線に調整する「アイコンタクト」など、高度なカメラ効果が利用できるようになっている。

●外付けGPUのGeForce RTX 4060 Laptop GPUを搭載

 GPUとしては、クリエイターPCの定番であるNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU(グラフィックスメモリは8GB)を備える。WQHD(2560×1440ピクセル)解像度で高画質のゲームプレイができる描画性能とAI処理性能、主要コーデックに対応したハードウェアデコーダー/エンコーダーも統合しており、ゲーム用途だけでなくクリエイティブ用途でも恩恵は大きい。

●メモリとストレージはBTOでカスタム可能

 メモリはDDR5-4800(PC5-38400S対応SO-DIMM)、ストレージはPCI Express 4.0 x4インタフェースのSSDを搭載する。標準の容量はメモリが16GB(8GB×2)、SSDが500GBと、クリエイター向けPCとしてはもう一声ではあるが、BTOでカスタマイズできる

 BTOでメモリは最大64GB(32GB×2)まで、ストレージ容量は最大2TBまで選べ、高速なSSD(Samsung PM9A1)を指定することも可能だ。

 適切なメモリとストレージ容量は用途や使い方で変わってくるだけに、このようにBTOで選べるのはありがたい。

●出荷前にカラーキャリブレーション済みの液晶ディスプレイを搭載

 14型の液晶ディスプレイは、2880×1800ピクセル表示(アスペクト比16:10)に対応する。パネル表面は外光や照明が映り込みにくいノングレア仕様だ。

 色域は、インターネットコンテンツの基準であるsRGBの色域を100%カバーしており、色を扱う処理での必要条件を満たしている。

 さらに、工場出荷前にはカラーサイエンス大手X-Riteの専用ソフトウェアとセンサーを用いたキャリブレーションを実施しており、sRGBの色空間上で、ΔE値が2未満の色差を満たす高い色再現性を備える。

 いわゆる「正しい色」を表現できる状態で出荷されているので、安心してクリエイティブワークに生かせる。

●新しいキーレイアウトを採用 Thunderbolt 4も装備

 キーボードはテンキーを省いており、カーソルキーが上下/左右とも大きく確保された新しいレイアウトを採用している。タイムラインの移動などでカーソルキーを多用する使い方でも使いやすくなった。

 通信機能としては、1000BASE-T対応の有線LAN、Wi-Fi 6E対応の無線LANとBluetooth 5を標準装備する。

 USBは、USB Type-CとUSB Standard-Aを2基ずつ装備している。右側面のUSB Type-C端子はThunderbolt 4に対応し、最大40Gbpsのデータ転送、ディスプレイ出力(DisplayPort Alternate Mode対応)、PCへの給電(USB PD)と多用途に利用できる。

 クリエイティブ分野では、Thunderbolt接続の高速ストレージやビデオキャプチャデバイスが普及しており、Thunderbolt 4(またはThunderbolt 3)の搭載を必須条件と考えるユーザーも少なくないだけに、Thunderbolt 4の標準装備は強みの1つだ。

 液晶ディスプレイ上部に約200万画素のWebカメラと顔認証用カメラ、デュアルアレイマイクを内蔵している。前述したように、NPUを活用した高度なカメラ効果のWindows スタジオ エフェクトも利用可能だ。

●高いレベルのクリエイティブパフォーマンスを実証

 ここからは、ベンチマークテストの結果を見よう。Mouse Control Centerで選べる動作モードは、特に言及がない限り最高性能の「パフォーマンス」に設定している。

 CINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のスコアは、CPUが827pts、CPU(シングルコア)が105pts、GPUが9873ptsだった。Core Ultra 7 155H、およびNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU搭載機(最大グラフィックスパワーは100W)として期待されるスコアはしっかり出ている。

 ゲーム向けの3D描画性能のテストである3DMarkのスコアも優秀だ。Steel Nomad/Steel Nomad Light共にGeForce RTX 4060 Laptop GPU(グラフィックスメモリ8GB)搭載機の平均スコアを上回っている。Premiere Proでのモーショングラフィックスのレンダリング、エンコード性能も高速で、高レベルのクリエイティブパフォーマンスを備えていることが分かる。

 なお、高負荷時の動作音は、パフォーマンスモードでは少し大きめだ。コンパクトなフォームファクターでしっかり性能を出しているため、仕方がないところだろう。動作音を抑えるバランスモードや静音モードも用意されているので、うまく使い分けると良いだろう。

●プロユースからカジュアルユースまでカバーする持ち運べるノートPC

 DAIV S4-I7G60SR-Cは、14型のコンパクトなボディーながらパワフルなCPUとGPUを搭載している。キャリブレーション済みの画面やThunderbolt 4端子も採用しており、クリエイティブのプロユースでも使える専門性を備えているのが魅力だ。

 14型で約1.76kgのボディーは電車通勤を想定するなら少し重いが、可搬性は十分にある。ロケ撮影やスタジオ撮影の現場では、14型ならではの取り回しやすさ、扱いやすさは重宝するだろう。一般的な用途に使うPCとしても使いやすい内容なので、プロだけでなく、汎用(はんよう)的なPCからクリエイティブ適性の高いPCへステップアップしたい人、クリエイティブ用途で使いつつ、ゲームや学習などにも幅広く使いたい人にも向いている。

 標準構成の直販価格は26万9800円だ。メモリを32GBに、SSDを1TBにするとちょうど30万円になる。可搬性の高さや色再現性の高い画面を搭載していることを考えると理解できる価格だろう。また、10月9日午前10時59分まではオータムセールも開催中で、本機を5000円オフで購入可能なのも見逃せない。標準で3年保証が付帯している点も魅力的で、クリエイティブ用途で安心して使えるノートPCを探しているならば、検討に値する製品だろう。

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