AMDは10月31日(米国太平洋夏時間)、新型デスクトップ向けCPU「Ryzen 7 9800X3D」を発表した。パッケージ(ボックス)版の米国での想定販売価格は479ドル(約7万3100円)となる。
●Ryzen 7 9800X3Dの概要
Ryzen 7 9800X3Dは、デスクトップ向けRyzen 9000シリーズに新たに加わるCPUで、AMD独自の積層技術「AMD 3D V-Cacheテクノロジー」を適用することでL3キャッシュを大幅に増強している。
3D V-Cacheテクノロジーは「第2世代」に進化しており、増量したL3キャッシュをプロセッサの“下”に配置し、CCD(Core Complex Die)を冷却システムに近付けたことで、冷却効率と最高クロックの両方を向上できたという。これにより、従来のX3Dシリーズでは実現できなかった“完全アンロック”対応を果たした。
同社のテストによると、先代の「Ryzen 7 7800X3D」と比べてゲームの平均フレームレートが8%程度向上し、タイトルによっては2桁台の向上も期待できるという。また、他社のCPUと比べた場合は平均で20%のゲーミングパフォーマンス向上を図れるそうだ。別の他社CPU(Core i9-14900K)と比べた場合も、平均フレームレートにはほとんど差がなくても「1%低フレームレート」を最大で31%改善できるとしている。
主なスペックは以下の通りだ。
・プロセス:4nm(CPUコア)/6nm(I/Oダイ)
・CPUコア:8基16スレッド(4.7GHz~5.2GHz)
・L1キャッシュ:640KB
・L2キャッシュ:8MB
・L3キャッシュ:96MB
・TDP(定格値):120W
・CPU直結ポート:USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)×4、USB 2.0×1、PCI Express 5.0×28(※1)
・対応メモリ(定格):DDR5-5600(最大192GB)/ECCモジュール対応(※2)
・内蔵GPU:Radeon Graphics(2コア)
(※1)うち4レーンは利用不可(チップセットとの通信用)(※2)マザーボード側も対応している場合に利用可能