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容積6L以下の「MEGAMINI G1」! 水冷でセクシーなビジュアルも魅力な小型ゲーミングデスクトップPCを試す

ITmedia PC USER 2024年10月1日 16時30分

 「MEGAMINI G1」は、ミニPCを多数そろえるGEEKOMと、新興国でスマートフォンなどを中心に勢力を伸ばすTECNO Mobileが共同開発した水冷システム搭載の小型ゲーミングデスクトップPCだ。現在、クラウドファンディングサイトのMakuakeでプロジェクトが始まっている。

 容積約6Lのコンパクトなボディーに、Intelの第13世代Coreプロセッサ(Hシリーズ)、NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPUを搭載する。水冷システムをフィーチャーし、3面ガラスとRGB LEDイルミネーションで彩ったセクシーなビジュアルにも注目だ。実機を入手したのでレビューしていこう。

●3面がウィンドウで内部を見られるインパクト抜群のメタルボディー

 ボディーは、コンパクトな正四角柱スタイルが新鮮だ。サイズは約150(幅)×150(奥行き)×255(高さ)mm、容積にして約5.74L(公称値は6L以下)だ。電源は内蔵しておらず、出力330WのACアダプターで駆動する。

 ビジュアルのインパクトも抜群だ。前面と両側面に大きな窓を設けて大口径ファンと水冷チューブを含めた水冷システムを“見せる”とともに、窓の周囲とファンをRGB LEDでカラフルにライトアップしてくれる。

 さらに前面上部にはシステムステータスを表示するディスプレイも装備しており、ゲーミングPCらしい近未来的な世界観を演出している。

 ただし、発光カラーやディスプレイ表示内容のカスタマイズができるユーティリティーなどは導入されていない。

●独自の水冷システムを搭載

 見た目のインパクトに加え、本機ではGEEKOM独自の水冷システムを採用する。最大流量が2.0LPM(毎分2.0L)、冷却液容量が360ml、冷却液の循環頻度が最大毎分8回、冷却ファンは120mm角で最大風量は106CFM(毎分106立方フィート)というスペックが公表されている。

 Windows上からファンの動作モードをカスタマイズするユーティリティーなどは導入されていないが、UEFIセットアップには3種類のモードが用意されており、ファンの回転速度とパフォーマンスのバランスを選ぶことができる。

●PCゲームをストレスなく楽しめるハイスペックを装備

 ゲーミング体験を左右するグラフィックス機能には、NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU(グラフィックスメモリは8GB)を内蔵する。ゲーミングノートPCで定番的な構成であり、フルHD~2.5K解像度で快適にメジャータイトルがプレイできる内容だ。

 CPUはモバイル向けの第13世代CoreプロセッサのHシリーズを採用しており、Core i9-13900H(14コア20スレッド)とCore i7-13620H(10コア16スレッド)の選択肢がある。

 メモリはデュアルチャンネルのDDR5を搭載し、容量は32GB(16GB×2)、最大で64GB(32GB×2)の構成まで対応している。ストレージは、PCI Express 4.0 x4対応のM.2 SSDを備え、こちらも容量は1TBまたは2TBの構成がある。

 なお、メモリソケットとストレージ用のM.2ソケットには、底面のカバーを外して比較的簡単にアクセスできる構造になっている。

●高速かつ充実のインタフェースを用意

 通信機能については、2.5GBASE-T対応の有線LANを始め、Wi-Fi 6E対応の無線LAN、Bluetooth 5.2を標準で装備する。

 本体装備の端子類も充実している。USB Type-C端子が2基あり、うち1基はThunderbolt 4(40Gbps)対応で、もう1基はUSB 3.2 Gen 2(10GGbps/画面出力対応)だ。また、USB Standard-A端子は、USB 3.2 Gen 2(10Gbps)対応が5基、USB 2.0対応が1基と、合計6基を装備している。

 画面出力は2基のUSB Type-C端子に加えて、2基のHDMI 2.0端子も備えている。

 珍しいところでは、「OCuLink(PCIe 4.0x4)」も装備する。外部GPUボックスの接続を意識したPCIeベースの高速端子だが、本製品の場合は本体にNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPUを内蔵しているため、出番はあまりないかもしれない。

 左側面にはSDメモリーカードスロットも備える。対応仕様については記載がないが、筆者の手持ちのSDXC(UHS-II)カードは、本来の性能で利用することができた。

●高いパフォーマンスを実証

 ベンチマークテストの結果を掲載する。特に言及がない限り、UEFIセットアップで設定できる動作モードは「Performance」、Windows 11 Proの電源設定は「最適なパフォーマンス」で統一している。

 CINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のスコアは、GPU/CPU/CPU(シングルコア)、全ての項目でASUS JAPANの小型デスクトップPC「ROG NUC」(Core Ultra 7 155H搭載)を上回る。Core i9-13900H搭載機としても高い水準で、放熱性能の高さが伺える。3DMarkのスコアでもNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPU搭載機として水準以上のスコアをマークしており、パフォーマンスは申し分ない。

 ただ、動作音については意外な面がある。高負荷時にファンの回転が上がるだけでなく、アイドル時もポンプの動作音があるため、動作していることがはっきり分かる程度の音はする。評価機では、UEFIセットアップでモードを変更してもあまり変わらなかった。水冷システムということで高度な静音性を期待するのは禁物だろう。

 なお、評価機はあくまでも試作機であり、テスト結果は、9月末時点でのものだ。GEEKOMでは今後も実際の発売まで改良を重ねていくとしている。

●インパクト抜群のゲーミングデスクトップPC

 今回レビューした構成の価格は、一般販売予定価格が29万5000円となっている。Makuakeでの出資価格は20%オフの「超早割」(20名)が既に終了しているものの、原稿執筆時点で15%オフの「早割」(150名)と10%オフの「一般割」(80名)を選べ、15%オフなら24万9900円/10%オフなら26万9900円で支援できる。メモリ32GB/2TB SSDを搭載することを考えれば、コストパフォーマンスは悪くないといえるだろう。

 さらに本機のCPUをCore i7-13620H、メモリは32GB/1TB SSDとした下位モデルなら、15%オフで22万9900円/10%オフで23万9900円となっているので、予算に応じて選びたい。

 RGB LEDイルミネーションの発光パターンが固定であることや、ファンの動作モードをWindows上から変更できないなど、大手ブランドのゲーミングPCと比べるとやや詰めの甘さは感じるものの、ハードウェアのクオリティーは高く、底面から容易にメモリソケットやM.2ソケットにアクセスできる構造の採用と、これまでにないインパクトのあるビジュルは大きな付加価値と言える。このビジュアルが気に入った方ならば、購入を検討する価値が十分あるだろう。

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