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小さなボディーに所有欲を満たす豊かな質感! 3.5型ディスプレイのAndroidデバイス「AYANEO POCKET MICRO」開封レポート

ITmedia PC USER 2024年10月23日 12時5分

 ハイビームが9月5日に予約受け付けを始めた「AYANEO Pocket MICRO」は、3.5型ディスプレイを搭載したAndroidゲーム機だ。当初は10月中に発売予定とされていたが、記事執筆時点で11月9日発送予定とのことで、実機を手にできるのはもう少し先になりそうだ。

 筆者もAYANEO POCKET MICROを予約しているが、事前に評価機を借りて先行レビューをしていきたい。なお、評価機はメモリ6GB、ストレージ128GBを搭載したモデルで、カラーはマジックブラックだ。

●高級感のあるパッケージと、高級感のあるデバイス

 メーカーの評価機というものは、複数のメディアの手を渡って使われるものだ。今回のAYANEO POCKET MICROに関しても、筆者は「新品ではないから、開封する喜びを感じられないだろうな」と考えていた。

 しかし、梱包(こんぽう)用の段ボール箱を開けて姿を表したAYANEO POCKET MICROの外箱を目にした途端、その考えが間違っていることが分かった。外装フィルムなどがなくても、AYANEO製品に見られる独自の高級感が残っており、箱を見ただけで顔がニヤついてしまうのが自分でも分かったからだ。

 製品の線描がプリントしてある保護材を取り除くと、AYANEO POCKET MICROが姿を現した。

 パッケージ内容は本体の他、充電用ケーブル、取扱説明書、後述するAYAHomeやAYASpaceアプリの説明書、注意書きや保証書などが入っている。

 まずは本体の外観に注目したい。フロント部分は全面ガラス張りの、いわゆる“ツライチ”仕様であり、ディスプレイ部分とコントロールパッド部分に段差がない。

 フレームにはCNCアルミニウム合金を採用しており、全体的に高級感がある。手になじむサイズということもあり、持つ喜びを感じさせてくれるデバイスだ。

 搭載しているコントロールパッドにはホールセンシングジョイスティック、マスターオールラウンドコントローラー、キースワップ可能なABXYボタンが配置されている。

 左側面にはmicroSDメモリーカードスロット、右側面にはホームボタンとRCボタンを搭載する。

 上部にはL1/L2、R1/R2ボタン、音量調整ボタン、指紋認証センサーがあり、下部にはAYASpaceボタンやスタートボタン、セレクトボタンなどが並ぶ。

●性能としてはミドルレンジクラス

 AYANEO POCKET MICROは、6GB/128GBモデルの他、8GB/256GBモデルもある。異なるのはメモリーとストレージ容量だけで、それ以外の部分に関しては両モデルとも共通だ。

 ディスプレイは3.5型のIPS液晶で、解像度は960×640ピクセルだ。OSはAndroid 13で、SoCには2022年5月頃に登場した「Media Tek Helop G99」を採用している。最大2.2GHzのArm Cortex-A76を2基、最大2.0GHzのArm Cortex-A55を6基搭載したオクタコアCPUを内蔵しており、GPUはArm Mali-G57 MC2となっている。スマートフォンでいえばミドルレンジクラスに当たるだろう。

 OTG対応のUSB Type-C(USB2.0)端子を搭載し、ワイヤレス機能はWi-Fi 5とBluetooth 5.2に対応している。イヤフォンジャックがないため、内蔵スピーカー以外を使って音を聞きたい場合はワイヤレスイヤフォンを使うか、USB Type-Cから別途用意したイヤフォンジャックへの変換アダプターを利用する。

 なお、変換アダプターはDAC内蔵タイプであることが条件として求められている。評価機では「Game Pad Mode」をオフにしてコントロールパッドを使用不可にしておく必要があった。

 その他、ゲームをより一層楽しむための6軸ジャイロセンサー、X軸リニアモーターを搭載しており、接続した外部コントローラーを振動させるXInputデバイス振動、バイブ機能のないレトロゲームでも音をAIが判別してシーンにマッチした振動を生じさせるSoundTAPMagicにも対応している。

 一般的なスマートフォンと大きく異なるのは、大型ファンの内蔵により、強力な冷却機能を備えていることだろう。このファンのおかげで、ミドルレンジクラスのSoCであっても安定的なパフォーマンスを発揮できるとのことだ。

 サイズはジョイスティックなどを除いた実測値で155(幅)×62(奥行き)×17(高さ)mm、質量は233gだった。大型ファンの搭載による厚みがあることや、コントロールパッドの搭載による幅など、一般的なスマートフォンと比べるのは難しいが、それでもポケットに入れておきやすい「MICRO」サイズのAndroidゲーム機だといえよう。

●小さくても押しやすいボタンと高いカスタマイズ性

 AYANEO POCKET MICROの数字にとらわれない、実際に手に持ったときのサイズ感は下の写真を参考にしてほしい。手首皮線(手首と手のひらの間のシワ)から中指の先端までの長さにすっぽりと入ってしまうコンパクトさだ。

 操作イメージは、次の写真を確認してもらいたい。ジョイスティック、十字キー、ABXYボタンなどが小さいスペースにぎっしりと配置されているが、それでも操作に不自由を感じることはなかった。

 左右のトリガーボタンやショルダーボタンは、通常のゲーム機であれば前後に配置するところだが、そのための厚みがないため、両方の端に近い部分にショルダーボタンにあたる「L1」「R1」ボタン、さらに内側にはトリガーボタンにあたる「L2」「R2」ボタンを配置している。L2/R2ボタンは、L1/R1ボタンよりわずかに高くなっているため、ほんの少しの慣れで押し間違えが格段に減る。

 難をいえば、ABXYボタンのクリック感が弱く、“へにょっと”した押し心地であることだろうか。

 AYANEOが先に販売を開始した「AYANEO Pocket S」では、Xbox方式のABXYボタンを配置しているが、AYANEO POCKET MICROではNintendo Switch方式を採用している。決定操作をしたいとき、戻る操作をしたいとき、さらには同じゲームをそれぞれの機種で遊ぶ際など戸惑ってしまいそうだが、AYASpaceボタンで呼び出せるクイックセットアップ機能を使えばXbox方式へとキースワップすることもできる。

 AYANEO独自の「AYASpace」は、さまざまなプラットフォームで配信されているゲームをまとめておけるアプリだ。

 「AYASetting」はAYANEO POCKET MICROのパフォーマンスやコントローラーのキャリブレーション、CPU Limitなどのカスタマイズを行う際に使う。

 パフォーマンスの設定や前述したコントローラーのABXYボタンのレイアウト設定の他、モバイルゲームを物理コントローラーで操作できるようにする「キーマッピング機能」、レトロゲームでも音声や表示にマッチした振動を作り出す「SoundTAPMagic」の設定などは、AYASpaceボタンで呼び出すクイックセットアップ機能を使う。

 次回はベンチマークテストの思わぬ結果やゲームプレイレビューなどを紹介していく。

(製品協力:ハイビーム)

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