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70%キーボードでも「REALFORCE RC」の質実剛健さは健在で魅力的 2画面PCとの組み合わせも最高です

ITmedia PC USER 2024年10月18日 12時0分

 手になじむキーボードで良質なタイピング環境を用意することは、生産性を左右する非常に大きな要素です。私自身もキーボードには相当“打ち込んで”いて、この連載以外にも書籍の執筆やブログ、メルマガの作成、本業ではパワポなどの資料作成やメール、チャット、プログラミングなど、もうどれだけキータイプしたか分からないレベルでキーボードを使いまくっています。

 当然、さまざまなキーボードの機種を試してきましたが、ここ数年のメインとして使っているのが、東プレの「REALFORCE」です。同じく、高級キーボードとして有名な「HHKB」(Happy Hacking Keyboard)などにも触れていますが、やはりファンクションキーとテンキーも備わっている実質剛健なREALFORCEに落ち着きます。

→・「HHKB Studio」は最強のコンパクトキーボード ただし物理キーの少なさに慣れるかが鍵になる)

 メイン機はMacなので、Mac用のフルキーボードモデルを使用しています。筆者は仕事用の拠点を2カ所用意していますが、どちらもREALFORCEを置いて使っています。

 そんな長らく愛用しているREALFORCEシリーズから、10月18日にテンキーなしの70%キーボード「REALFORCE RC1」(以下、RC1)が発売となりました。発売前にしばらく試す機会を得たので、早速使い倒してみました。

 私はこうした外付けキーボードをデスクトップPCで主に使うため、スペースをそれなりに確保したデスクの上で、実用性を落としてまでコンパクトな製品を使う必要はありません。便利なテンキー付きのフルサイズキーボードを使うようにしています。日付入力などテンキーを多用しますので、あった方がラクなのです。

 今回のRC1は、そういった意味からもメインとして使うことはないだろうなと思ったのですが、思いもかけず、自分の使い方の“1ピース”としてハマることに気が付きました。キータッチや使い勝手はREALFORCEならではの折り紙付きです。発売されたらすぐに購入する予定です。

●本体がコンパクトなだけで、REALFORCEです

 このREALFORCE RCを使い始めたところ、良い意味で「REALFORCEですね」としか感想が出てきません。70%キーボードとコンパクトになってはいますが、キーピッチの幅が狭くなるということもなく、キー荷重も30gと45gタイプが選択でき、キー配列も日本語と英語があります。

 70%というサイズでコンパクト化すると言いつつも、何が何でも小さくするのではなく、例えばファンクションキー回りはしっかりとスペースが確保されています。こうした隙間がないと、画面から目を離さず入力するタッチタイプ時に困惑してしまいますからね。

 また、現時点でMac用モデルはありませんが、設定を変更すればmacOSでもちゃんと使えます。あくまでキー印字などの問題です。

 専用ソフトウェア「REALFORCE CONNECT」も使用できます。各種設定やキーの書き換えなどが可能です。

 RALFORCEをお使いの方であれば、使い勝手はサイズが変わっても「あの感じね」と思っていただいてよいかと思います。

●電源は内蔵バッテリーに変更 若干気になった点も

 REALFORCEは電源に単三形乾電池を使うのが常でしたが、RC1はリチウムイオンバッテリーを内蔵しています。1回の満充電で約1カ月利用できるとのこと。充電式になったのは良しあしありそうですが、私の使い方からすると充電式の方が快適です。

 長期間に渡る利用を前提とすると、バッテリーの“へたり“は気になるかもしれません。

 最初に通電する際、USBケーブルで接続する必要があります。付属のUSBケーブルはコネクターがUSB Standard-Aなので、USB Type-Cポートしかないデバイスで使う場合は変換アダプターが必要になります。

●私の“1ピース” それは出張時リモートオフィス環境の向上

 今回、私がRC1を購入しようと思った理由は「出張時の利用」です。出先でがっつり業務を行うフルリモートのような働き方をする場合、筆者が持ち運ぶのがWindowsノートPC「Zenbook Duo」です。

 Zenbook DuoはMacBook Proと重さが大差ないにもかからず、本体に2画面を内蔵しているユニークなモデルです。ある程度しっかりと仕事をする際は、2画面が欲しくなりますが、今まではモバイルディスプレイを持ち歩いていました。

 Zenbook Duoはイロモノの製品というわけではなく、CPUなどのスペックも必要十分と判断し、発売直後に入手して外出時のメイン機として利用しています。

→・35万円切りの2画面ノートPC「ASUS Zenbook Duo」は、デスクトップPCとしても抜群の使い勝手だ

 このZenbook Duoは本体からキーボードを分離して使えるのですが、どうしても本格的なキーボードより使用感が劣ります。薄いですし、分離した状態でトラックパッドを使うのも微妙に使いづらい感覚があり、別途マウスを持ち歩いています。

 この状態でもそれなりだとは思っているのですが、数日間連続して使っていると、やはりキーボードの質が気になり、「もう少しなんとかならないかなぁ……」と感じていました。たとえ小型であっても、中途半端な質のキーボードだとわざわざ持ち運ぶ気がしません。

 そこで、「REALFORCEの小さいものを……」と考え、テンキーレスモデルを以前に購入したことがあるのですが、持ち運びには大きすぎました。HHKBも考えましたが、やはりキーが少ないのがネックでした。

 そんなこんなで諦め、もう検討すら忘れてしまっていたのですが……そうです、今回のRC1がピタリとハマりました。

 ディスプレイとキーボードが分離するZenbook DuoとRC1の組み合わせは利点が多いのです。私は使いにくいタッチパッドではなくマウスを使います。純正キーボードにあるトラックパッド部分は私にとって不要です。RC1を使うことで、このトラックパッド分を省スペース化することができ、よりコンパクトな環境で快適なリモートワーク環境が構築できるのです。

 RC1自体は617g(実測)と軽いわけではありませんが、Zenbook側のキーボード(実測で312g)を持ち運ぶ必要がなくなることを考えれば、許容範囲です。

●アクセサリーの充実化を求む

 さて、RC1の持ち運びを考えたときに欲しくなるのが収納ケースです。キーボード本体への傷も気になりますが、カバンに入れた時に他の物への傷も気になります。ピッタリと合った純正ケースが欲しいところです(発売も検討されているようですが)。

 そして、こうした高級キーボードの厚さ(高さ)に必要となるのがリストレストです。一般的な製品を選択すればいいのですが、やはり純正のピッタリサイズが欲しくなります。

 もちろんこれらを持ち歩くと荷物が増えることになりますが、快適さを考えると是非とも欲しいところです。

●サイズに自由度が出ました さあ、どのREALFORCEを選びますか?

 フルサイズ、テンキーレス、そして今回の70%モデル──REALFORCEのクオリティーをどんなシーンでも利用しやすくなりました。

 私は、先ほど紹介したZenbook Duoとの組み合わせで完全にハマりました。これからは出張先でも快適な環境が構築できそうです。

(製品協力:東プレ)

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