Microsoftが10月1日から順次配信している最新のOSアップデート「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」だが、本バージョンの導入によって不具合が発生する可能性がある環境では、「セーフガードホールド」と呼ばれる機能でアップデートの配信が見送られている場合がある。
この記事では、Windows 11 2024 Updateにおいて2024年10月25日時点で発生している既知の問題をまとめる。なお、同年10月4日時点で報告された既知の問題は別の記事で紹介している。
●オブジェクト検知対応Webカメラ搭載PCでアプリが応答しなくなる
物体/人物検知機能を備えるWebカメラを搭載するPCに本バージョンを導入すると、カメラを使うアプリが応答しなくなることがある。この問題はカメラの物体/人物検知機能を有効化している場合に発生し、OS機能である「Windows Hello」の顔認証も影響を受ける。
この問題が発生する可能性があるPCには、10月18日までにセーフガードホールドが適用された。インストールアシスタントやインストールメディアを使った手動バージョンアップも推奨されない。
現在、この不具合を解消するための作業が進められている。
●「Voicemeeter」を導入しているPCでシステムが停止する
本バージョンが稼働しているPCに、VB-Audio Softwareの仮想オーディオミキサー「Voicemeeter」を導入するとブルースクリーン(STOPエラー)が発生することがある。この問題は、Voicemeeterが用いる仮想デバイスドライバが、本バージョンのメモリマネージャーと非互換であることが原因だ。
Voicemeeterを導入済みのPCには、10月18日までにセーフガードホールドが適用された。インストールアシスタントやインストールメディアを使った手動バージョンアップも推奨されない。
現在、VB-Audio SoftwareはVoicemeeterのアップデート作業を進めている。アップデート後は本不具合が解消される予定で、Arm版Windows 11にも対応する見通しだという。新バージョンで本不具合が解消されれば、セーフガードホールドも解除される予定だ。
●ASUS製の一部PCで本バージョンのインストールが正常に行えない
ASUSTeK Computer(ASUS)製の一部PCに本バージョンを導入しようとすると、インストールプロセス中にSTOPエラーが発生して完了できないことがある。
この問題は特に「Vivobook 14(X415KA)」と「Vivobook 15(X515KA)」で発生しやすいとのことで、両モデルを中心に問題が発生する可能性があるモデルには10月18日までにセーフガードホールドが適用された。インストールアシスタントやインストールメディアを使った手動バージョンアップも推奨されない。
本件は特定のハードウェアコンポーネントと本バージョンの互換性が原因と特定されており、現在ASUSとMicrosoftが解消に向けた作業を進めている。
●「ディスク クリーンアップ」の容量報告が正しくない
本バージョンの「ディスク クリーンアップ」アプリにおいて、クリーンアップした際に解放できるディスク容量の報告が正しくないことがある問題が発生している。
これは「Windows Update クリーンアップ」カテゴリーに含まれるファイルの空き容量報告が不正確なことが原因で、アプリによるクリーンアップ機能自体には問題はない。
この問題については、10月24日付で配信を開始した「累積更新プログラム(KB5044384)」で改善している。Microsoftでは、空き容量報告をより正確に行えるするための改善を続けていくという。