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「Amazfit Helio Ring」を試して分かったスマートリングの実用性

ITmedia PC USER 2024年10月16日 12時0分

 Amazfitブランドを展開するZepp Healthは10月10日、同社初となるスマートリング「Amazfit Helio Ring」の国内販売を開始した。価格は4万9900円で、カラーはチタンの1色となる。リングサイズはUSの8/10/12号の3サイズが用意されている。

 コロナ禍で一躍注目を集めたスマートリングだが、有名なのは何といっても Oura Health Oyの「Oura Ring」だろう。国内では他にもSOXAIの「SOXAI Ring」などいくつかのスマートリングが販売されており、海外ではSamsung Electronicss(サムスン電子)も「Galaxy Ring」を発売するなど、徐々に認知されるようになってきたようだ。

 今回、メーカーからレビュー用機材をいち早く提供してもらい、数日利用してみたので、主に何ができるのかを中心に紹介しよう。

●見た目はただのリング バッテリー充電台はサイズ限定

 Heliro Ringは、外装がチタンで内側は樹脂という構造だ。外装は出っ張りなどがないシンプルなデザインだが、装着時に上になる部分に細かいドットが印刷されている。表面にはLEDなどは何もなく、装着してしまうと見た目はただの指輪だ。

 また、腹側には「|」の刻印がある。これはセンサーが腹側に来ている必要があり、凹凸のないデザインだと装着位置の上下が分からないためだろう。

 内側には、PPG心拍センサーの他に、皮膚電気活動(EDA)センサーが確認できる。このEDAセンサーにより、手汗からストレスレベルを測定できるとのことだ。

 充電には、専用の充電台を利用する。充電台はリングのサイズごとに異なるので注意が必要だ。例えば、家族と合わせて8号と10号を利用しているような場合、10号の充電台で8号のRingを充電したり、その逆に8号の充電台で10号のRingを充電したりはできない。

 Helio Ringで計測できる項目は、心拍数/血中酸素レベル/ストレスレベル/歩数/消費カロリー/睡眠スコアなどだ。計測データはスマートフォンのZeppアプリで確認できる。

●気になるバッテリーの駆動時間

 歩数や消費カロリーはHelio Ringで記録可能だが、ウォーキングやランニングなどの運動記録自体を行うことはできない。もちろん、スマートフォンのZeppアプリ側で明示的に運動記録を開始すれば、スマートフォンのGPSと合わせて経路を含めた記録は行えるが、それをHelio Ringの機能というのは違うだろう。

 バッテリー持ちに関しては、公称で最大4日間となっている。ただし、これは睡眠呼吸の質や血中酸素モニタリングなどが無効の状態だ。これらを一通り有効にした状態では、丸3日でバッテリー残量が8%となった。本音を言うともう少し持ってもらいたいところだが、指輪という限られた形状/スペースにバッテリーを搭載する以上、仕方がないところだ。

 満充電には約1時間40分かかるので、バッテリーを使い切ってから充電するよりも、毎日決まった時間に充電を行う習慣をつけた方がいいかもしれない。

 なお、Helio Ringは、他のAmazfitスマートウォッチと併用することが可能だ。日中はスマートウォッチを身に着け、寝るときにHelio Ringという使い分けをしても、全てのデータはZeppアプリで一元管理できる。両方を同時に見つける場合には、データを補完することでより正確な結果が得られるとのことだ。

●先行する「Oura Ring」との比較も

 Helio Ringの場合、毎月のサブスクリプション料金がかからないというのも特徴だ。Oura Ringの場合、月額6.99ドルのサブスクリプション加入が必要となる。加入しなくてもOura Ring自体は使えるが、表示できるデータがかなり限定的となる。これに対してHelio Ringは追加費用が必要ない。

 数日、実際に利用した感想も述べておこう。なお、筆者は3年ほどOura Ringを利用している。使用感といっても、指輪を毎日つけているだけなので、Helio Ringに限らずスマートリング全般の感想といってもいいだろう。

 着け始めた直後は違和感があると思うが、1日もすればほとんど気にならなくなる。反面、慣れてくると着けていなくても気にならなくなってしまうので、充電したまま装着を忘れるということがたまに起こる。

●自然に身につけられるスマートリング

 また、基本的には邪魔にならないスマートリングだが、家事の際には気を使う場面もある。特に食器を手洗いする際、ガラスのコップなどはスマートリングが当たってしまうので気を遣う。食洗器を使う場合は問題ないかもしれないが、こういうシーンでは素直にRingを外してしまった方がいいかもしれない。

 筋力トレーニングを行う場合にも邪魔になる。単純にダンベルやバーベルなどのバーがリングにあたるだけでなく、リングに指の肉が挟まってかなり痛いのだ。本当はトレーニング中の心拍を記録するためにも着けていたいところだが、残念ながら外すことになる。

 装着するのにお勧めの指だが、右利きの人の場合は左手人差し指か、右手中指、薬指が良いと思う。結婚指輪をしていないなら左手の中指、薬指もありだ(結婚指輪をしていると、左手の中指は干渉してしまう)。右手の人差し指はほとんどのシーンで問題はないのだが、ペンや箸を持つ際に邪魔になる。

 スマートウォッチのように時間を確認したり、スマートフォンの通知を受けたり、運動を記録したりはできないが、身に着けていることを忘れていられるというのが大きな魅力だ。就寝時に時計を身に着けることに抵抗がある人でも、スマートリングなら受け入れられやすいだろう。

 価格的にはハイエンドなスマートウォッチに手が届いてしまうのがネックだが、手軽にヘルスケアデータを記録したいという場合には、Helio Ringを試してみるのもよさそうだ。

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