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大規模アップデート! 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」に追加された新機能は?

ITmedia PC USER 2024年10月2日 18時26分

 Microsoftは10月1日(米国時間)、Windows 11の大型アップデートとして「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の配信を始めた。Wi-Fi 7への対応や新しい省エネ機能、Copilot+ PC向けの新機能などが多数追加される。本記事では、それぞれの新機能を解説する。

 (なお、各機能の名称については英語名を単純に日本語訳したものであり、日本語版Windows 11における正式名称と異なる場合がある)

●Copilot+ PC専用の機能

 Copilot+ PCは、AI処理に特化した専用のハードウェアとして「NPU」を搭載している。以下で紹介する24H2の新機能の多くは、それぞれがNPUでローカル処理できるようになったのが特徴だ。

ライブキャプション

 Windows上で流れる音声を自動文字起こしするライブキャプション機能にて、ネット接続不要で翻訳機能が使える。

ペイントのコクリエーター

 テキストプロンプトを入力したり、簡単なスケッチを描くことで、入力に基づいたアートワーク(イラスト)を生成できる。創造性レベルのスライダーを調節することで、入力した内容とAIによる創造の要素についてどちらを優先するか調整できる。

 スタイルオプションでは、水彩画や油絵といったスタイルも選択できる。なお、生成されたアートワークはサイドウィンドウに表示され、問題なければキャンパスに反映できる。

 プロンプトは英語に最適化されており、他の言語ではパフォーマンスが低下する可能性があるという。生成はNPU上で行われ、生成できるアートワークの数に制限はない。

Windows Studio Effectsの効果

 ビデオ通話中に顔を明るくしてライティングを改善する他、バックグラウンドの音声ノイズを除去できる。

自動スーパー解像度

 ゲームにおいて、映像の高精細さを維持しつつもレンダリング解像度を下げることでフレームレートを向上してゲーム体験を向上させる。

 Microsoftが検証したゲームタイトルについては最初からオンになる。他のゲームタイトルについては、Microsoftも互換性データを提供しているWebサイトで確認できる。

フォトアプリにおけるImage Creator/Restyle Image

 Microsoft フォト アプリ内で使えるImage Creator/Restyle Imageにて、プリセットやテキストプロンプトによるAI画像編集機能が使える。

●全てのPC向け

Wi-Fi 7のサポート

 Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)は、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eに続く新たな無線規格で、遅延の低減や電源管理が効率化される他、理論上の通信速度は最大46Gbpsとなる。

Bluetooth補助的な聴覚デバイスのサポートのためのLE Audio拡張機能

 LE Audioに対応したBluetooth機能を持つ聴覚補助デバイスにおいて、オーディオのプリセット機能やアンビエントサウンド(外音取り込み)コントロール機能の導入によるアクセシビリティー機能の向上。

システムトレイ&タスクバーの機能強化

 クイック設定でスクロールが可能になった。また、ネットワーク接続中のアニメーションアイコンや切断中の地球アイコン、Wi-Fiリストの更新ボタンやスキャン進行状況インジケーターのデザイン、VPNのリスト表示やトグルアイコンをリニューアルした。

より合理化されたエクスプローラー

 右クリックで表示されるコンテキストメニューにおいて、アイコン化された「切り取り/コピー/貼り付け/名前の変更/共有/削除にラベルが付いて視認性を改善した。

 さらにアドレスバーに表示される階層リンク表示の改善、「.tar」「.7z」形式によるファイルの圧縮に対応した。コンテキストメニューで圧縮形式を選択できる。他にもPNG形式の画像においてメタデータ編集が可能になった。

PCのスマート電源管理

 クイック設定からオンにできる新しい省エネルギー機能を追加した。ノートPCだけでなく、デスクトップPCのような電源が接続されたPCでもエネルギー節約に役立つという。

QRコードを使用してWi-Fiネットワークを結合して共有する

 QRコードによるWi-Fiネットワークの共有機能をサポートした。カメラを搭載したWindowsデバイスで、SSIDの選択やパスワードの入力を省いたり、別のデバイスに共有したりできる。

Wi-Fiネットワークアクセスのプライバシー制御の強化

 PCが検知している付近のWi-Fiリスト一覧にアクセスしようとするアプリに対する制御機能を強化した。

 これまではアクセスポイントの一覧から位置情報を特定される可能性があったが、アプリからそうした要求があった場合にプロンプトを表示してアクセス許可をユーザーに委ねられるようにする。

Microsoft Teamsでの簡単なアカウント管理と通知

 Microsoft Teamsにおいて、個人アカウントと職場アカウントもしくは学校アカウントをシームレスに切り替えられるようにした。

デバイス間での「Voice Clarity」の拡張

 「Surface Laptop Studio」で提供されていた、マイク入力音声のノイズ除去機能が多くのデバイスで利用できるようになった。

Sudo for Windows:Windowsのコマンドライン効率を高める

 開発者やパワーユーザー向け機能として、sudoコマンドをサポートした。

リモートデスクトップにおける強化された接続とアクセシビリティー

 ダークモード対応、テキストスケーリング機能、ズームオプションの追加により、リモート作業の柔軟性と視認性が向上した。

その他、非常に細かなものを含む追加機能

・セットアップ画面の改善

・ロック画面にスポーツ試合の速報、交通状況、財務ニュースを表示する

・スタートメニューに表示されるアカウントマネージャーのリニューアル

・スタートメニューにピン留めしたアプリをドラッグしてタスクバーにピン留めできる

・システムトレイに表示される時計にマウスポインターをあわせた時の表示改善

・低速充電器を接続した際の通知テキストの改善

・「設定」→「アカウント」→「リンクされたデバイス」から、Microsoftアカウントに登録されたPCとXboxを管理できる

・PC Game Passにおけるレコメンド機能、表示の改善

・「設定」→「ネットワークとインターネット」からWi-Fiパスワードを確認できるようになった

・GPSなどで正確な位置情報を検知できない場合の、規定の場所を設定できるようになった

・印刷メニュー表示の改善

・ストレージの記憶域表示インジケーターの改善

・「設定」→「システム」「サウンド」内にマイクのテストユーティリティーを追加

・リフレッシュレートを動的に調整するダイナミックリフレッシュレート設定をトグルボタンで有効化できるようになった

・ディスプレイごとに異なるダイナミックリフレッシュレート設定の許可

・色調整機能の新しいオプションを追加

・検知したBluetoothデバイスの表示を改善した。一般的ではないデバイスが検出されると、オプションとして「全てのデバイスを表示する」が表示される

・サウンド設定が「Windows バックアップ」に含まれるようになった

・タスクマネージャー、レジストリエディターの改善 など

 その他、さらに細かい詳細はMicrosoftのサポートページから確認できる。企業や組織のIT担当者に向けた新機能解説ページも用意されている。

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